三浦半島にはおいしいものが多い。三崎でとれる魚介類はもちろん、大根、スイカ、キャベツなどの農産物も美味い。その他に新しい味も生まれている。なのに私はこんな直売所に脇目もふらず、業務スーパーへと直行する。そして中国産を買うのだった。三浦半島で売ってるわけだし、と苦しい言い訳をして。
横須賀は明るい観光地を目指しているようだが、ちょっと違うと思う。「流れ者たちの最終地」「あだ花が咲き誇る終着駅」「歴史に翻弄された街」「日本の路地裏、世界の踊り場」「本気で殴りあった者たちの和解の場」など、もっと心に引っ掛かる売り方でもよいと思う。実際にそんな場所なのだから。
一般的にはデンジャラスな路地であろう。争いがあった形跡もあるし、どこからかの視線も感じる。実際に私の各種センサーの針も激しく振れる。けれど困ったことに、一番振れている計器が「ワクワクセンサー」だったりする。「トラブルが向こうからやってくる」は私の口癖だが、そうも言い切れない。