亀戸が、近くにあればいいのに。
近所で、ちょっと途中下車して通える場所にあればいいのに、亀戸。
最近、亀戸が気になっています。
もともと「飲み屋街」は好きでした。西荻、中野、赤羽、大塚…。
自分が飲むからというのはもちろん、雑多で、埃っぽさとジメッとした湿度の両方をもつ「場末の空気」に、たまに触れたくなるのです。
なかでも、最近気になっているのが亀戸という街です。
JR亀戸駅の北口をでると、いきなり飲み屋。それもちいさな立ち飲みとか、いきなりディープな飲み屋街が広がります。
餃子やホルモンが有名で、テレビにでるような店は年中行列がたえませんが、今回はそれとは別の「個人経営の飲み屋さん」を紹介します。片道1時間かけて通いたくなる、魔境のような引力をもつ店々です。
「ふう」 亀戸酒事情を知りたければここへ
くいのみ屋 ふう
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131202/13177109/
プロレスのテーマソングや古いアニソンがずっと流れている、ちょっと不思議で小さな居酒屋さんです。
だいたい、その日の3品おつまみセット(500円)で飲みます。
お酒は亀戸ではじめて知った「バリキン」というお酒のサワー。
ここまでは普通の「ちょって手のかかったおいしいおつまみで飲める店」に見えますが、実はここ、「スパイス系」がすごいのです。(左の焼きそばはすごい辛かった)
とある日のスパイスつまみセット。これで永遠飲めてしまうほど。
ちなみに「ふう」さんは、週末は11時オープン。
「おかあさんが朝の家事を終えて飲める場所を作りたくて、最初は10時にしましたね。でもその時間から飲みたいのは私くらいだった」とのこと。
お客さんはほぼ常連さん。カウンターに並び、その日のつまみをつまみ、お酒を2〜3杯ほど飲みます。そしてぽつりぽつりと、適当に話します。
この「適当」加減が、心地いい。
話したければ話す、べつにスマホみててもよし。口にするついでに、最近食べたものとか、酒とか、近所のこととか、垂れ流すように話す。
よく考えて質問するのが、無粋に感じられます。
また、「ふう」ではよく「亀戸のおすすめの飲み屋さん情報」が話題にあがります。「もうすぐあのお店のオープン時間だから、うち出て行った方がいいよ」と勧められるほど。
ここからは亀戸を飲み歩いた地元呑兵衛たちがリアルにおすすめするお店を紹介します。「ふう」で軽く飲んで、ハシゴするのがおすすめです。
会計をすませると、「いってらっしゃい!」と元気に送り出してくれました。さあ、飲もう!
「亀戸=安くて旨い」イメージを作った「したぢ屋」
続いてが、もつ焼きをメインとした大衆酒場・したぢ屋さん。
その日の飲みの「下地を作る」ことが店名になったそうです。ハシゴ酒する人がそもそもの対象という、亀戸らしい店です。
したぢ屋
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131202/13205959/
数多の飲み屋が集まる亀戸は、テレビなどの影響もあり今や「飲兵衛の聖地」的な人気です。その分お店への期待のハードルも高く「安い、旨い」を兼ね備えていないお店は到底生き残れないとされています。
「その風潮を作ってしまったのが『したぢ屋』。なんで自分の手間分のお金をかけないのかね」(ふうさん)
というのは、こちらの「本日の黒板メニュー」。数量限定で、夕方すぎにはなくなってしまうそう。
…あまりに、安い。
もちろん、美味しい。黒板上から順にいきたいです。
どうも、店主は以前築地で働いていたそうで、知り合いからその日多く獲れた魚介を安く仕入れられるのだとか。それを、仕入れ値の基準で出しているそう。手間とかこれまでの投資費用とか、あるでしょうに。
さらに、お酒は大衆酒場っぽいホッピーを、「氷」で用意。
焼酎を注いで凍らせたジョッキにホッピーをそそぎ「溶かしながら飲む」スタイル。バッキバキに凍っています。
ちなみに、したぢ屋さんはtwitterで毎日オープンの16時くらいに「本日の鮮魚」情報をアップしています。フォローすると情報が入ってくるので「美味しそう、行きたくても行けない」という状況を楽しめます。
万能タイプの立ち飲み「超人」
ビルの2Fにある立ち飲みや。15:00〜24:00くらいまでという体力勝負のお店です。
立ち酔い 超人
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131202/13196901/
「万能型の飲み屋。すべて安いのに、料理はちゃんとしている。普通に飲みにいってもいいし、二次会でもいい、なんなら待ち合わせに使ってもいい」(ふうさん)
飲み屋を待ち合わせにつかう、という発想はなかったものの、「いつでもやってる」というのはいい。ここはとにかく安い。
酎ハイ150円(しかも、わりとちゃんとおいしい。なんなら濃い)で、
おつまみの200〜300円代がほとんど。でもちゃんとおいしい。
いわしフライと鳥にクリームシチュー。値段は覚えていません、安すぎて。
おじゃましたのは16時くらいでしたが、結構いろんな人でにぎわっていました。お年を召したご夫婦から、場末感香るおじさん、まだ20代前半の男女。みなドラム缶に体重かけつつ、立ちでゆるっと酒を飲んでます。
「だってさ、普通に自炊するより安いから、いくよね。酒ついてくるし」とはふうさん。
なんというか、外出用ではない「生っぽい亀戸」に触れた気分になります。
だから、亀戸が近所にほしい
そして、亀戸には「はせがわ酒店 本店」があります。これはでかい。
これらのお店を一度知ると、通いたくなります。
でもそれほど気軽にはいけません。だから、亀戸が近所にほしい。
近所にあれば平日でもふらっと、おいしいあてと酒をちょっと楽しめるのに。
だんだんと「住みたいかも」と思ってきました。
「アル中になるよ」と、冒頭のふうさん。たしかに。
亀戸には、たまに気合い入れてお邪魔するくらいを継続します。
これから行きたいお店
これから行きたい亀戸のお店候補です。
・梅田屋
おいしい日本酒がいただけるとのこと。おうかがいしたのですが、満席でした。次回こそ…。
・う成る
会社の先輩に亀戸在住の方がいて、そのかたのおすすめです。うなぎのいろんな部位で飲めるタイプです。おいしそう…。
ほかにも亀戸のおすすめ(ホルモン、餃子以外)ありましたらお教えください!
追記10/3
掲載のご連絡をしていたしたぢやさんより、なんとお返事とステキな話題が。個人メッセージですがはりつけさせていただきます。
※ちなみにしたぢ屋さんからのコメントとしては、
・ちゃんと利益考えています
・市場の人もわかってくれるので、それに見合う金額で卸してくれている
・自分が食べに来たときに「うれしい」価格で値付けしている
かっこいい…ぜったいまたいきます。
もちろん、お酒を飲みます。