見出し画像

Mリーガーの一打⑥その1(1/2第1試合:新年初試合での大和了)

明けましておめでとうございます!!!
はじまりました2021年、コロナでまだまだ大変な日々が続きますが、今年もMリーグを見ながら盛り上がっていきましょう!

というわけで今日も1月2日に始まったMリーグの第1試合、つまり2021年、記念すべき第一試合を一緒に振り返っていきましょう!そのメンツがこちら↓

佐々木寿人選手→まずは個人ランキング1位を+357.6pで突っ走っている「魔王」ヒサト選手。今日もその怒涛の攻めが見られるか注目です!!
日向藍子選手→アベマズの若きママ、日向選手。去年の好調を維持して、個人8位(111.1p)から更に上昇することができるでしょうか!!
茅森早香選手→「天才」茅森選手は個人7位(170.7p)と、不調のフェニックスを引っ張っていますが、今回もその才能を発揮できるでしょうか!
堀慎吾選手→唯一の今季加入プレーヤー。個人9位(102.5p)ですが、本人の実力からするとまだ高みを目指せる存在。本日はいかに!?

画像3

と、今回は個人ランキング上位者だけの試合となりましたが、その中で勝ち抜けることができるのはどの選手となるでしょうか!?
それではGAME START!!

画像1

まずは東1局。特に目立った配牌が並ぶ中、最初に一向聴にたどり着いたのが西家の茅森選手。ストレートな4萬切りで、東が出ればポンして3900点の聴牌に取りそうですが・・・?

画像2

次にツモってきたのは6索。はて、何を切るのがいいでしょうか?
2索や4索を切れば5−8索が来たときに両面に受けられる一方で3索がロス。逆に6索を切れば受け入れは広い一方で8索がくればドラが出ていき待ちも悪くなってしまいます。あるいは東を切る選択肢もありますがーーー

画像4

茅森選手は2索切り。一概には言えませんが、おそらくこれが模範的な一打。次巡4索を切れば安牌も一枚抱えられますし、バランスのいい手順ではないかと思います。そして次にツモったのが……

画像5

はい、悩みようのない最高のツモですね。スムーズに先制リーチを打つのです!!

画像6

それに対するは堀選手。こちらもドラ2でまっすぐ行きたいところですが、ツモってきたのは通っていない7筒。さて、完全に通っているのは8筒しかないこの手牌で、どう打ち出すのがいいのでしょうか。

画像7

「完全安全牌が一枚しかないドラ2の手牌なんだから、ゼンツじゃい!」と思った方はもう少し立ち止まったほうがいいかも知れません。一向聴ならまだしも、こちらは愚形の残る2シャンテン。安全牌が切れるかもしれないですが、アガリまではまだまだ遠い手牌。ここは堀選手のように安全な8筒をそっと河に置くのが良さそうですね。そしてーーー

画像8

ほどなく茅森選手が8索をツモ!!!
裏は乗りませんでしたが2000点.4000点で、上々の滑り出しではないでしょうか。

画像9

続く東2局、こちらは堀選手の手牌。初巡に1筒を切って、さて2巡目に何を切るのがいいでしょうか?

画像11

序盤って、選手の打ち筋というか考え方が色濃く表れる時間なんですよね。中や8筒切りも不正解とは決して言えないのですが、堀選手はなんとターツとなっている2筒切りを選択!!さて、この②④とあるターツ部分を切っていくことにどんな狙いがあるのでしょうか!?

おそらく堀選手が思い描いているのは、満貫程度の高打点。つまりここで筒子が234でメンツになっても、その後見える最終形はせいぜい「リーチ+發」程度。それよりは七対子や中+發+トイトイ、あるいは8筒にドラがくっついての「リーチ+ドラ+發」くらいは最低限見ておきたいという考えから、消去法で2筒切りという判断になったのだと思われます。そう、序盤は構想力がモノを言う世界。ルールにもよりますが、多少牌効率は無視しても、序盤はできるだけ高打点への道を閉ざしたくないのです。

画像12

以上のような理由で、24筒、12萬を落としていった堀選手の、こちらは8巡目。前巡に少し嬉しいドラをツモり、次に持ってきたのは4萬。序盤は構想力の段階でしたが、中盤は現実的なアガリや他家の様子も見なければなりません。というわけで、手を前進させる中切り。ちなみに6巡目に出た發をスルーしているので、安牌はキープできています(もし安牌がなければ違う選択肢になっていたかもしれません)。

画像13

そして次に8筒をツモったその刹那、堀選手は考えることなく7索を切るのです。そう、四暗刻や七対子を狙うのにカン材はいらないのです!

