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アートな読み物

いろいろとアートのまつわる読み物を不定期で投稿していきます!
ヴェルデさん、かるびさんなど美術ライターも参加していただきました。それぞれの切り口のいろいろな読み… もっと詳しく
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記事一覧

写楽の正体とされる能役者が絵師としての活動を公にしなかったのはなぜ?

東洲斎写楽は、1794年5月には役者の顔の特徴を大胆に誇張した独特の大首絵28枚で華々しくデビ…

肖像画と女心~私の自慢(後編)③アニエス・ソレルの場合~乳房

王たちの結婚は、政略結婚がほとんどで、しかもカトリックの教義では、離婚も側室を持つことも…

肖像画と女心~私の自慢(中編)②スペイン王妃マリア・ルイサの場合~「腕」

②スペイン王妃マリア・ルイサの場合 「最高の名君」の次は、「最悪の王妃」をご紹介しよう。…

肖像画と女心~私の自慢(前編)①エリザベス1世の場合~「手」

たとえ自分が死んだ後も、肖像画や写真は残り続ける。 だからこそ、肖像画を描かせる時、お気…

エミール・ガレ〜彼の作風が日本人に受け入れられる理由とは

現在、渋谷松濤美術館で2024年6月9日までエミール・ガレの回顧展が開催されています。ガレの展…

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ブランクーシ『空間の鳥』〜単純化されすぎて、税関で芸術品と認められず

コンスタンティン・ブランクーシ(1876年-1957年)は、ルーマニア出身の革新的な彫刻家。対象…

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マティス『ロザリオ礼拝堂』〜一人の女性との絆が築き上げた彼の集大成

ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂は、シンプルで控えめな外観を持っています。屋根は白と青のタイルでできており、礼拝堂の中には錬鉄の十字架も見られます。この礼拝堂は、画家、アンリ・マティスが、「自らの仕事の集大成」と考え、装飾を手掛け、建築家オーギュスト・ペレとともに完成させます。ロザリオ礼拝堂は「マティス礼拝堂」とも呼ばれ、その装飾とデザインは、フランスの芸術と宗教の融合を象徴するものとして、今も人々に親しまれています。 マティスは十二指腸癌を患い、手術は成功しましたが、その後遺

上村松園『花がたみ』〜表情づくりの参考になぜ能面が使われたのか

上村松園は、明治、大正、昭和時代に活躍した日本の画家で、特に美人画で知られています。彼女…

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ドガ『エトワール』〜ドガがトップダンサーと一緒に描いた深い物語性

エドガー・ドガは、バレエをテーマにした作品が多く、特にバレエの練習風景や楽屋、舞台袖など…

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ハンマースホイ『背を向けた若い女性のいる室内』〜なぜ女性は向こう側を向いているの…

女性が大皿を持ち、向こうを向いている姿が描かれており、落ち着いたグレーブルーの色調、丁寧…

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松本華羊《殉教(伴天連お春)》〜手枷をされたまま桜を眺める女性は誰?

今日の1枚は、松本華羊の代表的な作品「殉教(伴天連お春)」。これまで、この絵は日本人とイ…

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ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス『ヒュラスとニンフたち』〜絵の撤去後に残され…

『ヒュラスとニンフたち』は、1896年の作品。この作品は、オウィディウスやその他の古代の作家…

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もっと早く出会いたかった

「もっと早くこの画家(作品)に出会いたかったな」 先日、SOMPO美術館での『北欧の神秘』展の内…

イワン・クラムスコイ『忘れえぬ女』描かれた女性はいったい誰なのでしょうか。

『忘れえぬ女』は、イワン・クラムスコイによって描かれた、ロシアの絵画です。絵に描かれた女性は、「静かな佇まいと直視する瞳」を持ち、観る者に強い印象を与えます。 この絵は現在、ロシアで最も知られた作品の一つとされていますが、発表当時は内容に対して多くの批判が寄せられました。その理由の一つとして、絵が高慢で不道徳な女性を描いていると見なされたことが挙げられます。しかし、時間が経つにつれて人々の芸術に対する見方が変わり、今日では高い評価を受けています。 クラムスコイはロシア実用