noteの街に風が吹く:小説的考察【4話】方向性を占う「三方よし」
江戸時代、今でいう「名裁判官」として活躍した江戸町奉行の大岡越前守忠相をご存じですか。加藤剛が主演した時代劇ドラマ『大岡越前』はシリーズ化されて1970年からおよそ20年間続きました。その大岡越前の有名な逸話に「三方一両損」があります。
江戸の町での出来事。ある大工が三両入った財布を落としてしまいました。その財布を拾った左官が大工に届けたところ「俺も江戸っ子でぃ。一度ふところを離れた金が受け取れるか。持って帰りやがれっ」と頑としてきかない。左官も左官で「金がほしくて届けたわ