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命と生き方

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失って気づく、幸せ

失って気づく、幸せ

健康な時には気がつかなかったのに
病気で寝たきりになった今、
普通に生活できることがどれほど幸せだったのかと気付く。

幸せは本当はすぐ隣にある。
失って初めてあれが幸せだったのだと気付く。
この世には、手に入れる幸せと、失って気づく幸せがある。

『失って気づく幸せ』は、意識しない限り、
まるで空気のように気付かれることなく存在している。

時々そのような『無いように見えてあるようなもの』に目を

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生き方が大きく変わる時って、『生きること』を意識した時ではなく、『死』を意識した時だと思う。

生き方が大きく変わる時って、『生きること』を意識した時ではなく、『死』を意識した時だと思う。

生き方が大きく変わる時って、
『生きること』を意識した時ではなく、
『死』を意識した時だと思う。

永遠と続くと錯覚しがちな人生の中で、
『死(終わり)』を定期的に意識することで、『今』が輝き出す。
そして、生き方を考え直す機会が与えられる。

若ければ若いほど、
健康であれば健康であるほど、
『死』を意識して生きる事は難しい。
だけど、それができた時、『今』が輝きだす。

死ぬまでに自分は何をし

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『生きてて良かった』と思えることをしていない日は、『生きてて良くなかった』と思う。

『生きてて良かった』と思えることをしていない日は、『生きてて良くなかった』と思う。

病気で寝たきりの私にとって、
『生きてて良かった』と思えることをした日は、
『生きててよかった』し、
『生きてて良かった』と思えることをしていない日は、
『生きてて良くなかった』と思う。

『生きててよかった』と思えるかどうかは、
『今日、何をしたか』によって結構変わる。

選べる選択肢は限られているけれど、
自分で選べる部分も0ではなくて、
ほんの少し残されているからその『ほんの少し』を大切にし

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新しい風が吹く時

新しい風が吹く時

病気で寝たきりになってはじめの頃は、
過去を取り戻そうと必死だった。

それが叶わなかったから、
過去を取り戻すのではなくて、
今を創り出す。

…そんな風に少しずつ、
ほんの少しずつ自分から近づいていった。

決して簡単なことではなかったけれど、

過去を取り戻そうと執着していた時に比べると、
ほんの少し穏やかな気持ちで
『今』を過ごせるようになった。

何かを手放すと、
空いたスペースに新しい

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もしもあなたがこれまで通り『普通に生きること』ができなくなったら

もしもあなたがこれまで通り『普通に生きること』ができなくなったら

難病寝たきり、生き地獄すぎて

死にたい!!ロープ、ナイフ握って
『あれもこれもやりたかったのにくそ人生!!!!!』
って泣き叫んだ時の夢、ほぼ叶えてる。

死ぬ気になればなんでもできるという意味
死ぬ直前まで追い込まれてやっと理解したから、

『死ぬ気』が私には必要だった。

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私の場合、事故で難病(脳脊髄液減少症)を発症したことをきっかけに、「これまで通り普通に生き

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私が死んだ日の話 寝たきりのピアニスト

私が死んだ日の話 寝たきりのピアニスト

今日は命日。
健康だった私が死んだ日。
事故で寝たきりの運命を背負った日。

想像もしなかった人生が降りかかり
沢山の涙を流した。

今も受け入れられないけど、
今の自分の心と周りの支えに感謝します。

だから今日は、実際は『お気の毒に』ですが、

新しい作曲家・寝たきりピアニストの自分が生まれた『おめでとう』の日です。

普通に生きれていれば、どれだけ違った運命だったかと思うと、涙が止まらない。

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「雨垂れ石を穿つ」…の「雨垂れ」になりたい。

「雨垂れ石を穿つ」…の「雨垂れ」になりたい。

雨垂れ石を穿つ

…皆様はこのことわざをご存知でしょうか?

