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【大塚sakewalk】日本酒の街の飲み屋を巡る5時間。満足度がすごいイベントレポート

日本全国、さまざまな場所で開催されている「日本酒イベント」。
中でも、日本酒の聖地ともいわれる飲み屋の街・大塚の「大塚sake walk」は、地酒居酒屋と酒蔵がタッグを組んで「参加者をとことん満足させてくれる」、とても熱いイベントです。

2022年10月、「大塚sake walk」が3年ぶり開催されました。休日の昼間から、熱燗とホヤで仕上がってきましたので、レポートします!

5時間のイベントを満喫する作戦「2周する」む

午前11:00、大塚着

ここで、大塚sake walk 2022の詳細を説明します。

・日時:2022年10月15日(土)11:30〜16:30
・エリア:大塚駅〜新大塚駅周辺
・参加店舗数:5(地酒やもっと、きの字、29Rotie、ちょこだま、バール 青ィ印)
・参加蔵:10(辨天娘、睡龍、鳴海、山の井、秋鹿、玉櫻、鷹の夢、辰泉、仙介、原田)
・おつまみ:チケット代に含まれるおつまみセットが各お店にあり(キャッシュオンで追加注文可能)
・お酒:基本的に飲み放題(キャッシュオンの追加銘柄あり)

まず、圧倒的に長いです。5時間! おそらく、途中参加や途中退席を考慮した半日イベントなのでしょうが、冒頭からがっつり参加します。
お店の数は5、酒蔵は10と、やや少なめです。(ご時世的に最小限の規模にしたそう)。料理は5店舗でそれぞれの「おつまみセット」がいただけますが、それ以外にも「追加オーダー」もできるそう。こちらも気になります。

よし、決めた。「2周する」作戦でいきます。

まず1周目に、基本のおつまみセットとスタンダードなお酒を楽しむ。そして2周目に、追加オーダーで気になるものをいく。3年ぶりの大塚sake walk、100%楽しみ尽くします!

スタート地点「地酒やもっと」。いきなり熱燗を飲ませる仕様

JR大塚駅から徒歩5分ほどの位置にある「地酒やもっと」が、今回のスタート地点(特定の2店舗でチケット交換できるようになってます)です。開始直後にいったのに、お店の中はかなりの混雑ぶり。

2色展開!秋なので赤い方にしました。

受付でチケットを交換。酒器と、酒器が入るオリジナルポーチをもらいます。

チケット交換の流れで、スタート地点「地酒や もっと」さんのおつまみセットをもらいます。せっかくなので、そのまま日本酒も……

!!!

スタート地点にある最初のお酒は、「久保本家酒造(奈良)」の「睡龍」「生酛のどぶ」。わかりやすくいうと、個性派の熱燗酒です。

普通、こういう日本酒イベントで出会うお酒の大半は「わぁおいしい!」となる、すっきりフルーティー系なイメージがあります。個性的な味のものや熱燗にして映える「しみじみ旨い」タイプはなかなかなく(じっくり味わう&わざわざ熱燗にしなければいけないので、イベント向きではない)、またあっても会の後半にちょっとでてくる程度。

しかし大塚sake walk、スタート地点に超渋い「熱燗のお酒」を配置しました。「この(睡龍などのお燗酒)よさ、わかるよな?」と、あおられてる気分です。

1店舗につき2つの蔵のお酒が提供されているそうなので、もうひとつの銘柄を見てみると…

蔵の方がお店で提供してくれます

「太田酒造場(鳥取)」の、「辨天娘」。こちらも完全に熱燗のお酒です。

おつまみ。これも渋くてしみじみ熱燗とある

お酒イベントのスタート地点が「熱燗しかない」。よいです。最初の一杯はすっきり爽快、ではなく、ごりごりと燻銀の熱燗ではじめます。

しみじみ、おいしいです。飲み歩きのイベントなのに、足に根が生え、まったりします。お酒好きの結構深い部分を、開始早々から突いてきます。

2軒目、熱燗にぴったりな日本酒が次々登場!

案内マップを確認しながら、大塚walk

意外な熱燗スタートにまったりしてしまいましたが、今日は歩くイベント。次へ向かいます。

すごい人!

次のお店は、生ハムと日本酒のお店、29Rotieさんです。

瓶を鍋にいれるタイプの熱燗!

すごい、熱燗しかない。お酒は「秋鹿」「玉櫻」。こういってはあれですが、温めないとダメなくらい、熱燗がおいしい銘柄です。

秋鹿の熱燗と、生ハムセット

おつまみセットは「生ハム」。ひとくち食べて、熱々の日本酒で追いかけると、ハムの脂身が熱燗で溶けて旨味が広がり、たまらなくなります。土曜の昼とは思えない、深い深い満足感が得られます。

もう、このお店で(あと4時間)今日のイベント終わっても大丈夫なくらい、そういう深いおいしさです。もうあまり動きたくない。

3、4軒目、熟成・本醸造・熱燗 がおいしい!

