根本きこ

沖縄北部、今帰仁村で「波羅蜜(パラミツ)」という飲食店を営んでおります。パラミツとは、…

根本きこ

沖縄北部、今帰仁村で「波羅蜜(パラミツ)」という飲食店を営んでおります。パラミツとは、沖縄の言葉でジャックフルーツを指します。 営業日は金、土、日、月 11:30ー15:30(L.O) https://www.instagram.com/paramitaplate/

最近の記事

「猫よ、あなたはいったいどこから来たの」

休みの日、あまりの晴天っぷり。 なもんで娘たちに「海行こう」ってせかされて玄関を開けると、そこには初見の白猫が。 「わあ、見たことない子だね」「どこから来たのー?」 いち目散に駆け寄る娘たちの無邪気さと好奇心に「待てよ待て待て」と焦るわたしの心中は、多頭飼いの方ならよくわかって頂けると思う。 なのでここはとりあえず海だ。 海に行くのだ。 娘たちと犬を車に押し込み、近場の行きつけの浜に行く。小一時間くらい過ごして充実した気持ち満々で帰路につく。 白猫はまだそこにいた。 まるで

    • 「5月25日土曜日、めくるめく78枚のタロットカード」

      切れ味鮮やかな読みとスペシャルなカードをたずさえ、えりやさん(マコちゃんな!)が波羅蜜の小部屋に。 よき機会、「このことはぜひ聞きたい」という案件ありましたら猛烈におすすめです。 5月25日土曜日 11時半ー15時半まで 以下、えりやさんからご案内。 「大好きな波羅蜜にて、タロットリーディングを致します。ご縁とタイミングが合えば、終日おりますのでお声掛けください」 ※ リーディングご希望の方はカフェメニューのご注文をお願いいたします。 ※ タロットリーディング料金は

      • 「キャッキャしてる」

        「便宜上、『マッサージ』と付けてますけど、あれをマッサージと呼べるかどうかは」 宇宙マッサージのことである。 仕切りのあっこがサクサクと、「○日にプリミさん沖縄入るから、○時から施術スタートでいいかな」という具合に事を進める。 で、あれよあれよ次々と希望者が訪れ、一泊二日で11人が宇宙マッサージを受けることが叶った。 初めての人、2回目、3回目。 みんなそれぞれの感じ方があって、それをシェアする。 自身も整体をしているK子ちゃんは、「最後の、あの松果体のところやられたと

        • 「青葉市子、弾き語りライブ、満員御礼定員数達しました!」

          「わたしの席には、すでに人が座っていて」 2022年、ヨーロッパ&北米ツアーで各国をめぐっているとき、 国境を行き来する人たちでごった返す、長距離列車の指定席。 「でも、2時間くらいでわたしは降りるけど、きっとその人たちは何時間もかけて移動しているんだろうな、と思って」 市子ちゃんは、そっと自分の席を譲った。 そんな当時の話しを、先日、市子ちゃんから伺う機会がありました。 冒頭はとくに印象に残った箇所です。 遠い国の、「ごった返した車内」を想像して、わたしはしばらくぼー

        「猫よ、あなたはいったいどこから来たの」

          「やろうやろうと思ってたことをやり遂げた日」

          昨日は、何年も持ち越して「いつか」という事を、ふたつ、やり切った日だった。 ひとつは、しばらく寝かせていた生地、インドのブロックプリントでパンツを縫った。 チェンナイのanokhiで買ったゆるーいトランクスタイプのパンツが最高で、生地も柔らかくて軽くて羽のようで気に入っている。 それを着倒さないように気をつけていたけど、いよいよ心持たなくなってきて、生地が透けてきた、というかむしろ溶けてきてはいないか。 なもんで、「作らなきゃ」と、思って早数年。 とうとう縫ったった! いち

          「やろうやろうと思ってたことをやり遂げた日」

          「リリスと太陽」

          近所のスリランカカレー屋さんに久しぶりに行った。 店の壁には手食を推奨するイラストのポスターがあちこちに貼ってあり、おかげで心ゆくまで手で食べることを愉しんだ。 マグロのほそい骨を右手の指で取り除き、適量の赤レンズ豆のパリップ、ココナッツのサンボーラを手ぐり寄せ、さらさらのバスマティライスと速やかに混ぜる。追って、くたくたの茄子のモージュと水菜のマッルンをアクセントに。 ああ、手で食べるよろこびよ。指先に残るスパイスの香り。 帰り際、お店のちひろさんが、「わたしときこさんは

          「リリスと太陽」

          「お好み焼き」

          先日のこと。 明石出身の友人のつくったお好み焼きがほんとに美味しかったので、俄然、作り方のコツを聞く。 「コツ?えー、てきとう」とか言いながら、そこにはちゃんとコツがあった。本人はきっとわからない、他人が見て、「お!」と気づくこと。 わたしはこれまで何度もお好み焼きを作ってきた。 しょうじて無精なので、本やネットは見ず、すなわち我流である。 しいて言えば、たまに行くローカルな雰囲気がほどよいお好み焼き屋さんの味をイメージしているのだが、あるときそこのご主人に「どうしてもここ

          「お好み焼き」

          「カレー、ときどき水餃子」

          2021年に出版した本、「カレー、ときどき水餃子」の重版が決まった。 思い返せば発売日間近の頃、たまたまタイムウェーバーのセッションをする機会があり、「なにか叶えたいことはありますか」との質問に、「あわよくば重版!」と言った記憶がある。 あれから3年。 今年のはじめに、「重版するかもしれません」という淡い知らせを版元から受けた際、そのための条件というか、とにかく版を重ねるにあたって、「(わたしに)売る気があるかないか」というような意思確認があった。 タイムウェーバーのと

