西の魔女の正体は、田舎の長い長い峠の坂道を登った山の中の薄暗い竹藪の先の荒れ果てた人家に住んでいる、まいの大好きなおばあちゃん。
おばあちゃんの家の庭の、レタスもキンレンカも野イチゴも、クヌギや樫やハシバミの木や栗の木が点在する雑木林も、飼っているニワトリの卵も、全部の情景がとにかく綺麗で、読んでるだけで健康になりそう。
おばあちゃんは大切なことをなんでも知ってるし、中学生のまいにわかりやすく教えてくれる。
本当に本当に大切な話。
本当に。
言わなきゃいけなかったことともう二度と言えないかもしれないことと言いたくない気持ちを上手に切り分けることができなくて心にシコリを残したままになることも、
全部が大切な話だった。