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【ゴールデンカムイ完結記念】樺太の養狐業(あるいは大正期のベンチャービジネスの姿)についての薄い本を書きました
去る4月28日にゴールデンカムイが連載最終話を迎えたわけですけども、旭川の第七師団のすぐ近くで育った私も最終話まで大変楽しませていただきました。ゴールデンカムイにおける歴史や文化に関する考証については色々話題になりましたから皆様もご存じの通りかと思いますが、そういった点で特に個人的に興味を持ったところが148話「ルーツ」(15巻収録)で出てくる狐の飼育場(養狐場)の場面です。この養狐場の場面もア
もっとみる【艦これ10周年記念/ゴジラ-1.0公開記念】震電を作った九州飛行機とはどんな会社だったのか?というレポートを書きました
旧軍の航空機といえば兎にも角にも「零戦」が真っ先に挙がると思うのですが、それ以外となるとどうでしょう、「震電」もかなり有名な部類というか、そのエンテ型という独特の機体形状で厨二心をくすぐる存在ではあろうかと思います。
震電自体は大人気なので詳細なスペックや完成機の記録(試験飛行や戦後の米国の扱いや現在のスミソニアンでの展示状況など)については詳しい方が多いように思いますが、一方で、震電を製造した九
『君たちはどう生きるか』関連で宮崎航空工業の小冊子も出します
数ヶ月前の話ですが、どこぞで「宮崎駿を語る時に出てくる実家の宮崎航空興学なり宮崎航空機製作所なりという会社、中島飛行機の下請で数千人を擁したというけれど、そんな社名の記録はなくない?」という話を書いて、色々こねくり回した結果、それが宮崎航空工業株式会社であるというのを突き止めたりしたということがありました。
# 国会図書館デジタルコレクションの所蔵資料数が大幅に増加したことの恩恵でもありました。
LOFTの業績も見てみましょうか
そごう・西武の売却騒動に関連して、LOFTはどうなったの?という話題もちらほらみかけるので整理しておきましょうか。
LOFT自体はセブン&アイ・ホールディングスのそごう・西武売却スキームの中ではそごう・西武の子会社からセブン&アイ・ホールディングスの子会社に移管することになっています。つまりフォートレスへの売却にはLOFTは含まれていない、ということですね。
LOFTはそごう・西武から切り離して
西武池袋本店に関する騒動を理解するためのそごう・西武の財務分析
西武池袋本店の売却にからんで、労組がストしただの、企業価値は2,200億円だけど株式価値は8500万円だの、フォートレスがヨドバシに3,000億円で売るだの、先には史上最低のディールと書かれるだの池袋区長がヨドバシ嫌だとか言って物議を醸すだの、色々騒がしいことになってますが、なんでこんなことになってるのか(西武の旗艦店を閉店して売却しなければならないほど困ってるのか)というのを理解するのにちょっと
もっとみる国立科学博物館の財務とクラウドファンディング
国立科学博物館のクラウドファンディングが話題ですが、今回の内容は
ということで、これまでのプロジェクト単位のクラウドファンディング(3万年前の航海、「YS-11」量産初号機公開プロジェクト)とはどうも様子が異なり、日々の基幹業務そのものに影響が出ていそうな雰囲気が漂っています。
上記の表現からすると、半ば運転資金そのものが足りてない、みたいな印象すら受けるので、独立行政法人で財務情報も公開され
無駄に長い『イヴの時間』の感想(再掲)
昨今の生成AIの隆盛から、割と近い将来、AIガバナンスの話がかなり盛り上がると思う、といいますか、既にEUのAI規制法案(←総務省のパワポがわかりやすいです)などの影響もあって盛り上がってますけど、その文脈ではアジア全域でのAIの規制が弱いという話が出がちではあります。
# とはいえアジアでも規制というかガイドラインとして、例えば中国だと反体制にならないようにとか(日経:中国、生成AI規制を8月施
三菱航空機の財務分析のような分析でないような話~三菱重工SpaceJet(MRJ)の1兆円といわれる開発費はどう財務諸表に出てくるのか
三菱重工業連結ではなく三菱航空機の話をします2023年2月6日、三菱重工がSpaceJet(MRJ)からの撤退を発表したわけですけど、度重なる延期の末に2020年6月には開発の縮小、2020年10月の重工の中期計画でも縮小路線が明確化していたので、結局はその延長線上ってことなんでしょうかね、SpaceJet撤退してしまうとなると、せっかく取得したCRJの方はどうなっちゃうんでしょうかね。
そのへ