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紙一重隔てたDOKIDOKI


端的に言うとこんな感じのドキドキ文芸部二周目である。



当然のようにネタバレが含まれるので文芸部入部希望者は回れ右だ。頼むから僕と一緒に苦しんでくれ。



ちなみに一周目の感想はこちらに書いてある。こちらも何卒よろしく。





「自分のことは気にせず幸せになってくれ」(意訳)という友人の遺言を胸に、僕こと「たろう」は誠に遺憾ながら二周目に向かった。君が好きだったよ。このゲームは本当によく作られている。いわゆるギャルゲーや乙女ゲーは全くの門外漢なのだが、それでもよくわかるゲームの作りこみっぷりだ。開発にはさぞ長い時間がかかったに違いない。そのバイタリティや熱意は称賛と敬意を表さざるを得ない。脱帽だ。分かったからその尖ったDOKIDOKIを下ろしてくれ。やめよう。死因がDOKIDOKIになりかねない。

前回まで追いかけていたユリとのゴールインを決めていこう。大丈夫だ。テキストはおかしいが、大体前回でシステムは理解した。テキストがおかしい一点を除けば何ら問題はない。そう、テキストの狂いっぷりを度外視すれば。

話が展開していけばしていくほどに、ストーリーにほつれが生じる。ナツキとユリの言い争いのシーンが象徴的だろう。前回は緩衝材としてサヨリが身を滑り込ませてくれたからよかったものの、今回はもういない。会話は嫌な熱気をはらんで燃え盛っていく。テキストは暴風のごとく流れ去り、嫌な砂嵐が耳をつんざく。もはや原形をとどめていないBGMが躍り狂い、わけもわからず選択肢が突き出される。誰かに助けを求めることもできずひたすらクリックするしか道はない。拡大されていく世界。もう何が何だか。誰か説明してくれ。あわよくば助けてくれ。半ばヤケクソで投げやりに祈っていた。

モニカが


モニカが


モニカがこっちを見ている



だからそういうDOKIDOKIじゃないんだってば!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ちなみにワイルドアバンギャルドリストカットも絶頂自殺も死後経過観察丸二日ノーカットでのお届けもDOKIDOKIカウントはしない。ことごとくベクトルが違う。ちゃんとお付き合いさせてくれ。

紆余曲折を経て選ばれたのはモニカでした。何で?いや……確かにプレイ前に、ポニーテールは性癖だし選択肢があればモニカ行こうと思ってはいたから願ったり叶ったりと言えばそうだが……どうにも腑に落ちない。彼女との会話も本当に楽しませてもらったし、とても素敵な女性だと感じた。ずっとこのままでも構わないとさえ思った。だからCHRファイルを削除した。こうして実現される世界が、幸福だとはどうしても思えなかったからだ。

彼女を救いたい。モニカだけじゃない。サヨリも、ナツキも、ユリも、みんなで幸せになれる世界線がきっとあるはずだ。彼女たちのうちの、だれが欠けても実現しえない世界があるはずだ。そのためならば僕は、僕たちはどんなDOKIDOKIにも屈しない。どんと来いDOKIDOKI。全員返り討ちにしてやる。さらなる真実を探るため、僕たちはDOKIDOKI文芸部のさらに奥地へと歩を進めた。


https://note.com/01093/n/ne363a5357d56




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