画像13

そして次巡、待ちごろの北を持ってきてーーーさあ、どれを切る?ちなみに対子で枯れている部分はありません。

画像14

何と堀選手は7索を切ってあっさりと四暗刻を見切るのですよ!
Mリーガーにも色々な打ち方があり当然状況にもよりますが、「期待値」や「効率」を売りにしている選手、ドリブンズやパイレーツの選手、そしてこの堀選手もこのようなドラがある七対子(+よさそうな単騎牌)の手牌では七対子に決めていく印象です。今回は發があるので、トイトイも見るか少し微妙な手牌だとは思いますが、成就率と打点のバランスを見ると、こういった手牌では七対子に絞った方が総合的に得なのではないかと思うのです。

画像17

そして最終盤に入るころ、安全に進めながらもようやく聴牌が入ります。これなら十分に見合っていると、やや危険牌の6筒切り。そしてその6筒を茅森選手がポンし、形式聴牌を取るのですがーーー

画像19

あまり期待はしていなかったと思いますが、すぐにドラをツモっての2000点.4000点!!!トップに並ぶアガリをものにするのです!

画像20

そして続く東3局。まずは親の茅森選手が6巡目に一向聴。先制リーチが取れれば相手にプレッシャーを与えることができますが…

画像22

一方こちらはヒサト選手。7巡目にこの形。一枚切れの北を切れば十分形ですが、その北はドラ。さて、遠くに三色もあったりして、なかなか微妙な判断になりそうですが、皆さんならどうするでしょうか?

画像23

少し考えながらのヒサト選手の選択は何とも強欲な2索切り!!
受け入れの広さは犠牲にしながらも、三色、平和ドラドラ、(ドラ単騎リーチ)など、高打点への道は閉ざさない構え。点棒もまだマイナスということもあり、ヒサト選手らしく、打点に照準を合わせてくるのです。

画像24

結果的にそのいずれにもならなかったのですが、先制で平和の両面聴牌なら三色手替りなどは見ないのが現代麻雀のセオリー。8索をツモったヒサト選手は堂々とドラの北を切ってリーチといくのです。

画像25

しかしその直後、親の茅森選手にも聴牌が入ります。入り目はあまり嬉しくない6萬ですが、少なくとも赤が一枚ある親ならカンチャンでもリーチの方が期待値は上。こちらも堂々と牌を横に曲げるのですがーーーー

画像26

やはり待ちが1枚より2枚ある方が確率的には勝つことが多いですよね。ヒサト選手が5萬をツモって700.1300点のアガリ。
そして場は早くも東4局へと移るのでした。

画像28

まずはこちら、日向選手が一向聴への一番乗り!愚形残りではあるものの、手替りも仕掛けの可能性も残る形となります。

画像30

一方茅森選手も5巡目に一向聴。こちらも愚形残りですが、ドラの7萬が来る and/or 5索にくっついてくれれば好形高打点も十分見える手牌となっていて、期待がどんどん高まってきました!

画像31

一方こちらは6巡目の堀選手。こちらも愚形残りでまだ2シャンテン。そして1巡目に切っている中を引き戻すと、両面を固定する5索切り。すでに2枚河に捨てられていることから中を雀頭に固定しつつ、2索、6萬のくっつき(好形)を狙った一打。自分の手が愚形低打点であることから、守備的な理由も大きいと思われます。

画像32

そして最後はヒサト選手の7巡目。こちらも愚形残りですがこれまでで一番いい手牌。一旦一向聴に受けるのですが、狙いはドラの7萬にくっつけての好形&高打点。親の堀選手から6萬が出ると、仕掛けても満貫が見えます。

さて、今局は全員が先手を取れる可能性がありますが、果たして一番乗りを果たすのはーーー

画像33

なんと一向聴になるのが一番遅かった親の堀選手!
低打点ではあるものの、十分満足できる両面の聴牌。当然のごとく相手に圧力をかけるリーチ!6萬を横に曲げるのです。

画像34

ん?6萬?そう、それはヒサト選手が一番欲しかった牌。リーチの発声があっただけに少し逡巡しましたが、浮いている7萬を使い切りながら満貫の一向聴に受けられるのなら当然のチー!通っていない1索を切って一向聴から一向聴へと受けかえます。

画像35

そしてさらに次巡、堀選手がツモ切った牌は8萬!当然のチーで47筒待ちの聴牌となるのです(1筒なら役なしのため和了できない)!

画像36

と、その直後、一向聴だった日向選手も聴牌!ですが、待ちは愚形かつ3枚見えのカン6萬。親リーチの現物で打点も3200点(プラスリーチ棒1000点)なのでリーチはせずとも聴牌どりのメリットもありますが、その場合に打ち出されるのはヒサト選手の満貫手に放銃してしまう7筒!!さて、日向選手の判断は!?

