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受け継がれる魂

宝塚が好きだ。

地元出身の明日海りおさんが花組のトップスターに就任されたあたりから、じっくり見る様になった。元々、演劇は好きだったし、華やかで美しい宝塚の世界にもすぐに馴染んでしまった。

明日海さんがトップスター時代の花組をいちばん見ていたので、花組の女を自負しているが、最近は、そのころに活躍されていた上級生が次々と退団されていてちょっとだけ寂しい今日この頃。
それでも、あの華やかさ煌びやかさからくる非日常感は他に換えが効かないので、休日のタイミングが合えば、生配信をちょこちょこ嗜んでいる。

今日も花組公演を見た。
雪組から組み替えしてきた永久輝せあ主演「冬霞の巴里」。
古代ギリシャの悲劇三部作「オレステイア」をモチーフにした作品で、宝塚の舞台にしては珍しくゴシック、耽美、退廃というような薄暗いイメージの作品だ。
悲劇三部作が元になっているだけあって、悲劇が悲劇を呼ぶ物語構成になっているのだが、出演者の演技力が総合的に高いのと、脚本の良さが相まって非常に引き込まれ、集中を切らすことなく見ていられた。
次世代花組お披露目のような完成度の高い舞台であった。
世代交代が確実になされていることが如実に感じられた。

以前の花組だったら、あの役はあの方が、この役はこの方がやっていただろうな、と考えると少し寂しい気持ちにもなる。それでも、今日見た舞台は確実に花組の魂が受け継がれていることが感じられるものだったので、この先の花組の舞台がますます楽しみになった。

退団はどの組でも、拍手で見送りたい気持ちと寂しさが混同する。
それでも、退団された方々の後を確実に引き継いだ下級生たちの成長を見ることができるのもまた、嬉しいものだ。

明日はまた、花組の別の公演を配信で見る予定だ。
花組トップスターを筆頭に精鋭揃いのTOP HATチームがどんな舞台を見せてくれるのか今からワクワクしている。

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