眠れぬ夜のブックカフェ

一日一度は書店に通う本屋好き。出版社勤務。元漫画編集者。noteでは、読書や創作、書店…

眠れぬ夜のブックカフェ

一日一度は書店に通う本屋好き。出版社勤務。元漫画編集者。noteでは、読書や創作、書店、出版界の話をします。好きな作家は村上春樹、小林秀雄、佐野洋子、色川武大、川上未映子、大江健三郎、開高健、須賀敦子、太宰治、三島由紀夫、サリンジャー。

マガジン

  • 本の命、本の謎、本の運命?

    本にまつわる謎、本の運命、本好きの宿命、本好きの責任などなど。

  • 読むことは受け身ではない!

    「読む」という行為は、受け身な行為ではない。非常にクリエイティブです!というお話を書いていきます。

  • 私はこんな人たちが好き!

    大好きな作家や作品、また好きなフレーズなどをまてめています。

  • 書くことは人生のスパイスです

    書くとはいったい何か?また、noteを書きながら自分が気づいた細やかなことをまとめました。

  • 本屋さんの話をしよう

    本屋さんや本屋大賞の話、書店業界の話について話をしよう。

最近の記事

【作家】昔の作家は、親炙した外国文学から栄養を採っていた。

今日、さっき新聞を観たら 訃報欄で、武田花さんが死去した という記事が出ていた。 戦後作家・武田泰淳と、 エッセイストの武田百合子の 娘さんだ。 武田百合子のエッセイや日記には 武田花ちゃんはたびたび登場する。 子供として登場するから、 ずっと子供のイメージで さっき新聞で、72歳と知り、 またそうした年齢のお写真を見て、 なんだか、困惑してしまった。 ところで、 そんな武田花さんの父親の 武田泰淳は、 中国文学の研究者だった。 戦後日本文学の重鎮だった。 彼の小説

    • 【書く】エッセイは小説よりも難しい?!

      私のこころの貴重な知己を、 三浦しをんも好きだとは知らなくて、 テンションがあがりました。 今日、佐野洋子の 『あれも嫌い これも好き』(朝日文庫)の 新装版を本屋で見つけたからです。 佐野洋子は前から大ファンでした。 その佐野洋子のエッセイの 新装版の巻末に、 新たに三浦しをんが解説を書いていた。 佐野洋子は自虐と毒が程よく ミックスされている。 三浦しをんもまた、  エッセイの名手ではあるけど、 芸風はガラっと違って、 自虐性が強く、毒はあまりないから、 三浦しをんと

      • 【ウツが来た2】ウツ警報が鳴り出したなら?

        ウツがやってきた。  久しぶりに大きな波でやってきた。 先日、危ないと思った私は、  会社で、毎日降り積もるストレスから 逃げることにした。 朝の出勤途中。 もうすぐ新宿だった電車をおり、 私は紀伊國屋書店に向かった。 会社には、休むと連絡を入れた。 連日のストレスのうずまきから、 ちょっと距離を取ることにした。 ストレスがピークだったし、 不眠症にもなっていた。 判断力も忍耐力もなくなっていた。 典型的なウツ症状だ。 だから、私は避難した。 災害時に当てはめると、

        • 【本屋】次世代の本屋といえば、移動式、シェア型、独立系。

          今日の朝日新聞に、 移動型古書店の話が乗っていました。 バンでしょうか、 本をいっぱい乗せた自動車で 様々な町を移動してまわる。 今日の新聞に出ていたのは 古書店『ブルーバードブックス』を 始めた草薙みちるさん。 最近、独立系古書店や シェア型(共同型)古書店などが 話題になりますが、 移動型古書店も、 その存在価値は大きいでしょうね。 でも、いきなり、 ある公園や空き地にいって、 外に本棚を並べて、 お客さんが来てくれるのを待つのは 人見知り人間にとっては、 かなり

        【作家】昔の作家は、親炙した外国文学から栄養を採っていた。

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        • 本の命、本の謎、本の運命?
          133本
        • 読むことは受け身ではない!
          331本
        • 私はこんな人たちが好き!
          153本
        • 書くことは人生のスパイスです
          188本
        • 本屋さんの話をしよう
          39本
        • 読書会はたのしい
          28本

