【大塚sakewalk】日本酒の街の飲み屋を巡る5時間。満足度がすごいイベントレポート
日本全国、さまざまな場所で開催されている「日本酒イベント」。
中でも、日本酒の聖地ともいわれる飲み屋の街・大塚の「大塚sake walk」は、地酒居酒屋と酒蔵がタッグを組んで「参加者をとことん満足させてくれる」、とても熱いイベントです。
2022年10月、「大塚sake walk」が3年ぶり開催されました。休日の昼間から、熱燗とホヤで仕上がってきましたので、レポートします!
5時間のイベントを満喫する作戦「2周する」む
ここで、大塚sake walk 2022の詳細を説明します。
まず、圧倒的に長いです。5時間! おそらく、途中参加や途中退席を考慮した半日イベントなのでしょうが、冒頭からがっつり参加します。
お店の数は5、酒蔵は10と、やや少なめです。(ご時世的に最小限の規模にしたそう)。料理は5店舗でそれぞれの「おつまみセット」がいただけますが、それ以外にも「追加オーダー」もできるそう。こちらも気になります。
よし、決めた。「2周する」作戦でいきます。
まず1周目に、基本のおつまみセットとスタンダードなお酒を楽しむ。そして2周目に、追加オーダーで気になるものをいく。3年ぶりの大塚sake walk、100%楽しみ尽くします!
スタート地点「地酒やもっと」。いきなり熱燗を飲ませる仕様
JR大塚駅から徒歩5分ほどの位置にある「地酒やもっと」が、今回のスタート地点(特定の2店舗でチケット交換できるようになってます)です。開始直後にいったのに、お店の中はかなりの混雑ぶり。
受付でチケットを交換。酒器と、酒器が入るオリジナルポーチをもらいます。
チケット交換の流れで、スタート地点「地酒や もっと」さんのおつまみセットをもらいます。せっかくなので、そのまま日本酒も……
スタート地点にある最初のお酒は、「久保本家酒造(奈良)」の「睡龍」「生酛のどぶ」。わかりやすくいうと、個性派の熱燗酒です。
普通、こういう日本酒イベントで出会うお酒の大半は「わぁおいしい!」となる、すっきりフルーティー系なイメージがあります。個性的な味のものや熱燗にして映える「しみじみ旨い」タイプはなかなかなく(じっくり味わう&わざわざ熱燗にしなければいけないので、イベント向きではない)、またあっても会の後半にちょっとでてくる程度。
しかし大塚sake walk、スタート地点に超渋い「熱燗のお酒」を配置しました。「この(睡龍などのお燗酒)よさ、わかるよな?」と、あおられてる気分です。
1店舗につき2つの蔵のお酒が提供されているそうなので、もうひとつの銘柄を見てみると…
「太田酒造場(鳥取)」の、「辨天娘」。こちらも完全に熱燗のお酒です。
お酒イベントのスタート地点が「熱燗しかない」。よいです。最初の一杯はすっきり爽快、ではなく、ごりごりと燻銀の熱燗ではじめます。
しみじみ、おいしいです。飲み歩きのイベントなのに、足に根が生え、まったりします。お酒好きの結構深い部分を、開始早々から突いてきます。
2軒目、熱燗にぴったりな日本酒が次々登場!
意外な熱燗スタートにまったりしてしまいましたが、今日は歩くイベント。次へ向かいます。
次のお店は、生ハムと日本酒のお店、29Rotieさんです。
すごい、熱燗しかない。お酒は「秋鹿」「玉櫻」。こういってはあれですが、温めないとダメなくらい、熱燗がおいしい銘柄です。
おつまみセットは「生ハム」。ひとくち食べて、熱々の日本酒で追いかけると、ハムの脂身が熱燗で溶けて旨味が広がり、たまらなくなります。土曜の昼とは思えない、深い深い満足感が得られます。
もう、このお店で(あと4時間)今日のイベント終わっても大丈夫なくらい、そういう深いおいしさです。もうあまり動きたくない。
3、4軒目、熟成・本醸造・熱燗 がおいしい!
