セナ
24歳のアオイは命を落とし、生まれ変わりました。80年後の未来。アンドロイドとなって…。
あらすじ、登場人物
日々のこと
ゾンビサバイバルストーリーですがゾンビが滅ぶまでと、滅亡した後の世界が終わって新たな始まりが主体です。わずかな人間が生き残るために模索、葛藤、奮起する物語です。
あらすじ 登場人物 あとがき
807話〜893話(87話) 2118年7月〜10月の出来事 成田国際空港。リョウはイギリスに向けて旅立った。ハスミエマを貶めた謝罪をする為に。エマは言った。詫びる気持ちがある…
2118年12月4日 夕方 都内某所:ルイの高校の部室 ルイは一番乗りで部室に入るとロッカーを開けて登山靴を取り出した。ベンチに座ってメンテナンスを始めた。紐とインソール…
2118年12月1日 夜 ロンドン:カフェ ミアは息を吸い込んで一気に放った。 「…いつもいつもリョウはgentleだった。だ…だから…I love youなの!私!リョウに!」 リョウ…
2118年12月1日 夜 ロンドン:レストラン リョウのプールのレッスンの後は夕食を囲んだ。乾杯する。ミアはニコニコと嬉しそうだ。 「頑張ったね。5.5m泳げるようになった」…
2118年12月1日 夕方 ロンドン某所:プール 「そうそう!腕を上げて!脚を伸ばして!」 リョウは必死になって両腕を回転させる。足先をバタバタと動かすがどんどん両脚が落…
2118年12月1日 午後3時 ロンドン:ドウガミリョウの住まい 外は厚い雲に覆われており薄暗い。なんと間もなく日没だ。イギリスは陽が落ちるのが早い。しかも今は雨季で日本…
2118年11月25日 茨城県白水村集落:中庭 「じゃあ。エイト。いい?いくよ」 「はい」 キリはエムウェイブをアンドロイドのエイトに向けて照射した。エイトは即座に倒れた…
2118年11月24日 新宿区:平家カフェ ドウガミリツの部屋 「ゲンが死んだよ」 リツの目の前には親戚のキリとタカオの立体画像が浮いている。キリ達は神妙な顔をして頷いた…
2118年10月31日〜11月20日 葛飾区:ソウタの自宅の地下 ゲンのメモリにウィルスを仕込んで21日目。警告音は彼の正常なプログラムを破壊した。床に仰臥したまま意味不明な事…
2218年10月31日 午後 カガミソウタの邸宅 地下の一室 ゲンにウィルス仕込んだソウタ。ゲンは自分が作ったプログラムに苦しむことになる。しかもエムウェイブで身体の自…
2118年10月31日 午後 カガミソウタの邸宅 地下の一室 ソウタはフォルダをデリートし、とうとうプログラムが動き出した。カウントダウンを始めたのだ。48時間後には警告…
2118年10月31日 午後 カガミソウタの邸宅 地下の一室 ソウタは土下座するゲンを見つめた。そして腰を下ろして溜息をついた。 「お前…なんでスミレを殺した?」 「マシ…
2118年10月31日 午後 カガミソウタの邸宅 地下の一室 ソウタはゲンの頸のソケットにUSBを差し込んだ。直ぐに彼のメモリにフォルダが落ちた。それはゲンが作った悪意のプ…
2118年10月31日 午後 カガミソウタの邸宅 地下の一室 新たな主人となったソウタに抗えず、ゲンは彼の屋敷にやって来た。地下の一室に案内されて墓場だと告げられて恐怖…
(現在) 2118年10月31日 午後 都内某所:公園 4日前。リツとソウタはスオウ組に訪れた。スオウの薬物取引の顧客履歴を消去する事を引き換えにゲンの譲渡契約書を手に入れ…
(回想) 2118年10月27日 スオウ組事務所 スオウの息子のソラが去って行くと俄かに室内は静寂となり、そして微かな緊張が張り詰めた。リツは深々と頭を下げた。 「ソラ…
2024年5月13日 08:06
