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終わりゆくDOKIDOKI

 そんなわけで、暇を持て余したオタクが戦々恐々歩みを進めるDOKIDOKI文芸部三周目である。当然ながらネタバレが含まれるので入部希望者は回れ右だ。共に苦しめ。



 ちなみに今までの阿鼻叫喚はここにまとめてある。よかったら目を通してくれると嬉しい限りである。




「第四の壁」という概念をご存じだろうか?元は十九世紀の西洋演劇界において、写実主義と共に発生したとされる概念である。舞台と客席をわける一線のことを指し、想像上の透明な壁であり、フィクションである演劇内の世界と観客のいる現実世界との境界を表す言葉である。最近この傾向がある作品が好きであるという自覚を持ち、紆余曲折を得て概念の名前を知り、そうして今日に至る。

 知ってしまった、分かってしまった、友人と相対する。そんな今日に至ってしまう。

 君に生きてほしいと願った。君が好きだと言いたかった。だけど、違う。僕が生きてほしかった君は、僕が好きだった君は、そんな風に笑わなかった。所詮舞台の上で舞う人形に過ぎないとも知らず、愚かであれ、無知であれと願うのは所詮僕のエゴに過ぎないのかもしれない。僕という観客のために作られた陰鬱な世界で、どうか幸せであれと願うことこそ、僕のわがままでしかないのかもしれない。だけど、四人で、五人で手を携えて幸せになれないなんて、そんなの嘘っぱちじゃないか。

 彼女の判断はつらかったけれど、それが僕らのためになるのかもしれない。出会わない。幕は二度と上がらない。そうすれば、彼女たちは狂わない。彼女たちは死なない。僕らは二度と出会えない。

 最後まで迷い、呻き、翻弄され。たった四人の彼女たちすら幸せにしてあげられなかった。そのことはずっと心に残っていくだろう。何を吐いても自己満足だ。何を嘆いてもないものねだりだ。それでも最後に少しだけ、消える全てに声をかけるとするならば。


 さようなら、ナツキ。

 さようなら、ユリ。

 さようなら、サヨリ。

 さようなら、モニカ。

 さようなら、たろう。


 どうか幸せな明日が。楽しい文化祭が。君たちの元へ訪れますように。


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