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Mリーガーの一打⑦その2(1/12第1試合:魔王の逆襲)

みなさんこんにちは、カザラキです。
いつも読んでいただいてありがとうございます。

Mリーグ観戦記に進む前に、昨日久しぶりに競技麻雀の大会に参加してきたので少しばかりその話を。結果からすると、無事プロ予選を通過いたしました!!👏👏👏

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最初は3.5着⇒3着と、特にミスはなかったのですが全く参加できない状況で、暗雲が立ち込めていたのですが、その後は1着⇒1着⇒2着となんとか持ちこたえ、全国大会に進出することができました!まあ麻雀の内容としては特に目立ったものはなかったんですけど、しいていてば残りツモ番が4回程度の親番、形テンが取れる状況でメンゼンでのアガリを見て鳴ける牌をスルーしてしまったこと。手は平和のみか平和ドラ1程度だったと思うんですが、これは確実に鳴き有利だったと思います。

特にこの大会はBIG1カップという、一発裏ドラなしというなかなか高打点が出ないルールで、聴牌料の価値がかなり高いルールなのです。そして結果としては最悪の1人ノーテン…。次回はそういった部分を改善して望みたいと思います!!ただ協会Aリーガーや他団体で少し名の知れた方とも同卓できたのはいい経験でした(ちなみに2回戦同卓だった協会A2の浅井堂岐さんにはオーラスにダブル立直一発ツモ平和ドラドラという長い呪文を唱えられました。まあ一発役は採用されてないですけど)。

あと、久しぶりの競技の対局、他団体の大会にも2度目の参加だったからか、緊張感から3回戦でハネマンをアガった直後の局で手が震えて牌をこぼしてしまい…。同卓者の方々、申し訳ない。

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はい、というわけで今日も「Mリーガーの一打」を見ていきたいと思いますのでどうぞお付き合いを。
それではGAME START!!

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前回の記事からの続き、東場が終了した段階でこのような状況となっております。近藤選手が親番でヒサト選手から24000点を直撃し、その後も6000点オールなども引いてどデカいトップ目に立っているところで南入。さて、それぞれの点差がかなり開いているこの状況、「もう決まったか?」と思っている皆さん、いやいやここからドラマが生まれるのが麻雀なのですね。まあ期待して見ていてください。まずは南一局から。

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南1局の親番。瑞原選手が、上家に7筒を切られた直後、2枚切れとなったカン7筒でしたが、他家への圧力も考えながらの三色確定リーチ!そう、点棒的にこの3着目親リーチにはなかなか逆らえない状況。それも考えてのスルー&立直だったのだと思います。

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ただ残り2枚ではツモることは難しく、他のプレーヤーも特に押し返せる手牌でもなかったためあっさりとオリ。流局となりましたが、まあ1人聴牌ならまずまずといったところでしょうか。

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しかし続く南1局1本場。瑞原選手が5巡にしてまたしても高め三色でリーチ!!!これも他家は押しにくいところですが…。

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4巡後、瑞原選手があっさりとツモ。ただ安目で裏も乗らず1400点オール。安めで若干不満の残るアガリとなりましたが、相手がオリるかどうかまだ不明瞭な段階でツモ切るのも少しリスキーな選択。妥当な判断で、次局以降での盛り返しに期待するのです。

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しかし次局はまたしても流局。近藤選手の先制リーチに対し、かなり遠い手牌から危険牌を押して攻め切った瑞原選手が印象的でしたが、惜しくもアガリは手にすることはできませんでした。

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そして供託に2900点が落ちている南1局3本場。またしても近藤選手が先制リーチ!!中と西のシャンポン待ちで、他家からもポロッと出てきそうなのですが……。

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ここに切り込むのが、しばらく身を潜めていたヒサト選手。ドラ3の平和一向聴でなら当然と、6筒から押していくのです!!
……とはいえ、効率的には7萬が普通。正直その理由を言い当てることはかなり難しいのですが、私が推測するその理由(こじつけ)は、①9筒が通っている分、3面張が否定されて7萬より少し危険度が下がること、②その前に上家が3筒を切っていて、3−6筒の役ありなら点棒的にもチーテンをとりそう、③ドラや7萬が出ればポンして役ありに受け変えられる(仕掛けが効く手になる)、くらいでしょうか。
私の予想はこんな感じですが、皆さんはどうお考えでしょうか?

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しかし結果的にこの判断が牌の巡り合わせを少しばかりズラすことになるのです。瑞原選手がその6筒をポンして白の後付けで聴牌するとーーー。

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この鳴きでヒサト選手がツモってきたのがなんと2筒!危険牌の7萬も当然とばかりに切り飛ばし、リーチを宣言するのです!!そして同巡、近藤選手がツモってきたのがーーーー。

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ヒサト選手の当たり牌の7索!!!

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なんともいえぬ牌の巡り合わせで、近藤選手からヒサト選手に12900点が支払われ、リーチ棒と合わせて、ヒサト選手はまたたく間に15900点の収入を得ることになったのです。

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しかしそれでもヒサト選手の点棒はまだまだマイナス。これから更なる加点が必要なのですが、南2局、そんなヒサト選手に最高の牌が来てくれます。11巡目にはなっているものの、他家にはまだ聴牌気配がない状況で、ドラ3が内蔵された平和手の一向聴!聴牌したらすぐさまリーチでツモりに行くのかと思いきや……

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7筒をツモったヒサト選手は一旦ヤミテンに構えます。うーん、確かに河を見てみると2索が3枚捨てられていて、5索も自分で2枚使っている……。確かに少し様子を見ながら待ち変化を狙いたいところですがーーー

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次巡、ヒサト選手は意を決したようにツモ切りリーチと出るのです!
はて、皆さんはこのツモ切りリーチにどのような狙いがあると思われるでしょうか?
(私が思う)その理由は主に2つあります。
まず、①もう終盤で待ち変えできる可能性も少なくなってきたこと。つまりこの手で(亜)両面やノベタンとなる待ちで見た目比較的ありそう&フリテンじゃないのは3ー6萬、よさそうな字牌単騎も白くらいしかありません。となれば1〜2枚はあるだろうという期待を込めてのリーチの判断も悪くないのではないかと思われます。
また、②誰もリーチをかけていないとはいえ、たろう選手と瑞原選手がそれぞれ7索、7筒という危険牌を終盤に切っていることから、黙っていたら自由に打たれてアガられてしまうという危機感があったのだと思います。確かにその分自分の当たり牌を切ってくれる可能性も上がるのですが、元々枚数が少なく相手がアガリ切ってしまう可能性も上がるため、微妙な選択ではありますが相手を止めるリーチを打ったのだと考えられるのです。

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しかしその同巡、瑞原選手がヒサト選手の現物である8萬を切ると、近藤選手が一発消し含みのチー!そしてその鳴きで瑞原選手に訪れたのがーーーーカンチャンずっぽしの6筒!ヒサト選手に放銃すれば一気にラスが近くなってくるのですが、果敢にリーチと行くのです!そしてその結果ーーーー

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来ました、一発ツモの2000.4000点!!このアガリで瑞原選手がついに2着目に!逆にヒサト選手は勝負手を蹴られた格好となってしまいました…。

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そして南3局、ここを流されればもう逆転はかほぼ不可能となる最後の親番。好牌は来るものの、やはり東場の24000点が重く重くのしかかっていて、トップまでは79200点、2着目までは41900点、3着目も36500点差というまだまだ苦しい状況。果たしてヒサト選手はどこまで見ているのでしょうか。とりあえずできるだけマイナスを減らすことか、それとも2着3着か、あるいはトップまで?いや、親番がある限り、麻雀はどこまででも狙うことが可能なのです。

まあヒサト選手を見る限り、親番においてはただひたすらアガリ続けることしか考えていないようですね。そのアグレッシブさが牌に乗り移ったか、1索を暗刻にして先制リーチと行くのです。

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しかし同巡、現物の1萬を切らずに筋の7筒を切って攻めの姿勢を見せた瑞原選手に対しーー

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近藤選手はこの7筒をまたしてもチー!!先ほどはこういった一発消し含みの鳴きで満貫をツモられてしまったのですが、なんとこの鳴きで食い下がったのがーーー

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ヒサト選手が一発でツモるはずだった赤5索!!鳴きがなければ4000オール、裏しだいでは6000オール以上まであったのですが、またしても近藤選手の仕掛けによってヒサト選手の手が潰されてしまったのです!

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そしてそのまま流局。ヒサト選手はこの時点では知る由もありませんが、その一部始終を見ていた我々としては、「このチャンスを逃してしまったらもうチャンスは残っていない、次局は軽く親が流れて逆転の目も潰えてしまうだろう」と思っていたのですよ。そう、普通ならもう無理でしょう、はい、普通なら。

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そして南3局1本場の8巡目、たろう選手がこの一向聴。ホンイツ七対子と面子手の天秤と最高の形で待ち構えています。

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そして更に瑞原選手がこの聴牌。5索を切って369筒の3面張でリーチ。さすがにこの厳しい状況でヒサト選手の手牌はーーー

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はい、次巡ようやくヒサト選手も追いつくのです。56索待ちにもできたのですが、5索がすでに3枚枯れ。つまり枚数的にはほとんど変わらないということでカン7索で追っかけリーチと出たその刹那ーーー

