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日本史授業脚本「42.大日本帝国憲法公布」
憲法改正論議が高まりつつある現在。護憲派の人たちの中には、「大日本帝国憲法」を戦争に導いた酷い憲法のように印象操作する人たちがいます。
「日本国憲法」改正の必要性については、いろいろな議論があって然るべきだと思いますが、現憲法を素晴らしいものと見せるために、前憲法を印象操作で貶めるのはやめてもらいたいですね。
今の私たちは、「大日本帝国憲法がどのような経緯でできたのか」、「どのような国家を目指
日本史授業脚本「41.松方デフレ政策」
「松方デフレ政策」という単語になっている程、デフレ政策と言えばこの人「松方正義」。のちに第4代総理大臣にもなる薩摩藩出身の大物政治家です。
財政を担当させたら、この人って感じですね。もともと「金銀複本位制」でスタートした明治政府ですが、さまざまな改革や西南戦争での出費などにより、苦しい財政事情になりました。
明治政府はその補填のために「太政官札」を発行して急場をしのぎます。それに加えて、渋沢栄
日本史授業脚本「40.渋沢栄一」
いよいよ7月から新紙幣が登場します。新1万円札の肖像に選ばれたのは「渋沢栄一」。今回取り上げた人物です。
私が子どもの頃は「聖徳太子」の1万円札でした。現在の「福沢諭吉」に変わった時も違和感はありましたが、まだ子どもだったせいか、500円札がなくなったり、「伊藤博文」の1000円札がなくなったりした時の方が印象深かったように思います。
1万円札って日本の通貨の最高額紙幣ですからね。それに見合う
日本史授業脚本「39.大同団結運動」
「星亨」と「後藤象二郎」。大同団結運動の中心人物です。この2人、超すごいキャラで、憲法が公布される直前というタイミングで、反政府運動を起こすだけのことはあります。
「星亨」は「押しとおる」という異名があり、相手がだれであっても物怖じせず、一切の忖度もしない「論破王」です。「頼りになる兄貴」でもあり「融通の利かない豪傑」でもあるため、ファンも多いし敵も多い。今でいう「ひろゆき」のポジションですかね
日本史授業脚本「38.私擬憲法」
政府の憲法作成が秘密裏に進む中、世間では多くの「私擬憲法」が発表されていきます。しかも自由民権活動家や新聞社などのメディアが発表するのは想像できますが、実際は田舎の先生や学者、旧藩士などの民間人まで。
それぞれの立ち場の人たちが、これからの日本の国家ビジョンを持って最も良い憲法を作りたいと思って発表した憲法案。こういう気概っていいですよね。
もちろん政府が作る憲法にこれらの私擬憲法の内容が反映
100年後の答え合わせ〜赤点必至
日本で普通選挙が実現して来年で100年を迎えます。
加藤高明内閣が納税額の制限を撤廃し、普通選挙が実現するまで35年もかかったんですよね。
国民にとってはとても喜ばしいできごとでしたが、同時に治安維持法が制定されたことにも注目しないといけません。
つまり、無産階級(一般的な国民ですが)に選挙権を与えることは、危険をはらんでいると考えられていたということです。
同じ年、「日ソ基本条約」が締結
日本史授業脚本「37.内閣制度発足」
ついに内閣制度発足まで来ました。初代伊藤博文が組閣したメンバーはまさに適材適所の豪華布陣。薩長閥中心の構成ではありますが、あっと驚く「幕臣だった榎本武揚の入閣」など、話題性も豊富ですね。
内務大臣の山県有朋は、伊藤博文と同じ長州出身ですが、タイプも得意分野も伊藤とは違いますね。伊藤博文が総理大臣、山県有朋が内務大臣なんて何とも贅沢です。しかも、徴兵制を取り入れた山県が、ここでは地方制度(市制、町
沖縄返還から52年!沖縄は日本です!!
1972年の今日、沖縄の日本本土復帰が実現しました。
琉球王国時代には日清両属の形になったり、先の大戦では激しい地上戦が行われ多くの県民の方々が犠牲になったりしました。そして終戦を迎え、アメリカの統治下に入り30年近くを過ごすことになります。
そんな沖縄が日本に復帰したことは、沖縄県民だけでなくすべての日本人にとって喜ばしいことであり、それは今も続いています。「沖縄出身」と聞くと「いいなぁ」っ
犬養毅に思いを馳せる
今日は5月15日。
五・一五事件の日ですね。
犬養毅首相は国民から人気があり選挙では毎回当選。
演説の名手で、言葉の力で人を納得させることができる、いわば「メンタリスト」。
そんな彼が首相となり、テロ(軍のクーデター)の犠牲になってしまいました。
2度の「護憲運動(憲政擁護運動)」の中心となり、言論による政党政治を守ろうとした彼が、問答無用の暴力によって命を落としたことはなんとも皮肉なこと
日本史授業脚本「36.自由党員の激化事件」
「板垣死すとも自由は死せず!」という板垣が暴漢に襲われた時のセリフ(実際は新聞記者の創作らしい)。その後、自由だけでなく、板垣も死せず復活し、フランスへ視察旅行へ行っちゃいました。
フランス流の急進派である「自由党」ですから、ボスがいなくなってしまうと暴走してしまいますね。民衆を扇動する形で、地方で激化事件を起こしていきます。わかりやすく言うと「テロ行為」ですね。
その先頭を切ったのが「福島事