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神の眼の凱歌(著:ニーブン&パーネル)【どっちの読書紹介でも人類には見分けがつかないってこと?「まあそうだが。裏切りはくせになりやすいからな」】

今回に紹介するのはこちら。
「神の眼の小さな塵」


ではなく、

続編の神の眼の凱歌です。

続編だってことを知らずに買って読んだんです。
もちろん前作なんて知りません。

なんでも評判は悪いようですが、
おそらく前作とのギャップなのか、
前作を知らない私は、特に何のてらいもなく、
楽しめちゃいました。

これは遠未来のリアル宇宙戦争といった感じですね。
人類が銀河帝国とか作っている時代です。
ただ設定上の技術制限があり、なんでもできるわけじゃない。

前作「小さな塵」で、
史上初の宇宙人とのコンタクトに成功した人類帝国。

この宇宙人は、太陽系をひとつしか持っていない。
要するにワープとか開発できなかったようなので、

圧倒的な自信と共に交渉を開始する人類帝国ですが、
あっというまにパニック状態にされます。

この宇宙人は、歴史の進歩がすごく早く、増殖率も非常に高く、
資源があると無制限に増えちゃうのです。

モデルはフェレット。
フェレットって、出産しないと死んでしまうらしく、死なないためには出産しないといけません。ものすごい勢いで増えます。
その分だけ大勢が死ぬわけですが、知的生命体の場合には、自然に死ぬことはありません。

だからこの宇宙人(モート)の歴史は、
絶えざる戦争と文明崩壊の繰り返し、です。

30年くらいで前の文明が終わります。
そんなタイムスパンであり、また他人の考えを読み取る能力がけた違いで、人類などはあっという間に心を読まれます。

泡を食った人類帝国は星域を永久封鎖するのですが、
まあ時間の問題だということでして、
数十年ぶりに艦隊を派遣して再交渉を試みます。

いつまでも宇宙人(モート)が星の世界に野心を伸ばさないはずがない。
そこで状況をコントロールするため、自ら舵を切ったのですが。

後半は迫力の宇宙戦闘が展開されます。
使う武器は、レーザーと核爆弾、あとは質量兵器という、古典的なものだけです。
ハードSFであるにも関わらず、なじみの技術ばかりが出てくるという、
そんなに難しくない設定です。

( ↑ 逃げる艦隊を追撃する戦いの例)

というかこれも、
技術よりは文化とか歴史とかに比重を置いているような気がする。
ここに出てくる宇宙戦闘は、19世紀から20世紀の海戦史で出てくるような展開なのです。だから日本人にも直感的にわかるんですよね。

とにかくSF宇宙戦争が久しぶりに読みたいぞ!
という気持ちの時に買ったので、古典的な宇宙戦闘には留飲を下げました。
SFって宇宙艦隊戦とか意外と描かれないですよね。

古典的と言ってもそこはハードSFなので、慣性の法則とかはきちんとやってます。

逆に、もっと想像を絶するSFが読みたいという方には向かないかも。

「神の眼の小さな塵」はこちらの方の解説が有名。


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