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【外飲み再開】レストランとはエンタメでした。(日本酒専門店「鎮守の森」)

久しぶりに、外食を解禁しました。

とにかく、まずは行きたいと思っていたのが、四谷三丁目にある「鎮守の森」。

今回は「外食よかったよー」というだけの内容です。

わざわざ時間を合わせていく、という行動

四谷三丁目。日中用事をすませて、間に合うように電車の時間を見つつ移動。

ただそれだけのことに少し驚きました。

料理もお酒も手に入れようと思えばいつでもさくっと手に入るのに、人間側がいろいろ調節して動く。「おお、これは手間だ」と。ハードルはこんなに簡単にあがるのかと、新鮮です。

注いでもらう、教えてもらう。「受け身」でいる贅沢

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店主の竹口さんとスタッフの白築さん。マスクではなく「こっちのほうが話しやすい。やっと入手できました」というフェイスシールド姿。

お店(特にコースとかそういうタイプは)の場合、料理やお酒と一緒いただける「ひとこと説明」がうれしいものです。

もちろんテイクアウトなどでも説明書きをいただけることがあるのですが、情報を「読む」と「聞く」では結構違うもの。リラックスした状態で「へー」とか「おいしそう」とか、1mmも力まずに楽します。

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1杯目はしゅわしゅわの「誠鏡」。
目の前でトクトク注いでもらうのをとワクワクして見る。飲んでみて、そこで初めて「お、こんな味かー!」と驚く。

そう、こういうのやりたかったんです。

プロのペアリングはやっぱりすごい

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(おつまみの八寸。これに2-3杯のお酒をあわせてくれます)

鎮守の森は、基本的にすべてお任せ。その日の料理に合うお酒を、その日の天候や人の好みを見ながらペアリングしてくれます。

これが、本当にすごいなーと思うんです。面白いほど合う。「おいしい」と感じる波長の「山」が、口の中でもう一段階持ち上がるような感じです。

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「阿部勘」の夏酒です。ハモや南蛮漬けなどとあわせてもらいました。

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「春霞」の春酒。春になかなか飲めなかった分、ありがたい。

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こちらは長野県の地酒「十九」の、疫病退散を祈った「孔雀ラベル(十八)」。このラベルを貼るのが本当に手間らしく、そのおかげで出荷が遅れたそう。

そういうお話しを聞きながらいただきます。

当然ですが知らないお酒かつ知らない話(そして初めて食べるメニュー)ばかり、そして目の前に作った人がいる。その場のホストたちが全力でこちらをしとめにかかってきている。あまり意識していなかったのですが、これは贅沢です。

「自分で選ばない」、からこその楽しさがある

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こちらは最近話題という「光栄菊」。グレープフルーツっぽい酸味苦味がいいです。写真はありませんが、あわせた料理は「蒸牡蠣の麻婆ソース」。

牡蠣のコクとマーボーの旨みが会い、牡蠣&レモン要領でキュッと締める。そして山椒の刺激とお酒の苦味はちょうどいい感じでしばらく口に残ります。思い出しただけでもおいしいです。

ちなみにこの「光栄菊」。竹口さんいわく「今大注目の蔵。醸造1年目でここまで話題になったのは『新政』以来だ」とのこと。へー、確かにおいしい。

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「同じ光栄菊ですが、少しちがうものもあります。いかがですか?」と、別のスペックもいただきました。

多分、自分で買うなら、同じ銘柄続けて2本買わないんですよ。
メニューにあっても、連続で近いものは頼まないと思います。

だけど「おすすめしてもらった」から、ついついもう一杯。

自分の意思じゃない(けど気になる)ことを、「お店の人が言ってくれたから」にすり替えることで、楽しむハードルが下がるのです。だから、外食すると「知らない美味しさ」に出会うことが多くなるのか。

つまり外食はエンターテインメントだ

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後半は「亀齢」の熱燗で、煮魚を。地味なものほどおいしいです。ずっと味わっていられる組み合わせ。

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「玉旭」の、なんと「酒母搾り」。酒母って搾れるんだ。こういう変わったお酒(でも自分で買うかは迷う)ものを飲めるのも嬉しいです。

この日、お店には数組のお客さんがいました(間引き営業)でした。当然ですが知らない人です。何を話しているかわからないけど、「ガヤガヤ」がこちらの席にも流れてきます。

ああ、外食してるなーと、しみじみ思いました。

家ではない人が集まるところで、ガヤガヤの中に入るというのがいい。

その非日常の環境で、お酒や酒器、料理、お皿とか、会話とか、ガヤガヤ、すべてが「おいしい」に変わる。

これは、五感で楽しむエンターテインメントです。

「体験」とか「参加型」とかいろいろな価値がいわれていますが、むしろ完全に受け身で、「へー」とか「すごい!」とかに2-3時間どっぷり浸れる。

めちゃくちゃ楽しいです。

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お腹いっぱい。大満足でした。

「あと1品ありますが、食べられます? お酒も最後どうですか?」
と言われると、「じゃあ(仕方ない)、ぜひ!」と。
これこれ、これをしたかったんです。


竹口さん、白築さん、ごちそうさまでした。
これからまた、好きなお店や新しいお店に行きます。

もちろん、お酒を飲みます。