          「カレー、ときどき水餃子」

          「骨になる現実」

          中風邪(大風邪に対して)をこじらせたまま、10日くらい経過。 途中、ゆるやかに回復しては、また発熱の波を数回繰り返して、いま。 明日はだいじな行事(子どもたちが通う牧場のお祭り)があるので、そのためにふつかを費やして身体を休めた。甲斐あって、「ビールが飲みたいな」と思えるくらいによくなっている。 身体はほんとうに偉い。意識を傾ければちゃんと「その日」に合わせて調整をしてくれる。 風邪の10日間のあいだに寺尾紗穂さんのライブがあった。 その日も朝から動けるくらい身体はつかのま

          「骨になる現実」

          「話す=放す」

          「やっと全部やること終わった」とか、「あー暇だ」とか、とにかくぽっかり時間が空いたとき、わたしは酒を片手に屋上階へ向かう。 逆に忙しいときは、そこへ行ってもささっと用事だけ済ませて挨拶もろくにせずに階段を下る。 このあいだはロゼを1本持って階段を登った。引き戸をガラガラと開けたら、そこはもう実家だ。でかいテレビがあり、ミニミニ仏壇があり、こけしがあり、ミックスナッツが常備されている。 この家の住民、すなわちわたしの両親はいつだって時間だけは有り余っているので、わたしの突然の

          「話す=放す」

          「骨の髄まで曖昧だった」

          なんとなく流れから、その夜は近所のレストランで同席したカルフォルニア在住、日系アメリカ人女性の手相を観ることに。 青白くてほっそりしているその手には、水星線がひと際くっきりと現れていて、でもその先に続く小指はくにゃりと曲がっている。 ということは、「表向きはすごくシャイでコミュニケーション引き気味なんだけど、内面はめちゃめちゃ頑張ってる」 そんなふうに観ることができる。 さながら興味深いのは、「ます掛け」だったこと。線こそ薄いが、知能線と感情線がよくみるとくっついている。 ま

          「骨の髄まで曖昧だった」

          「子どもと働く」

          日曜日、子どもといっしょに店に立つ。 18歳の長男と15歳の長女、ふたりの背丈はとうにわたしを超した。 フロアーで、お客さんと接している様子をチラと垣間みては、「よし」と確かめる。 遡ること開店当初、幾度か長男に「手伝ってみる?」と聞いてみたけど、なんなら彼のためにあたらしいエプロンやシャツも用意したけど、本人は一向に気乗りしないようだった。 ま、無理にやってもらってもお互い良いことはないのです。 「思惑通りはいかないもんだね!」と、わたしも潤ちゃんも早々に諦めた。 その

          「子どもと働く」

          「2024/3/26/寺尾紗穂ライブ@パラミツ」

          昨年末に開催された、寺尾紗穂「ブルーローズコンサート」のアーカイヴ映像を、BGM代わりに繰り返し見ている。 CDとは違い、曲のあいだに紗穂さんのMCが入るので、ファンとしてはなんとも耳福である。 そんな紗穂さんのしゃべりを聞いていた末っ子が、「このひとってさ、いつも泣きそうだねー」と言った。 そういえば確かに、ぽつりぽつりと途切れ気味の独特の話し方は、聞きようによっては、まるで今にも降り出しそうな雨、のよう。 水をたっぷりと含んだ海綿。ラムをふんだんに浸み込ませたサヴァラ

          「2024/3/26/寺尾紗穂ライブ@パラミツ」

          「星目線からの補足」

          17歳だった息子が先月末、首尾よく18歳になった。 18歳て、世間じゃ成人らしい。 まぁ、いくつになろうと彼の気質は生まれたときからなんら変わっておらず、おっとりしていて食いしん坊、思いつきや閃きを試したくてうずうず、それがうまくハマったら寝食忘れて没頭する。 で、それらの性質をホロスコープで当てはめていくと、面白いくらいに合点がいく。 ところで、このひとつまえに投稿した記事に出てくる「俺」とは、息子のことではない。 なんだか濡れ衣を着せちゃったようで申し訳ない気持ちに

          「星目線からの補足」

          「いらだちからの謎からの諦めに至るまで」

          何ヶ月にも渡って注意喚起している案件が再浮上して不愉快この上ないので、営業時間内ではありますが、共栄堂の白を自己判断で粛々と開栓し、あえてワイングラスではなく計量カップで2杯飲んだらちょっと落ち着いた。 で、「ふー」って数回、深く呼吸したらお腹が空いた。 なのでこれまた旨い炊き立ての「ヤーマンライス」(福岡うきは市で寺口くんが作っている米)を小盛りによそい、冷凍庫にしばらく寝かせておいた長崎五島産の塩雲丹の瓶詰めを取り出して、まだカチンコチンに凍っているそれをスプーンでなん

          「いらだちからの謎からの諦めに至るまで」

          「おばんざいと手相」

          あたらしい試みというのは、ほんとに学びがあるものだ。 自分の「今」持っている腕前を試すということは、「やりたい6割」VS「やりたくない(躊躇する)4割」くらいの割合で、少しだけ「やりたい」がまさっているからやる。 わたしの場合は、いつもそんなふう。 宗像堂の「宗像発酵研究所」で催した、「おばんざいとひとくち手相」は、おばんざいだけだったらそれなりにやってきた「料理」のことなので心づもりはあるけど、「手相」となると、なんせ目下勉強中ですし、人様の手をその場でみて何かを言う、

          「おばんざいと手相」