続いては、地酒屋こだまさんの間借り居酒屋「ちょこだま」へ。
お酒は「辰泉」「鷹の夢」と、やっと冷たいお酒が登場します。
辰泉はフレッシュな生酒と、熱燗がおいしい熟成の本醸造を飲み比べ。やっぱり熱燗がおいしい。熱燗を知ってしまうと、なかなか戻れなくなります。
4軒目の「バール 青ィ印」では、仙介、原田という、やっと爽やかなお酒。徒歩3分くらいの距離なのに、なんだか別世界のようでした。もちろん、とても美味しいです。まったりしていた気持ちがリセットされた気分です。
日本酒イベント参加者コレクション
突然ですがここで、イベントで遭遇したすごい人たちを紹介します!
5軒目、宴会状態の「きの字」へ
5軒目は、少し距離のある「きの字」へ。時間も開始から少し経過し、盛り上がっています。
こちらでは、「鳴海」「山の井」の2銘柄をいただけます。
お子さん連れの参加者もいらっしゃいました(おちょこで麦茶飲んでました)。子育て世代が参加できるのって、なんだかよいです。
当初の作戦では、ここもサクッと飲んで2周目にいくつもりでしたが、「きの字」の追加メニューに「なめろう」があり、それが「鳴海」にとてもあうと聞き、思わずオーダーすることに。
外のテーブル席の端にいれてもらったところ、なんとなくテーブルを囲む人たちで会話が生まれ、次第に宴会のような状態に。
大塚歴数十年という大先輩のグループに、お酒仲間だという若いグループ、そしてひとり参加の私。共通の話題はほとんどないはずですが、「同じお酒とつまみを食べてうまいうまい言っている」というだけで楽しくなります。
気がつくと、ここだけで数杯おかわりし、小一時間楽しんでいました。
2周目。街歩きな楽しさもある!
「きの字」での宴会が一旦落ち着き(みんな、そろそろ行かないと回れないことに気づいたため)急いで2周目へ。このイベントでは「店から店」へと歩くのですが、道中「こんな場所あったんだ」という景色に出会えます。
大塚=夜飲みに行く場所というイメージですが、当然ここで暮らしている人もいて、その人たちを支えるいろんな街の要素があるもの。
今回のイベントの参加者は200名。5つのお店は常に満員ですが、街という単位で見ると本当に少数のため、「街がイベントしている感じ」はさほどありません。
それでも時折、イベント専用のポーチ(酒器が入って便利)をつけている人をすれ違うこともあり、なんとなく会釈します。「このイベントに参加するということはすごいお酒好きなはず」という、ゆるい仲間意識です。
ホヤと熱燗で、永遠に飲める!
2周目は、「ちょこだま」に戻ってきました。写真はないのですが「ホヤ」の追加つまみがあり、それと熱燗を楽しみに来たのです。
こちらは「鷹の夢」の方。「実は日本酒ほとんど飲んだことない」という若いグループがきており、丁寧にお酒の説明をしているところでした。はじめて日本酒を飲む若者たちから「おいしい!」と感想が聞けてうれしそう。
そして最後は、スタートの「地酒や もっと」へ。
そして、ここでもホヤを追加オーダー。こういう癖のあるつまみと「睡龍」「辨天娘」の熱燗が、これ以上ないくらいよく合うのです。2周まわるとか残り時間とかが、どうでもよくなるくらいだらだら飲めてしまう。
大塚sake walkは、町内会のお祭りのような楽しさがある
2周目の途中でまったりし、そのまま終了。5時間たっぷり楽しみました。
小規模な開催だったこともあり、気に入ったお店でゆっくり飲んだり、ちょっと他所をのぞいてみたり、せかせかせずに楽しむことができました。
酔った頭の中で「祭りみたいだ」と感じました。
それも、町内会とかでやるような、小さなお祭りだと。
お酒好きな年配の方がいて、同世代の人たちもいて、子供連れの人がいて、日本酒初めて飲む人たちもいて、同じ料理とお酒に舌鼓を打つ。
もちろん、一部のファンが集まる熱狂的なイベントも、テーマや想いが感じられるイベントも好きですが、今回のような雰囲気は特に好きです。
誰ひとり場違いではなく、気軽に(すごく美味しい)熱燗と料理をいただけて、少し会話できて、気が向いた時に店を出る。お店の人も、難しいことは抜きで「とにかくこれとこれ美味しいよ」といった感じで迎えてくれる。
大塚sake walk、最高じゃないですか。
すてきなイベント、ありがとうございました、次回も楽しみにしてます!
ちなみに、前回参加した時の模様はこちら
もちろん、お酒を飲みます。