テクノロジー時代に一目置かれるのは、『適切な削除』ができるビジネスパーソン(実践-後編)
こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。
今回は、『適切な削除』に対する具体的なテクノロジーの活用方法と留意点について。ここまでを未読の方は、こちらからどうぞ。
上記2つのnoteの要点を、3行にまとめました。
<お忙しい方向け:本noteの要約>
30秒で読めるのでどうぞ。
組織ゆえに
キャッチアップコストと組織での思考と行動のフローについて整理したのが下図です。
緑の矢印が、情報フォーマットの変換と共有、つまりキャッチアップコストが発生する箇所です。前回お伝えしましたが、このコストの最小化が、組織で一目置かれるビジネスパーソンには重要。しかし、パフォーマンスまでもが下がれば、意味はありません。
具体的に、製品開発の例を用いて解説します。
なんのために生まれて。
製品XXについて、プロトタイプをもとに、顧客候補へ事前ヒアリングをする場面です。
上司やエンジニア、営業に説明する企画書の作成や、ヒアリングのための事前会議、事前の質問項目準備など。キャッチアップコストはそのままでは膨大に。
しかし、たとえば”製品開発で留意すべき観点”は、chatGPTであれば10秒足らずで回答。
ただし、普遍的な観点なので、他社との差別化は現状あり得ません。が、ヒアリングを経て顧客特有の課題を追加していけば、さらに精度は高まっていく。
では、ここでの高いパフォーマンスとはなにか?端的にいえば、”(製品開発の)目的実現に近づくこと”です。
反応はしてくれる。が
当たり前ですが、製品開発、もっといえば企業や組織には目的が存在します。
Googleであれば、”世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること。”
SONYであれば、”クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。”
ゆえに、組織で高いパフォーマンスをあげるとは、目的に近づく結果を出こと。つまり製品開発は、”その製品が普及することで、組織の目的実現にどれだけ近づくか?”が、評価指標です。
しかし、留意点が。それは構造上、この目的や目的実現のための仮説自体はchatGPTは設定してくれない、です。
chatGPTは、inputに対しての”反応(=リアクション)”は回答してくれます。が、そもそもの目的や、目的実現に向けた仮説などの”意思(=アクション)”は明示してくれません。
最強のチート武器?
ゆえに、chatGPTは万能ツールではありません。任せるべきは使用者に目的や仮説がある場合であり、そうでない時も思考停止して使うのは、愚か者への道です。
どれだけ良い包丁を買っても、有料レシピアプリをインストールしても、キッチンを数百万円かけてリフォームしても、”わたしはこれが食べたい”は、だれも設定してくれません。
さらに、学習が公開されているデータ中心のため、個別特有の単語や文脈に対して弱いです。なので、顧客名や特有ワードの入力はセキュリティ面からも控えましょう。
ただ、セキュリティに関しては、個別アプリでAPI連携をすれば、OpenAI社のトレーニングに情報を使われません。(ただし、料金はかかります。)
仕事のフローを合わせていく
上記を踏まえると、これから起きるのは、入力する人間側が、出力するchatGPTが仕事をしやすいように、情報を整えることです。
会議のアジェンダについても、outputのフォーマットに沿って会議を進める。結果、依頼側は質の高いアウトプットを得られ、さらに入力の質を高めていけます。
結果として『質の高い会議と実行のサイクル』が、テクノロジーとの双方向性により実現する可能性が高まる。これを実装できるか否かが、これからの時代のビジネスパーソンに求められる要素です。
『我が社の社風やセキュリティでは……』
とはいえ、すべてをいますぐ実装できる組織は、多くないでしょう。ステークホルダーが多い大企業や官公庁ほど、リスク管理が重要です。
一方で、そのまま何もせず会社と運命をともにするには、あまりにハイリスクなのも事実。大規模テック企業やコンサルティングファームでは解雇が始まっており、眉唾ですが、一説にはchatGPTでホワイトカラーの7割が今の仕事を無くす、と言われています。
組織の業務が難しければ、まず自分の身の回りや家事など、”誰かに情報共有する際のフォーマット変換”に活用してみてはいかがでしょう。人が2人以上いれば組織。費やしていた時間が少しでも削減されれば、人生の余暇が生まれたに等しいインパクトです。
30秒で読めるまとめ
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次回は4月15日(土)更新予定。
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