画像37

流石の守備ですね。親の堀選手のリーチと、すでに鳴き部分から満貫が見えているヒサト選手のどちらにも通っていない7筒を押すにはやや強引すぎる、ということで潔くアガリを諦める白切り!とはいえ、6筒が通ったり6萬をツモったりできればまだ復活のチャンスもあります。

画像39

一方こちらは茅森選手の手牌。実は赤赤の手牌ながらなかなかテンパイまで辿り着けなかったのですが、ようやく終盤で聴牌。5筒切りリーチなら最もアガれそうですが、その5筒は親には通っていない危険牌。逆に1萬を切ってのリーチは安全そうですが、2−5筒がすでに5枚見えなのでアガるには少し難しそう。さてーーーーーーー

画像40

ここで茅森選手はそのいずれでもない、1萬切りのダマを選択するのです!その結果はーーー

画像42

1萬が河に並び、満貫のアガリは逃すのですが、その後掴んだのはヒサト選手の当たり牌!(実際は日向選手が1筒を同巡に切っていてヒサト選手はロンすることができないのですが、)その7筒を止めて、比較的安全な3萬切りとするのです!
結果的に放銃にはなっていなかったのですが、リーチをかけていれば牌の後先で満貫放銃となっていたかもしれない可能性と、逆に相手の攻めをかいくぐっての満貫を和了っていた可能性。麻雀っていろんなドラマがありますね。

画像43

はい、そして現実では堀選手が天下泰平な1000点オールを決めて、親権を維持するのでした。(※「平和(へいわ)な1000点オール」と書きたかったのですが、平和(ピンフ)と混同しそうなので仕方なくやめました。)

画像44

そんな感じで前局の緊張感が過ぎ去った東4局1本場。まずは堀選手の手牌ですが、うーん、対子多めでのどかな手牌。狙うは役牌&トイトイあたりでしょうか。

画像45

逆にヒサト選手の手牌は平和形の一向聴。萬子と索子の伸びを期待して、1巡目からすでにペンチャンを落とし始めていて、2巡目には再度一向聴。さすがにこの局はもらったかという感じですがーーー。

画像46

あれ?堀選手の手牌が3巡目にすでに進化。七対子の一向聴ながら、トイトイ+白も見える手牌となっています。そう、先ほどのどかな世の中を作り上げた小さな巨人が、今回は卓上を荒そうと意気揚々となっていてーーー

画像47

一方こちら、日向選手の手牌も暗刻+対子多めで、トイトイからまさかの四暗刻まで見えてきて、いよいよ卓上は騒乱の様相を呈してきたのです!!

画像48

そしてここで一気に四暗刻が見えてきたのは堀選手!!
白をツモり、中を切っての四暗刻一向聴。7700点以上確定なら1枚目からポンする可能性もありますがーー

画像49

1枚目が出る前にツモってきたのは9筒!
白がなければダマもあったかもしれませんが、これならリーチすると18000点以上確定。さらに相手の攻めを封じる効果もあり、実際にーーー

画像50

リーチが入っていなければどうしていたかは分かりませんが、ヒサト選手はこちら、聴牌となったのを崩して打9萬としたのです!
ただこの9萬というのは非常に興味深い一打。というのも9萬は親に通っておらず、逆にリーチをする方が(相手よりも先にアガるという意味で)守備的とも言えるかもしれないのですが、ヒサト選手はその選択を取らず。当たりにくい端牌を対子で落としつつ、逆にもっとアガれそうな待ちになってから勝負するというのがヒサト選手の定石。どちらが正しいのか、非常に微妙ではあると思いますが、個人的にはヒサト選手の選択の方を推したいと考えています。

画像53

と、現実の方では堀選手が9筒をツモ。といってもカンの方。
ただ一九字牌のカンは実質1飜アップと同じ意味。少なくとも他家にとってはかなりのプレッシャー。これでツモられたら最低でも2000点オール。さらにドラが1枚でもあれば4000点オール、そんな思いも抱いている他家が見た光景はーーーー。

画像52

画像45

来たーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
リンシャンからツモって来た牌は待望の2索。4000点オールどころか、16000点オールで勝負を決め、一気に卓上を支配する王として君臨するのです!!
見てください、この歓喜に満ちた顔を!!

画像46

あれ?なんでしょうこのテンションの低さは!!!
はい、それが堀選手。それがMリーガーですね。卓上を支配する王とか言っていた私がバカみたいです。多少何かのリアクションがあってもいいかと思いますが、それはそれでご愛嬌。心の中では満面の笑みを浮かべているとイメージしながら見るとまたMリーグが楽しくなると思います。

そして東4局にしてこの点差!!かなりの安全圏に突入した堀選手、もはや何をしてもトップだろうという状況ですが、意外とその打ち回しは大変なもの。そう、点棒は取りに行くよりも守る方が難しく、堀選手の選択を見ながらその打ち筋を学んで行きたいのですがーーーー

はい、本日はこれまでとし、続きは次回の記事に持ち越したいと思います!!!結局年末もあまり記事は書けませんでしたが、またフォローや「スキ」、サポートなどをしていただければ執筆の励みになるのでよろしくお願いします。それではまた!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?