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不安は自然なもの?不安に対する考え方と対処法について。

ポジティブ実践心理カウンセラーのRyuです。今回は不安について色々考えてみたいと思います。

私たちが生活をしている当然のことながら良いこと、悪いことが色々あり、日常的に楽しみや達成感などポジティブな感情を感じたり、不安や悩みなどのネガティブな感情を感じたりします。

特に不安や悩みなどネガティブな感情を感じるとこんなもの無くなればいいのにと思いますが、一つの不安や悩みが消えると、また別の不安や悩みが生じてきてしまいます。

こういったネガティブな感情とはどういったものなのか。また、対処法について考えてみたいと思います。

まず、なぜ不安を感じるかというと、これは私たちが、はるか昔の人類から受け継いでいる「ネガティブバイアス」という本能が影響しています

原始時代の人々は、狩猟採集をしながら獣に襲われないようにし、身の危険から自らを守り生き延びる為に、ネガティブなことに注目する必要がありました。

しかし、現代は原始時代と比べてはるかに安全に暮らせるようになり、生き延びることだけに必死になって危険に対して、そこまで用心深くなる必要はなくなりました。

それでも、私たちの脳の中には、ネガティブなところに注目してしまう本能(ネガティブバイアス)があり、ポジティブなことよりもネガティブな情報や出来事に注目してしまいます。

この事を知っていれば、不安や悩みを持つことは自然なことであり本能的に仕方のないことであることが分かります。

つまり、不安や悩みなどのネガティブな感情は、太古の昔から受け継がれた本能的なもので、誰もが抱くものであると分かれば、不安や悩みを感じたときに気持ちも少しは軽くなるのではないのでしょうか。

ハーバード大学の心理学博士であるタル・ベン・シャハーは、著書の「ハーバードの人生を変える授業2」の中で「恐れは人間が自然に感じるものです。完全に恐れから解放されているのは死人とサイコパスだけです。それでも、恐れに屈して努力をやめてしまう人がいる一方で恐れを受け入れて前進する人がいます。」 と言っています。

この言葉を私は、「ネガティブな感情は人として自然なものであり、それとどう向き合っていくかが大切だよ。」という意味でとらえています。

過去の不安や悩みを思い出していただくと、当時は大変な事だと思えていたことが、今となっては大したものではなく「何であんなに悩んでいたんだろう」と思ったり、昔の良き思い出として笑い話にしてしまことはありませんか。

これは、当時のあなたが不安や悩みに対処して、成長したからこそ起こっていることだと思います。

今ある悩みや不安も、自分を成長させてくれるものだと考えれば、解決に向けて前向きに取り組めるのではないでしょうか。

実は、私も先日、仕事で大きな失敗をしてしまい、この先どのように仕事に向き合っていこうかと不安になり、眠れない日々を過ごしました。前述したような不安や悩みは仕方ないものということは分かってはいても、悪いことばかり考えてしまい、日々落ち着きませんでした。

1週間ぐらい悩み続けて、この失敗は自分を成長させるものだったと思えるように、今後は努力しようと少しづつ仕事に前向きに取り組めるようになってきました。そして、将来、あの失敗があったから今があると言えるようにしたいと思いました。

不安や悩みなどのネガティブな感情にも必ず意味があります。
ネガティブな感情のその裏に、実は何か良いことが隠されているのではないかと、ポジティブな側面を見つけられると、その悩みや不安の解決に向けて前向きに取り組めると思います。

そして、悩みや不安が解決したときは、自らを更に成長させることができた時だと思います。

不安に対する対処法

不安や悩みを解決する方法は皆さんそれぞれ色々な方法をお持ちだと思いますが、今回は不安や悩みを解決する三つの対処法をご紹介したいと思います。

これらは既に皆さんが使われている方法だと思いますが、もし普段使われていない方法があったら試してみて下さい。

対処法には大きく分けて3つの方法があります。

①問題焦点型 (起きた問題にまっすぐに向き合い解決方法を考える)
起きた問題に対し、その元凶に直接に働きかけ解決する方法
 
この方法は問題が解決すればいいですが、解決しなかった時には新たなネガティブ感情を引き起こすこともあります。

②感情焦点型 (感情を整理し、より良い解決方法を考える)
起きた問題そのものよりも、問題によって生じた感情を緩和する方法
 
問題が抱かせた感情を認め、人に具体的なアドバイスを求めるのではなく、今の気持ちを聞いてもらったり、散歩に行き気分転換をはかったりし、感情の整理ができれば気持ちが落ち着き、冷静な判断ができるようになり、よりよい解決方法が思いついたりします。

③回避型 (問題自体を否定し忘れてしまおうとする)
問題そのものを否定し頭の中から問題自体を追い出そうとする方法
趣味に没頭したりして問題から目を背けるようにします。短絡的には、いいですが、問題の解決にはなりません。

問題が起きれば、問題の原因に直接働きかけ、すぐに問題に対処(問題焦点型)する方法を行っている人が多いと思います。

もし、それで解決できなかった場合や最初に起きた問題が酷く自分を悩ませたり、不安にさせるものであれば、一旦問題を忘れて(回避型)気分が落ち着いたら、人に話を聞いてもらい(感情焦点型)気持ちを落ち着かせてから解決方法を見つけるという方法もあります。

問題にまっすぐ向き合い続けるよりも、一旦、気持ちを落ち着かせて冷静になってみると、新たな解決方法が見つかる場合が多くあると思います。

また、不安や悩みから一時的にでも解放されることで、精神的にも楽になると思います。

ストレス社会と呼ばれる現代は、原始の時代に比べ安全で便利になった分、様々な精神的悩みや不安が生じると思います。

大切なのは、不安や悩みなどのネガティブ感情は、私たちが生きている限り生じる自然なものであり、まずはそれを認めること、そして、それを解決することにより成長ができると思えれば、不安や悩みが生じたときも前向きに対処できるのではないかと思います。

不安や悩みに負けず、前向きに日々過ごしていきましょう。

不安や悩みなどに対する対処方法は、上記の方法以外にもあるので、また別の機会に紹介させていただきます。

その記事も読んでいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考図書 
『ポジティブ心理学が一冊でわかる本』イローナ・ボニウェル著 
 国書刊行会
『ハーバードの人生を変える授業2』タル・ベン・シャハー著
 だいわ文庫 



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