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テクノロジー時代に一目置かれるのは、『適切な削除』ができるビジネスパーソン(実践-後編)

こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。

今回は、『適切な削除』に対する具体的なテクノロジーの活用方法と留意点について。ここまでを未読の方は、こちらからどうぞ。

上記2つのnoteの要点を、3行にまとめました。

1.これからは、網羅的な情報を届ける人ではなく、相手の関心に合わせて必要最低限の情報を届けられる人が成果を出す。
2.大切なのは、"届ける相手の感情や行動が、動き出しやすいフォーマットや情報量になっているか?"
3.そのためには、テクノロジーを活用し、キャッチアップコストを最小化するのが必要。

<お忙しい方向け:本noteの要約>

30秒で読めるのでどうぞ。


<結論>
– 成果をあげるビジネスパーソンは、目的や仮説の設定は自らし、それ以外はchatGPTなどに適切に依頼できる人

<背景・理由>
- キャッチアップコストの最小化は大切。だが、パフォーマンスも同時に下がっては意味がない。
– パフォーマンスとは、”組織の目的実現に寄与する度合い”。
- chatGPTは、調べる観点やアイデア出しは瞬時に”反応”する。
- 一方、組織の目的設定や、目的実現に寄与する度合いを確認できるのは、人間だけ。
- セキュリティ面も考慮すべき。だが対応策ももちろんある。
- 仕事で使えるのがベスト。しかしNGあんら、まずはプライベートで。


組織ゆえに

 キャッチアップコストと組織での思考と行動のフローについて整理したのが下図です。

緑の矢印が、情報フォーマットの変換と共有、つまりキャッチアップコストが発生する箇所です。前回お伝えしましたが、このコストの最小化が、組織で一目置かれるビジネスパーソンには重要。しかし、パフォーマンスまでもが下がれば、意味はありません。

具体的に、製品開発の例を用いて解説します。

なんのために生まれて。

 製品XXについて、プロトタイプをもとに、顧客候補へ事前ヒアリングをする場面です。

 上司やエンジニア、営業に説明する企画書の作成や、ヒアリングのための事前会議、事前の質問項目準備など。キャッチアップコストはそのままでは膨大に。

しかし、たとえば”製品開発で留意すべき観点”は、chatGPTであれば10秒足らずで回答。

営業活動の時間が足りないという課題を解決する製品を開発する際には、以下の観点を考慮する必要があります。

目的の明確化:製品を開発する前に、営業活動で何を達成しようとしているのかを明確にする必要があります。目的が明確でないと、製品がどのような機能を持つべきかも分からなくなります。

優先順位の設定:営業活動で時間を節約するためには、どのタスクが最も重要で、どのタスクが削減可能かを判断する必要があります。これにより、製品の機能を決定することができます。

タスク自動化の可否:営業活動で時間を節約するためには、タスクの自動化が考えられます。自動化できるタスクを洗い出し、どのような自動化ツールが必要かを調査する必要があります。

モバイルアプリの有無:現代の営業活動では、モバイルアプリが必要不可欠な場合があります。顧客が外出先で情報にアクセスできるようにすることで、時間を節約することができます。

ユーザビリティの改善:製品を開発する際には、ユーザビリティの改善にも注力する必要があります。シンプルなインターフェイスや、使いやすい機能があることで、顧客が製品を効果的に利用することができます。

chatGPT 3.5

ただし、普遍的な観点なので、他社との差別化は現状あり得ません。が、ヒアリングを経て顧客特有の課題を追加していけば、さらに精度は高まっていく。

では、ここでの高いパフォーマンスとはなにか?端的にいえば、”(製品開発の)目的実現に近づくこと”です。

反応はしてくれる。が

 当たり前ですが、製品開発、もっといえば企業や組織には目的が存在します。

Googleであれば、”世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること。”
SONYであれば、”クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。”

ゆえに、組織で高いパフォーマンスをあげるとは、目的に近づく結果を出こと。つまり製品開発は、”その製品が普及することで、組織の目的実現にどれだけ近づくか?”が、評価指標です。

しかし、留意点が。それは構造上、この目的や目的実現のための仮説自体はchatGPTは設定してくれない、です。

chatGPTは、inputに対しての”反応(=リアクション)”は回答してくれます。が、そもそもの目的や、目的実現に向けた仮説などの”意思(=アクション)”は明示してくれません。

最強のチート武器?

 ゆえに、chatGPTは万能ツールではありません。任せるべきは使用者に目的や仮説がある場合であり、そうでない時も思考停止して使うのは、愚か者への道です。

どれだけ良い包丁を買っても、有料レシピアプリをインストールしても、キッチンを数百万円かけてリフォームしても、”わたしはこれが食べたい”は、だれも設定してくれません。

さらに、学習が公開されているデータ中心のため、個別特有の単語や文脈に対して弱いです。なので、顧客名や特有ワードの入力はセキュリティ面からも控えましょう。

ただ、セキュリティに関しては、個別アプリでAPI連携をすれば、OpenAI社のトレーニングに情報を使われません。(ただし、料金はかかります。) 

仕事のフローを合わせていく

 上記を踏まえると、これから起きるのは、入力する人間側が、出力するchatGPTが仕事をしやすいように、情報を整えることです。

会議のアジェンダについても、outputのフォーマットに沿って会議を進める。結果、依頼側は質の高いアウトプットを得られ、さらに入力の質を高めていけます。

例) 
会議の冒頭、ファシリテーター:
『本日のゴールはXXX、そのためのアジェンダは3つ。1つ目XXXX、……。』と話してからスタートする。

終わり際に再度ファシリテーター:
『本日の結論はXXX。次の会議はX月X日。その日までのアクションと役割分担は次の通りです。AさんはXXX、BさんはXXX……。』

結果として『質の高い会議と実行のサイクル』が、テクノロジーとの双方向性により実現する可能性が高まる。これを実装できるか否かが、これからの時代のビジネスパーソンに求められる要素です。

『我が社の社風やセキュリティでは……』

 とはいえ、すべてをいますぐ実装できる組織は、多くないでしょう。ステークホルダーが多い大企業や官公庁ほど、リスク管理が重要です。

一方で、そのまま何もせず会社と運命をともにするには、あまりにハイリスクなのも事実。大規模テック企業やコンサルティングファームでは解雇が始まっており、眉唾ですが、一説にはchatGPTでホワイトカラーの7割が今の仕事を無くす、と言われています。

組織の業務が難しければ、まず自分の身の回りや家事など、”誰かに情報共有する際のフォーマット変換”に活用してみてはいかがでしょう。人が2人以上いれば組織。費やしていた時間が少しでも削減されれば、人生の余暇が生まれたに等しいインパクトです。

30秒で読めるまとめ


<結論>
– 成果をあげるビジネスパーソンは、目的や仮説の設定は自らし、それ以外はchatGPTなどに適切に依頼できる人

<背景・理由>
- キャッチアップコストの最小化は大切。だが、パフォーマンスも同時に下がっては意味がない。
– パフォーマンスとは、”組織の目的実現に寄与する度合い”。
- chatGPTは、調べる観点やアイデア出しは瞬時に”反応”する。
- 一方、組織の目的設定や、目的実現に寄与する度合いを確認できるのは、人間だけ。
- セキュリティ面も考慮すべき。だが対応策ももちろんある。
- 仕事で使えるのがベスト。しかしNGあんら、まずはプライベートで。


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次回は4月15日(土)更新予定。

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