すごい人

続いては、地酒屋こだまさんの間借り居酒屋「ちょこだま」へ。

見るだけで間違いのないつまみセット

お酒は「辰泉」「鷹の夢」と、やっと冷たいお酒が登場します。

でも、やっぱり熱燗がおすすめ

辰泉はフレッシュな生酒と、熱燗がおいしい熟成の本醸造を飲み比べ。やっぱり熱燗がおいしい。熱燗を知ってしまうと、なかなか戻れなくなります。

4軒目の「バール 青ィ印」では、仙介、原田という、やっと爽やかなお酒。徒歩3分くらいの距離なのに、なんだか別世界のようでした。もちろん、とても美味しいです。まったりしていた気持ちがリセットされた気分です。

日本酒イベント参加者コレクション

突然ですがここで、イベントで遭遇したすごい人たちを紹介します!

日本酒Tシャツ
日本酒ピアス
首からさげるお手製の「お盆」。材料は100均で調達したそう
両手が使えるので確かに便利!

5軒目、宴会状態の「きの字」へ

わざわざ撮らせていただいたのに、暗かったです。すみません。

5軒目は、少し距離のある「きの字」へ。時間も開始から少し経過し、盛り上がっています。

鳴海の杜氏・菊池さん。好きなお酒の造り手さんは神々しく見えます。アイドルです。

こちらでは、「鳴海」「山の井」の2銘柄をいただけます。

好き酒師として活躍するひろしさんご一家に遭遇

お子さん連れの参加者もいらっしゃいました(おちょこで麦茶飲んでました)。子育て世代が参加できるのって、なんだかよいです。

当初の作戦では、ここもサクッと飲んで2周目にいくつもりでしたが、「きの字」の追加メニューに「なめろう」があり、それが「鳴海」にとてもあうと聞き、思わずオーダーすることに。

ベースのおつまみセット
追加のなめろう。300-400円くらいと格安

外のテーブル席の端にいれてもらったところ、なんとなくテーブルを囲む人たちで会話が生まれ、次第に宴会のような状態に。

このテーブルの隅でみんなで飲んでました

大塚歴数十年という大先輩のグループに、お酒仲間だという若いグループ、そしてひとり参加の私。共通の話題はほとんどないはずですが、「同じお酒とつまみを食べてうまいうまい言っている」というだけで楽しくなります。

気がつくと、ここだけで数杯おかわりし、小一時間楽しんでいました。

2周目。街歩きな楽しさもある!

ここどこだ?と間違って入った路地裏

「きの字」での宴会が一旦落ち着き(みんな、そろそろ行かないと回れないことに気づいたため)急いで2周目へ。このイベントでは「店から店」へと歩くのですが、道中「こんな場所あったんだ」という景色に出会えます。

大塚=夜飲みに行く場所というイメージですが、当然ここで暮らしている人もいて、その人たちを支えるいろんな街の要素があるもの。

静かで気持ちの良い神社
帰りに買って帰ろう
多分、私も外からはこう見えていたはず

今回のイベントの参加者は200名。5つのお店は常に満員ですが、街という単位で見ると本当に少数のため、「街がイベントしている感じ」はさほどありません。

それでも時折、イベント専用のポーチ(酒器が入って便利)をつけている人をすれ違うこともあり、なんとなく会釈します。「このイベントに参加するということはすごいお酒好きなはず」という、ゆるい仲間意識です。

ちなみにこのポーチ、酒器がきれいにはいり、倒れない構造になっています

ホヤと熱燗で、永遠に飲める!

本醸造の熱燗をおかわり

2周目は、「ちょこだま」に戻ってきました。写真はないのですが「ホヤ」の追加つまみがあり、それと熱燗を楽しみに来たのです。

こちらは「鷹の夢」の方。「実は日本酒ほとんど飲んだことない」という若いグループがきており、丁寧にお酒の説明をしているところでした。はじめて日本酒を飲む若者たちから「おいしい!」と感想が聞けてうれしそう。

そして最後は、スタートの「地酒や もっと」へ。

自家製ホヤの塩辛と、ポテサラ

そして、ここでもホヤを追加オーダー。こういう癖のあるつまみと「睡龍」「辨天娘」の熱燗が、これ以上ないくらいよく合うのです。2周まわるとか残り時間とかが、どうでもよくなるくらいだらだら飲めてしまう。

大塚sake walkは、町内会のお祭りのような楽しさがある

2周目の途中でまったりし、そのまま終了。5時間たっぷり楽しみました。

小規模な開催だったこともあり、気に入ったお店でゆっくり飲んだり、ちょっと他所をのぞいてみたり、せかせかせずに楽しむことができました。

酔った頭の中で「祭りみたいだ」と感じました。
それも、町内会とかでやるような、小さなお祭りだと。

お酒好きな年配の方がいて、同世代の人たちもいて、子供連れの人がいて、日本酒初めて飲む人たちもいて、同じ料理とお酒に舌鼓を打つ。

(蔵の人、今日だけでいったいどれくらい熱燗つけたんだろう…)

もちろん、一部のファンが集まる熱狂的なイベントも、テーマや想いが感じられるイベントも好きですが、今回のような雰囲気は特に好きです。

誰ひとり場違いではなく、気軽に(すごく美味しい)熱燗と料理をいただけて、少し会話できて、気が向いた時に店を出る。お店の人も、難しいことは抜きで「とにかくこれとこれ美味しいよ」といった感じで迎えてくれる。

大塚sake walk、最高じゃないですか。

すっかり夕方。いい一日でした。

すてきなイベント、ありがとうございました、次回も楽しみにしてます!


ちなみに、前回参加した時の模様はこちら


もちろん、お酒を飲みます。