        記事

          【探偵小説、今昔】タフじゃなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない…

          最近、書店で 目が点になりました。 レイモンド・チャンドラーの 探偵マーロウ・シリーズの 『プレイバック』の文庫が また新しいのが出ていたからです。 20世紀に活躍した作家 レイモンド・チャンドラー。 彼はハードボイルド小説を よく書き残しました。 村上春樹も、 チャンドラーの愛読家で、 チャンドラーが書いた人気シリーズ 「探偵フィリップ・マーロウ」 シリーズを全巻、  翻訳し終えました。 ハヤカワ文庫から。   それから、 また、同じハヤカワ文庫では 60数年前に刊行

          【探偵小説、今昔】タフじゃなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない…

          【コメダの夜明】カレーグラタンか?ハンバーグスパか?

          コメダ珈琲の夜タイムには 客泣かせなメニューがあります。 夜だけの限定メニューの話です。 それは、18時以降からしか オーダーさせてもらえないんです。 もうお腹ペコペコで、 なのに、時刻はまだ17時半なら オーダーさせてはくれない。  ああ、あれがいつだって 食べられたなら、どんなに良いか? もう少し開始時刻を早めに してくれないかと日々思いますね。 お店だって、儲かるんだから、 変に限定にし過ぎではないかしら? 次に悩ましいのは、 メニューの良さ、旨さ。 コメダ珈琲

          【コメダの夜明】カレーグラタンか?ハンバーグスパか?

          米映画『グリーンブック』と韓国ドラマ『涙の女王』は最高です!!

          ここ10年近くで、 こんなに良かった映画はない。 タイトルは『グリーンブック』。 天才黒人ピアニストと、 イタリア人のお抱え運転手が アメリカ南部を巡業する物語だ。 作りとしてはコメディ。 テーマは白人と黒人の深い溝。 物語を貫くのは、 黒人ピアニストが南部の街で 弾き聞かせる音楽。 それが差別問題をまろやかにしてる。 黒人の役者も、 イタリア人の役者も芸達者だ。 『グリーンブック』は こんなに面白かったなんて。 ネットフリックスで年末に観て、 今日もまた観ている。

          米映画『グリーンブック』と韓国ドラマ『涙の女王』は最高です!!

          【メンタル】久しぶりに、ウツがやって来た。

          ウツが来た。 久しぶりに、ウツが来た。 ウツは、私の感覚では、 外からやってくるという印象。 朝、コメダ珈琲で 食べながら、涙が出てきた。 誰かに話しかけたくて、 母親に電話したけれど、 イライラがたまり、 電話も、ぶち切ってしまった。 判断力も、 冷静さも、 忍耐力もまるでなくなっている。 それに、おでこはずっと熱がある。 これは、ウツになる初期症状だ。 本も何冊もカバンに入れてたけど、 1冊も読めなかった。 読むチカラも余裕もなかった。 自暴自棄になって、

          【メンタル】久しぶりに、ウツがやって来た。

          優等生作家より、パンク作家の叫びを聞きたい夜もある

          世には、 ワイルドな文学がありますね。 日本なら、無頼派。 太宰治や坂口安吾、織田作之助らを 無類派と呼びました。 何も頼ることなく生きる、 無頼派作家。 最近なら、色川武大や中上健次。 今なら、町田康も、 当てはまりそう。 彼らは余りにシャイ過ぎて、 正しいことや 誠実なことを そのまんま語るなんて、 恥ずかし過ぎてできない。 だから、つい悪ぶってしまう。 そうした人と対照的なのが 優等生作家だ。 大江健三郎や三島由紀夫は 余りに世間しらずだからか、 正義や真実を高ら

          優等生作家より、パンク作家の叫びを聞きたい夜もある

          【本のオビ】理想の帯コピーってなんだろう!?

          今日は、オビについて考えてみたい。 オビのコピーって大事ですよね。 それ次第で、買う買わないが 決まってしまう場合もあるくらい。 さて、理想的なオビコピーって 何だろう? たとえば、これ。 「世界が愛した奇跡の九篇を、 最高の名訳で。 バナナ熱にかかるバナナフィッシュ、 悲しい運命を辿る笑い男、 船の上の天才少年、、、、、 日常の薄氷の上で危うくきらめく、 アメリカ文学永遠の至宝。」 これは、サリンジャーの 『ナイン・ストーリーズ』のオビです。 これは実に丁寧に丁寧に

          【本のオビ】理想の帯コピーってなんだろう!?

