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イケメン店主が斬る【超訳・日本酒用語⑤】フルーティー・ミネラル・完成度3本立て!

日本酒の世界には「よく聞くけど、よくわからない」ふわっとした「日本酒用語」が数多く存在します。そんな用語を日本酒のプロが徹底解説する【超訳・日本酒用語】シリーズ。今回はSAKE Streetの藤田代表が満を持して登場です。

解説するのは、SNS上で行った募集に集まった用語。「フルーティー」「ミネラル」「完成度が高い」の3つを、バッサバッサと斬っていきます!

※この記事は、SAKE Street店舗ブログに掲載した記事のnote版で、期間限定公開です。

有名雑誌やラジオに出演と大忙しの藤田さん店長

こちらが藤田さんです。「今、顔がパンパンかもしれないです」と疲労の様子(夜の9:00)ですが、仕事後に取材に対応してくれました。

今回は、SAKE Street創設者である藤田さんが登場する特別編。用語の解説に加え、学びの金言を直筆でいただきます。それでは、スタートです。

用語①「フルーティー」

藤田:フルーティーとは「果実感」、ですね。

和訳。

藤田:え、ダメですか? フルーティーはフルーツなのに……。詳しくいうと、同じフルーティー酒でも、タイプがわかれます。

大きくは「リンゴ系」と「バナナ系」。日本酒は米でつくるお酒なのに、発酵する過程でフルーツのような香りがでるんですよ。リンゴ系の中には「イチゴ系」や「パイナップル系」もありますし、バナナ系には「メロン系」もあります

重要なのは、これらがバラバラにあるわけではなく、グラデーションになっている点。「リンゴと&バナナ」という両方の香りが味我するの日本酒があるのも、面白いところです。


藤田:うちの店(SAKE Street)にあるフルーティーなお酒を紹介します。

「わかむすめ 牡丹 純米吟醸 無濾過生原」「一歩己 純米 無濾過生原酒」「Beau Michelle Snow fantasy」

藤田:これらは比較的フルーティーなタイプですね。しかし、うちはフルーティーな香りのめちゃくちゃ強いお酒はあまり置いていないんですよ。

そういったお酒もおいしいのですが、個人的には「最初の一杯」で十分だと感じてしまうので、食事を楽しみながら飲みすすめられないなって。紹介したお酒は、フルーティーだけどフルーティーすぎない(ゆえにおいしくておすすめな)お酒だと考えてください。

金言:フルーティーとは

「千疋屋あまり行ったことないけど」とのことです。

用語②「ミネラル」

藤田:諸説ありそうですよね、使われ方に。自分からあまりいう言葉ではないです。たまにオンラインショップの紹介文に使うことがある、くらいです。

ミネラルな日本酒のポイントは「苦味」だと思います。だけど、決して「嫌な苦味」ではなく「きれいな苦味」かな……たしかうちの二戸さんは「テクスチャー」と表現していました。ですよね、二戸さん?

見学していたSAKE Street同僚の二戸さん。
ごめん、スマホ見て聞いてなかったす、と言っているところ。

藤田:これが、うちでもっとも「ミネラル」なお酒です。風の森は、日本酒の中では珍しいほどの「超硬水」で仕込まれています。テイスティングしてみますね。

風の森 露葉風 807
苦っ!

藤田:おおお結構苦いですねこれは。ミネラルです。硬いんですよ、しっかり。だけど嫌な硬さではなく、ゴツゴツしていない、透明感のある硬さ。そこに苦味がある。これはおいしいです。

金言:ミネラルとは

用語③「完成度が高い」

藤田:この言葉は、テイスティングコメントを書く時に、僕もよく使っている気がします。

日本酒を飲む行為の中には、一連の「時間」があるじゃないですか。香りをかいで、口に入れて、舌の上を流れ、飲み込む、余韻、といった風に。そのすべての時間で「おいしい」お酒に出会うと「完成度が高い」と感じます。


藤田:え、上から目線? いや、そんな気持ちはまったくありません。テイスティングをする時は、どうしても「欠点」を探すんですよ。飲む時間の中で、どの瞬間にバランスが崩れるか、よくない印象が出てくるかって。そのような見方をしても「欠点が見つからない」ものがあります。それこそが「完成度が高い」お酒だと思います。

「澤の花 純米大吟醸 さら雪 無濾過生原酒」「信州亀齢 山恵錦 純米吟醸 無濾過生原酒」

藤田:うちの商品だと、このあたりかな。「澤の花」は、僕の中の今季MVP酒です。この他「天美」も完成度が高いお酒です。ねえ店長、天美って今在庫あるかな?

(閉店作業中の店長)……は、昨日からないす……

藤田:天美も非常に完成度が高いですよ。いつもすごいと感じています!

繰り返しになりますが、「完成度が高い」とは「欠点がない」ということです。僕はバランスタイプではなく、個性が突出した日本酒も好きです。そういうお酒に出会った時は、欠点ではなく「個性を愛でる」楽しみ方をします。完成度=良し悪しではないと考えてください。

金言:「完成度が高い」とは

決して上から目線ではないです、という声とともに。

わからない日本酒用語があれば、いつでも質問ください!

藤田さん、ありがとうございました。皆さんの日本酒の疑問に答えるべく、SAKE Streetブログでは、これからも「よくわからない日本酒用語」を解説していきます。




もちろん、お酒を飲みます。