意味…小さな力しか持たなくても、絶えず努力を続けていれば、やがて大きなことをやり遂げることができると言う例え。
( 「穿つ」は、穴を開けるという意味。軒先から落ちる雨だれでも、長い間、石の上に落ち続けることで、固い石に穴を開けてしまうと言う事から。)

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寝たきりがピアニストになるまでの話

寝たきりがピアニストになるまでの話

作曲を始めたきっかけは、数年前に事故で脳脊髄液減少症を発症して寝たきりになり、初めはただ音楽を聴いているだけでしたが、次第に自分でも音楽を作りたいと思うようになり、寝たままでも作曲できるDTMアプリを見つけたのがきっかけです。

作曲を進めるうちに、自分の作曲した曲を自分の手で弾きたい!と思うようになりに、今の状態で弾けるように試行錯誤してきました。

闘病のはじめは、「入院や手術治療を頑張って、

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私の命日は、『おめでとう』

私の命日は、『おめでとう』

先日は私の命日に沢山の『おめでとう』のお祝いメッセージをありがとうございました。
本当に心から嬉しかったです。

本当は病気が治って元に戻れることが1番の幸せだったのかもしれない。
今も時たま「もし元気だったら今頃何をしていたのかなぁ?」と思うけれど、

あの頃の健康だった自分はもう死んでしまったし、今を精一杯生きることできっと天国の自分も喜ぶだろう。
それに、健康だからといって幸せとは限らない。

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やりたいことリスト

やりたいことリスト

私は「やりたいことリスト」というものを作っています。これは寝たきりになって数ヶ月後から始めたものです。

具体的には、「これがやりたい!」と思ったものをただひたすら箇条書きにしていくリストです。

寝たきりになった当初のやりたいことリストの箇条書きは、とても現実的なもので、座ってご飯を食べることができる。座って歯を磨くことができる。洗面台で顔を洗うことができる。トイレに行くことができる。

といっ

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明日やろうと思っていたはずの『明日』が来なかった話

明日やろうと思っていたはずの『明日』が来なかった話

私は事故で寝たきりになる前、実にたくさんの「明日できているはずのこと」を置いてきた。
ほんのささいなことから、人生に大きく関わる大切なイベント事まで。
もうこの話になると悔しくて悔しくて。
涙が止まらなくなる。
…そういう気持ちで今この文章書いている。

「もしあの時普通の人生を送れていたら…。」これだけは言えること。
確実に普通の人生の方が幸せだったであろう。
今生きている『人生』の方があの日に

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『今を生きる』という意味①

『今を生きる』という意味①

「今を生きる」と言う言葉に、皆さんはどういったイメージをお持ちでしょうか?

良いイメージの言葉?
強いイメージの言葉?
深いイメージの言葉?

…いろいろなイメージがあると思います。

私は病気になる前は、ここまで深く考えたことがありませんでした。だけど今はわかることがあります。

若い時や健康な時って、「今、生きているんだ」と何かをするたびにその都度実感しながら生きていたことありますか?
いつ

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○○できるようになったら○○しよう…はやめた話

○○できるようになったら○○しよう…はやめた話

○○できるようになったら○○しよう…これを一切取り払うことで、私の置かれる環境が変わりました。
もっと詳しく説明すると、「心が置かれる環境」が変わりました。

「体調や体は全く変わっていなくてむしろ悪い」しかし「心が180度ガラッと変わった」といった感じです。

…まず1番初めに始めたのが、ピアノを弾く事でした。
寝たきりになった当初から、「座れるようになったらピアノを弾こう」とずっと思い続けてず

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両手いっぱいの砂の山が、指の間からさらさらと落ちていく

両手いっぱいの砂の山が、指の間からさらさらと落ちていく

今日のブログは、こんなタイトルから始まります。最近気づいたことがあってブログにしました。

…「病気、怪我」などは、今まで苦労して手に入れてきた両手いっぱいの砂の山が、指の間からさらさらと崩れ落ちて去ってしまうようなものです。
一見この言葉だけ聞くと、「両手にはもう何も残っていない」…と絶望するようなものですが、私は最近気づきました。

…両手いっぱいの砂の山が、指の間からさらさらと崩れ落ちて消え

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