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AKI猪瀬「大谷翔平とベーブ・ルース 2人の偉業とメジャーの変遷」

・本書は、MLB(メジャーリーグベースボール)のジャーナリストとして、J SPORTS、ABEMA等に年間150試合近く解説者として出演するほか、東京中日スポーツで20年以上コラムを執筆するなどスポーツライターとしても活動する著者が、「野球の神様」として知られるベーブ・ルースと、104年ぶりに二桁勝利&二桁本塁打を達成した大谷翔平がこの偉業を成し遂げた理由を往年の名選手と比較し解説すると同時に、最新の野球トレンド、二刀流の未来などについて語った1冊。

大谷翔平(以下、大谷)の2022年
・2022年5月14日、第7号2ラン本塁打を打ったことで、MLB通算100号となる。大谷は通算出場459試合で100号に到達する。これは、松井秀喜の636試合を超える日本人選手史上最速である。
・8月9日には、ベーブ・ルースが記録して以来、史上2人目となるシーズン二桁勝利、二桁本塁打を達成した。またこの日、日本人メジャーリーガー歴代2位となるイチローの117本塁打を超える118本目の本塁打を打った。
・10月5日には、規定打席と規定投球回数をダブルクリアした史上初の選手が誕生するという前代未聞の偉業を成し遂げた。
※2022年の大谷翔平の成績については、本書をお読みください。

1918年のベーブ・ルースについて
・ベーブ・ルース(以下、ルース)は1895年2月6日、メリーランド州ボルチモアで生まれる。
・1918年のルースの成績は、投手として20登板、19先発、13勝7敗、40奪三振、49与四球。打者としては、95試合に出場して打率3割、11本塁打、61打点、58三振ら58四球で、史上初めて同一シーズンで二桁勝利、二桁本塁打を記録した。
・11本塁打は、MLB最多タイとなり、ルースはキャリアで初めて本塁打王のタイトルを獲得。そして、58三振もMLB最多であった。
・また、この時期は第一次世界大戦が勃発していた関係で、アメリカ政府は「働くか、戦うか」のスローガンを掲げ、男性は入隊するか、軍事関連企業で就労する必要があり、ルースも1918年のワールドシリーズ終了後、ペンシルシニア州の製鉄所の役員となった。
(働くことを選んだことで、微兵を免除された)
※ルースの生涯、彼の野球人生、ルースが活躍した頃のアメリカの情勢については、本書をお読みください。

・大谷は打者が求める確実性である「打率」を向上させるために、ボールを身体に近いところまで呼び込んで打つことを意識した。
・シーズンに入ってからも試行錯誤は続き、最終的には2021年の2割5分7厘を上回る2割7分3厘を記録した。
・打率向上への意識は、打球方向にも現れており、2021年は、右方向に引っ張った打球の割合が減り、センター方向の割合は増え、左方向への割合が増え、全方向へ打ち返していた。また、22年の初級を振る確率は、キャリア最高を記録した。

・ベーブ・ルースも、恵まれた体格と生まれ持った才能に加えて、野球に対しての深い愛情と情熱を持っていたが、大谷のように、膨大なデータも高度なトレーニングメニューもない時代で、食べたいものを好きなだけ食べ、寝る間も惜しんで夜遊びを繰り返すなど、体調管理とは正反対の生活を送っていたが、それでも本塁打を量産できた秘訣は、「眼」と「ルースの打撃スタイル」にあったとされる。
※なぜその2つなのかについては、当時のさまざまなテストで解明されているが、詳細は本書をお読みください。

・本書では、「2022年の大谷翔平」「1918年のベーブ・ルース」「「投」「打」の考察と変遷」「シーズン60本塁打、通算700本塁打」「二刀流のこれから」という章で構成されており、大谷翔平の時代とベーブ・ルースの時代における野球の違い(球やバットなど)、大谷翔平、ベーブ・ルースと歴代名選手との比較、アメリカにおける二刀流の考え方の変化など、大谷翔平、ベーブ・ルースの2名の偉業がMLBにどのように影響したかについて語られた内容となっている。

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