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「キャッキャしてる」

「便宜上、『マッサージ』と付けてますけど、あれをマッサージと呼べるかどうかは」

宇宙マッサージのことである。

仕切りのあっこがサクサクと、「○日にプリミさん沖縄入るから、○時から施術スタートでいいかな」という具合に事を進める。
で、あれよあれよ次々と希望者が訪れ、一泊二日で11人が宇宙マッサージを受けることが叶った。
初めての人、2回目、3回目。
みんなそれぞれの感じ方があって、それをシェアする。

自身も整体をしているK子ちゃんは、「最後の、あの松果体のところやられたときにですね、パアッと!ピンクのピンクの、桜でんぶが散ってびっくりでした」
と感想を話してくれたが、「松果体」と「桜でんぶ」の組み合わせに衝撃を受けて、「やっぱり変だなこの人」とマジマジと見つめ、静かな高揚感を覚えた。

プリミさんの宇宙マッサージの特徴は、まるで駒のように身体がぐるぐる回ること。その旋回の仕方も人それぞれらしく、なかにはまったく回らない人もいれば、回りすぎてひっくり返ってしまう人もいるようだ。
ただ奇妙はことは、プリミさんは「回していない」ということだった。プリミさんが回していないんだったら、いったい誰が???
で、回転することで身体の軸が本来の位置に戻る、という。

わたしは元来、マッサージというものにそれほど必要性や魅力を感じておらず、ていうのは、「触られる」ことになかなかの抵抗感があり、マッサージは自ら「触られ」に向かうことなので、まずまずの能動性がいる。
うちの夫が、さも嬉しそうにマッサージに出掛けるのを見ると、「警戒心のレベルが全然違うなぁ」と感心する。そんなふうに他者に委ねられるって、明るいこと。
わたしはというと、近所のリゾートホテルにて(たまに)、湯船→ドライサウナ→水風呂のリピートで緩めてもらっている。
7匹の猫のゴロゴロで緩めてもらっている。
犬の毛玉取りでほぐされ、味噌汁で、豚汁で、うどん出汁で緩めてもらっている。

とにかく、そんなわたしが宇宙マッサージ2回目である。
正直、初日は「やらんでいいかなー」って、ちょっと思ってた。
でもその夜に、我らのスナックに行き(Barともいう)プリミさんと女子4名でカラオケ深夜2時。

すっかりと打ち解けてしまった様子。

宇宙マッサージは、ほんっとにたのしかった!1回目とはまったく違う。

わたしのぐるぐるも結構な速度で旋回し、そのうち治まったかなーというタイミングで身体が前屈を始めた。前に前にとのめり込んで、マットにおでこがぴたりとくっついて、このままいくとヒカゲヘゴの新芽みたいに丸まっちゃうんじゃないか、と思うほどだった。
で、この動作はまったくの謎である。なぜならわたしの身体の硬さは幼少期からお墨付きだからだ。(試しにさっきひとりで同じことをやってみたら、痛くて痛くてとてもじゃないけどのめり込むなんて無理)

マッサージ最中に見えたのは、ゆらゆらと自在にゆらめく紫の光線、灰白色の靄、フィナーレのゴールドのシュワシュワは、まるで花火大会の最後のしだれ柳10連発!みたいで「夏、終わっちゃったなー」って、浴衣で帰ろう、みたいな。

施術後、あれあれ!とびっくりしたのは、見える景色にまるで指紋のような渦がフィルターみたいにかかってて、植物もカーテンも空も渦巻いていたこと。空間って実は、この膨大な渦で満ち満ちてるのか?
でも、ものの10分程度で見えなくなってしまった。
あっこが、「ゴッホの自画像みたいな感じ?」と言うので、「そうそうあれみたい!」だった。

ゴッホが渦巻いた自画像を描いたとき、彼の精神状態はぎりぎりだったという。自らの耳を切り落としたゴッホは、不安や恐怖という気持ちを「渦」で表したのではないか、と。

そうなのかな?って思う。わたしには、生命のうねりに見えたけどな。
そのうねりに感情というものは宿ってなかった。

えー、なんだかこんなことを書くと怪しさ満載であるけど、そんな不可思議なものほど安心するのはどうしてだろう、って。

大型連休明けのやんばるで、愉快な仲間たちといっしょに、プリミさんを囲んでキャッキャしたよき思い出。
ちなみに、第1回目の宇宙マッサージのことは、こちらに書いてます。そして文中の「キレキレ女子」による敏腕タロットを、今月25日(土曜日)に予定してますので、ご希望の方はぜひとも!
(詳細は近々、パラミツのインスタでお知らせしますね)





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