807話〜893話(87話)2118年7月〜10月の出来事成田国際空港。リョウはイギリスに向けて旅立った。ハスミエマを貶めた謝罪をする為に。エマは言った。詫びる気持ちがあるなら100日間、家に通えと。リョウは誓った。必ず守ると。エマの心が軟化しリョウを許した。74日目の事だった。彼女は気付いたのだ。全ては自分の心次第なのだと。だがリョウは残りの26日も守った。彼らは互いの幸せを祈って別れ
2024年6月14日 07:26
2118年12月4日 夕方都内某所:ルイの高校の部室ルイは一番乗りで部室に入るとロッカーを開けて登山靴を取り出した。ベンチに座ってメンテナンスを始めた。紐とインソールを外してブラッシングする。登山にとって大事な工程のひとつだ。扉がスライドして女子部員が入って来た。同じ1年生で名前はレナだ。彼女も同じようにメンテナンスを始めた。何故かルイの隣に座る。「どう?学校は楽しい?」ルイは何度
2024年6月13日 09:41
2118年12月1日 夜ロンドン:カフェミアは息を吸い込んで一気に放った。「…いつもいつもリョウはgentleだった。だ…だから…I love youなの!私!リョウに!」リョウは目を丸くして呆気に取られた。全く意味が分からなかった。いや。先程言ったようにアイラブユーなら分かる。それは分かる。だがミアが?俺に?この…俺に?嘘だ。そんな事は有り得ない。絶対にない。リョウはミアを暫く
2024年6月12日 10:42
2118年12月1日 夜ロンドン:レストランリョウのプールのレッスンの後は夕食を囲んだ。乾杯する。ミアはニコニコと嬉しそうだ。「頑張ったね。5.5m泳げるようになった」リョウは照れて笑った。ミアは自信有り気に親指を立てた。「直ぐに泳げるようになるよ。リョウは覚えが早いもの。英語だって凄く上達したよ」「相手がゆっくり話してくれるからだ」やがて料理が運ばれた。2人は旨い食事とお喋
2024年6月11日 09:50
2118年12月1日 夕方ロンドン某所:プール「そうそう!腕を上げて!脚を伸ばして!」リョウは必死になって両腕を回転させる。足先をバタバタと動かすがどんどん両脚が落ちてくる。上げろ!脚を!腕を!もっと!もっと…。だがブクブクと沈んでいく。足が床に触れた。ああ、着いてしまった。立ち上がって息を大きく吐いた。何度も肩が上下した。顔を拭った。「む、ムズイ…」ミアは身体を水面でジャンプさ
2024年6月10日 08:29
2118年12月1日 午後3時ロンドン:ドウガミリョウの住まい外は厚い雲に覆われており薄暗い。なんと間もなく日没だ。イギリスは陽が落ちるのが早い。しかも今は雨季で日本とは反対のシーズンが梅雨なのだ。世界は広いのだなとリョウは実感する。リョウはベッドに横になっていた。重ねた手に後頭部を乗せて天井を見つめている。月末にはもうクリスマスかと思う。そして年越しだ。まさかよその国で新年を迎えるとは
2024年6月9日 09:29
2118年11月25日 茨城県白水村集落:中庭「じゃあ。エイト。いい?いくよ」「はい」キリはエムウェイブをアンドロイドのエイトに向けて照射した。エイトは即座に倒れた。キリはエイトに近付いてしゃがみ込んだ。「どんな感じ?」「全く動きません。指ひとつも」「そうか…」キリはアリスが持って来たエムウェイブ(アンドロイド制御装置)をエイトに試していた。TEラボが造ったデバイス。マシン
2024年6月8日 08:56
2118年11月24日 新宿区:平家カフェドウガミリツの部屋「ゲンが死んだよ」リツの目の前には親戚のキリとタカオの立体画像が浮いている。キリ達は神妙な顔をして頷いた。彼らにはゲンを捕らえた事を報告していた。キリは寂しそうに微笑んだ。『ミオとルークに…伝えるね…』ゲンに苦しめられて死んだミオ。その復讐で戦ったルーク。2人は村の丘の上で眠っている。リツは頷いたものの虚しかった。た
2024年6月7日 08:17