          【翻訳】日本女性作家エッセイは海外で評価されるのか?

          もし、仮にですよ、 仮に英語がよく出来て、 自分で何かを翻訳できたなら、 日本の作品で何を海外に 紹介したいですか?? うーむ。 これは悩みますね。 まず、その作品が好きで 愛着があることがいい。 次に、その作品が 海外の人々に好まれる要素が 高い方がいい。 まずは 向田邦子のエッセイが どれくらい海外で 理解を得られるのか?? かなり未知数ですが、 翻訳してみたい気がします。 あるいは、 川上弘美『センセイの鞄』。 この作品の、 ザワザワした不気味さは、 どれくら

          【翻訳】日本女性作家エッセイは海外で評価されるのか?

          【推薦図書】誰でも運命の本がありますよね?私はサリンジャーの…

          運命という言葉を信じますか? 恋愛においては、 学生時代の恋人は私にとり 運命の人だったかもしれない。 その人とのちに結婚した訳でも ないのですが、 あの在日韓国人の女性と 付き合っていなければ、 鷺沢萠や柳美里も知らない 全然違う人生を選んでいたろうと 思うんです。 それならば、 運命の本というものは あるでしょうか? 大学生として東京に上京し、 まだ、本の虫になる前、 もし、運命の本と 出会っていなければ、 私はリア充青年として、 テニスサークルに入って、 恋愛を

          【推薦図書】誰でも運命の本がありますよね?私はサリンジャーの…

          【本のセレクト】連休に味わいたい、心の奥底を覗く本ベスト5

          さあ、今日から ゴールデンウィークです。 でも、旅行に行けない人も たくさんいるでしょう。 私も4月30日も、 5月2日も、仕事です。 せめてこの三連休は しっかりリフレッシュしたいですね。 そこで読書で、 非日常な世界や空気に 浸れないか、 そんな本はないか? また、妄想でブックセレクト してみたいと思います。 〈1〉トルーマン・カポーティ 『ティファニーで朝食を』 よく旅に出かける主人公のホリーは、 いったい何をして稼いでいるのか? そんな世間の詮索もなんのその。

          【本のセレクト】連休に味わいたい、心の奥底を覗く本ベスト5

          【推薦図書】鷺沢萠と柳美里は私の青春でした

          昨日、よく立ち寄る本屋の 「啓文堂」で嬉しい出会いが ありました。 鷺沢萠『さいはての二人』 角川文庫。 「この本は今、絶版ですが、 啓文堂は敬意を表して、 特別に復活させました」という POPがついていた。 ちょっと驚きました。 大手の本屋さん、 たとえば三省堂とか 紀伊國屋書店では、 時々、こうした 書店限定復刻をやりますが、 啓文堂もそんなことを 始めてくれたのか?と 嬉しかった。 鷺沢萠といえば、 80年代90年代に 人気だった作家だ。 そうして鷺沢萠は 在日

          【推薦図書】鷺沢萠と柳美里は私の青春でした

          【あざとさ】読書にも、あざとさってあるのかな?

          「あさどい」という言葉を よく耳にしますね。 恋愛で打算的なしぐさをする女子の ことをいいますね。 あ、あの子はあさどいな、とか。 あさどい男子っていうのは 余りに聞かないかな? いや、いるか? 特にこのnoteで感じるのは、 ビジネス書や自己啓発書を 紹介してる記事を見ると、 この紹介者は 「私はこんなに 真面目でセンスもあるんだ!」 とアピールをしてるように  見えちゃうんです。 うがち過ぎかしら? 本の紹介って、実は、 あざといアピールと 紙一重な面があるんです

          【あざとさ】読書にも、あざとさってあるのかな?

          【新刊本】自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと。

          今日は、ハードカバーの単行本を 1冊買いました。 発売前から楽しみにしてました。 『自分の人生に出会う ために必要ないくつかのこと』 亜紀書房。4月22日発売。 ほとんど文庫しか買わない 人間ですが、今回は 日経新聞に毎週連載されていて、 毎週、感銘を受けていたので、 やはりどうしても ハードカバーの段階でも 手にしたかったんです。 著者は、若松英輔さん。 若松英輔さんといえば、  昭和や平成を生きた 賢者たちの思想や生き様を ずっと書いてきた達人です。 思想家・井

          【新刊本】自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと。