意外な取り合わせの裏側
意外な取り合わせは創造性を担保する。それは違う物質や概念がその融合性を全力で発揮できるからである。人間の中には共通的アナロジーがあり、それが概念と呼ばれるものであるが、意外な取り合わせはそれを新たに作り直す。
その意外な取り合わせはどのように生まれるのであろうか。僕はそのことを説明しないまでもずっと直感してきた。
空が青いことをずっと知っているように、僕は取り合わせが起こる理由をずっと知っていた。それを語らなかったのは、みんなもそれを知っていると思っていたからだ。
けれど、どうも僕の周りの人たちはそのことを知らないらしい。僕の周りには、憂鬱なことだけれど、そのことについて深く考える人がいないらしい。もしかしたら恥ずかしがっているだけかもしれないが、それなら早く出てきてほしい。
そんなことは置いておいて、意外な取り合わせの裏側を暴露しよう。
意外な取り合わせ、それは二つの現象を取り合わせているわけではなく、二つのうちどちらかに熱中しているときに意図せずにもう一つが自分の頭をかすめたとき、その二つの中に輝く一つの概念がリンクすることで起こる。
簡単に言えば、一つの概念が頭の中を支配しているとき、新参者としてもう一つの概念が訪れたとき、その姿があまりにも自分に似ていることに気付いた支配者が意外な取り合わせを起こすのだ。
だから、なににも熱中していないときに意外な取り合わせは起こらないし、概念が馴染みのものであるときにも取り合わせは起こらない。
新しい概念、そして頭を支配する概念、それらが出会うことで起こった化学反応こそが意外な取り合わせである。
化学反応そのものが意外な取り合わせなのではなく、化学反応後のなにかが意外な取り合わせなのである。二つは引き付けられただけではなく、二つは融合しているのだ。その新しさが新たな概念を作り、それが意外な取り合わせとして輝きを見せる。
空に星が綺麗に輝いているのは、きっとそれらが何かの集まりだからだ。空に輝く星が綺麗なのはそれが集まりだからだ。
意外な取り合わせが美しく、面白いのは、単一の美しさを究極までに統一して、新たな単一の重層的な美しさや面白さを生み出すからなのである。
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