2118年10月31日〜11月20日葛飾区:ソウタの自宅の地下ゲンのメモリにウィルスを仕込んで21日目。警告音は彼の正常なプログラムを破壊した。床に仰臥したまま意味不明な事を呟き続けた。ゲンの顔は歪み、眼球がグルグルと回っていた。ソウタはそれを眺めていた。するとゲンの瞳に光が宿った。一瞬でも正常な状態に戻ったようだ。彼はソウタに詫びた。ソウタが主人になってから何度も謝罪していたが今回は意
2024年6月6日 09:13
2218年10月31日 午後カガミソウタの邸宅 地下の一室ゲンにウィルス仕込んだソウタ。ゲンは自分が作ったプログラムに苦しむことになる。しかもエムウェイブで身体の自由を奪われた。指一本も動かない。全て因果応報なのである。ソウタはじっとゲンを見つめた。「48時間後には警告音が鳴るぞ」ゲンの瞳から涙が落ちる。「ああ…旦那様…私は死ぬのが怖いです…」見守っていたリツは感心していた。ア
2024年6月5日 08:29
2118年10月31日 午後カガミソウタの邸宅 地下の一室ソウタはフォルダをデリートし、とうとうプログラムが動き出した。カウントダウンを始めたのだ。48時間後には警告音が鳴り出す。ゲンはいつか狂うだろう。そして機能停止(死)になるのだ。ゲンはソウタを睨み、拳を振り上げた。殴ろうとしている。人間を傷つけようとしている。いや…違う。アンドロイドは何があっても人間には攻撃が出来ない。襲えば死ぬ
2024年6月4日 09:03
2118年10月31日 午後カガミソウタの邸宅 地下の一室ソウタは土下座するゲンを見つめた。そして腰を下ろして溜息をついた。「お前…なんでスミレを殺した?」「マシンの頂点に立ちたかったのです」ソウタは呆れたように溜息をつく。全く…人間もそうだけれど…どうして誰もがトップになりたいんだ?まさかアンドロイドまでもそう思うようになるなんて…バカじゃないか。ゲンは顔を上げた。泣いていた。
2024年6月3日 08:12
2118年10月31日 午後カガミソウタの邸宅 地下の一室ソウタはゲンの頸のソケットにUSBを差し込んだ。直ぐに彼のメモリにフォルダが落ちた。それはゲンが作った悪意のプログラム。ソウタは本人に仕込んだのだ。ゲンは怯えて悲鳴を上げた。「デリートしないで下さい!」ソウタは心底呆れたような顔をする。「マジでお前ってキモいよな」ウィルスプログラムの発動の流れはこうだ。フォルダを削除する
2024年6月2日 10:12
2118年10月31日 午後カガミソウタの邸宅 地下の一室新たな主人となったソウタに抗えず、ゲンは彼の屋敷にやって来た。地下の一室に案内されて墓場だと告げられて恐怖に慄く。詫びてもソウタは許してくれない。ソウタの瞳に影が差す。唇が歪んだ。「俺は悔しい。あの日…俺が…風邪を引いたから…スミレは弁当を買いに行ったんだ。だからお前に狙われた。くそっ!畜生…!」スミレはソウタの為に平家カフ
2024年6月1日 08:57
(現在)2118年10月31日 午後都内某所:公園4日前。リツとソウタはスオウ組に訪れた。スオウの薬物取引の顧客履歴を消去する事を引き換えにゲンの譲渡契約書を手に入れた。これで復讐が果たせるのだ。ソウタは実行する事を誓った。そして今、リツとソウタの目の前にはゲンがいる。ゲンは人間の家に転がり込んでいた。彼は女達に幸せを与えていると自慢げに胸を張る。恐れるものは何もないという態度だった。
2024年5月31日 08:00
(回想)2118年10月27日 スオウ組事務所スオウの息子のソラが去って行くと俄かに室内は静寂となり、そして微かな緊張が張り詰めた。リツは深々と頭を下げた。「ソラ君を誘拐してすみません」ソラ本人がどんなに楽しかろうと、大人達の都合で子供を利用したのは事実だ。リツは潔く謝罪した。スオウに怒りはなかった。今更追求してどうなる?もう終わった事だ。「息子は随分楽しかったようだ。夢だと言っ