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何とこれを瑞原選手が一発キャッチ!!!ヒサト選手に12000点を献上してしまうのでした。そしてこの少ないチャンスをものにしたヒサト選手は長かったマイナス生活からようやく抜け出し、着順アップも見える位置にまで迫ってきたのです。

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さらに次局ヒサト選手がもらった配牌がこちら。なんとドラを3枚内臓!!翻牌を重ねればインスタント満貫完成ということで9筒から切り出していき、3巡後にはいつの間にか―――

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重ねていた中をタイミングよく鳴くことができ―――

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早くも8巡目には聴牌一番乗りを果たすのでした。一方他家と言えば―――

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はい、瑞原選手がヒサト選手のアガリ牌である4筒を暗刻にしてのこの一向聴。しかしこの時切り出した牌をよくご覧ください。そう、ヒサト選手が暗刻のドラ9萬。ということは…?

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はい、出ましたドラの大明槓!!そして更にリンシャンから持ってきた牌がーーー

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こちらも鳴いている中!!当然のごとくこれも加カン!!しかしここでめくられた牌がなんとーーーー

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はい、来たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
何と9萬がダブドラとなってしまったのです!!つまりヒサト選手の手はどこからどう見ても倍満!!
こうなれば他家は何もできない状況。

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瑞原選手もその直後に聴牌するのですが、流石に͡この聴牌では戦えずに現物の6萬切り。ただ瑞原選手含め他家の選手にとって朗報なのが、実はヒサト選手の待ち牌である1-4筒は河に3枚、そして他家に4枚持たれていて、この時点で何と残り一枚!そう、なかなかアガるのが困難な待ちなのですがーーー

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その直後にまさかのラス牌ツモーーーーーーーーーーーーー!!
一時はマイナス25000点近くまで沈んでいたヒサト選手が、ついにプラス25000点を超えるアガリをものにしてしまったのです。

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こちらはいつもと変わらぬヒサト選手のこの表情。南1局から計50000点を叩きあげても寡黙な魔王は次の局へと淡々と眼差しを向けるのです。
そしてまさか、このままアガリ続けてトップまでもぎ取ろうものなら、Mリーグ史に確実に刻まれる大逆転劇となるのですがーーーー

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さすがにそこは麻雀。実力的には伯仲している選手たちの中でたった一人が永遠にアガリ続けるのは不可能、ということで南3局3本場、瑞原選手がたろう選手から2900点をアガり、圧巻だったヒサト選手の親番は終止符を打たれるのでした。

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だが実はオーラス、ヒサト選手にはトップになる道がまだ残されているのです。近藤選手と29100点差。つまり3倍満ツモで逆転が可能、そして7巡目にしてこの手牌、まさか…。もし次巡、3筒をツモって一発で赤5萬でもツモることができれば――――リ―チ一発ツモタンピン一盃口ドラ2赤3!
はい、3倍満の完成なのです。一発や赤じゃなくても、高めツモ裏2でも条件はクリアできるのですが―――。

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そこは現実主義のヒサト選手。あっさりと上家から出た5萬をチーすると……。

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次巡にこれまたあっさりとカン3筒をツモり、2000.4000点。

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これにて、長い長い半荘はご覧の点棒状況と共に終幕を迎えるのでした。
しかしやっぱり見ていただきたいのがこの点棒。そう、思い出していただきたいのですが、南1局3本場の時点でヒサト選手はマイナス27300点だったのですよ!そして今、この点棒は何なのでしょう。34500点。はい、つまりこの数局の間に61800点を叩き出してしまったのです!!!役満なしで!!!
……いやー、麻雀て本当に怖いですね。

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そしてヒーローインタビュー。いつも最初は4着の人が来ることが多いのですが、流石にこの日はこの方ですよね。ヒサト選手。南場でのこの大逆転劇については本人も振り返りながら笑ってしまっていましたが、なんでしょう。とにかく男に好かれる麻雀て感じですよね。いやーかっこいい。

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そして次に登場したのがこの方。南場ではすっかりヒサト選手の影に隠れてはいたものの点棒を一番持っていたのはこの方なのですよ。「すっかり主役を持ってかれた」といっていたものの、やはり東場の怒涛の攻撃はさすがの一言。満面の笑みで本日の試合を締めくくるのでした。

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ちなみにこちらが今試合のまとめ。リーチ回数がヒサト選手の11回を筆頭に全部合わせるとなんと25回!!アガリ回数も全部で17回!!そして総局数が21局!!と、自分だったらへとへとになるような長い長い闘い。個人的には麻雀の面白さを存分に発揮した試合ではなかったかなと思うのですが、みなさまはどうお感じだったでしょうか。

はい、今回はそんな感じで締めさせていただきますが、またフォローや「スキ」、サポートなどをしていただければ執筆の励みになるのでよろしくお願いします。それではまた!!

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