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はじめまして、a.s.k です。水彩画を描いています。自分で撮った写真を基に気持ちをフ…

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はじめまして、a.s.k です。水彩画を描いています。自分で撮った写真を基に気持ちをフィルターにして、 なるべく遠くを意識して描くようにしています。 描き溜めた絵をタイトルのようにして、文章を添える作業もしています。 見ていただいて、何かを感じてもらえたら嬉しいです。

最近の記事

水彩で綴る 「船窓より」

「船窓より」 新潟港からジェットフォイルに乗って、佐渡へ。 年に一度真夏に、でも今年は初めて春になりました。 島の影が遠くに見え始めるころ、晴れたおかげで水平線あたりが 白く光って、舳先の波も穏やかに、近くほど濃い青がうねる。 何とかこの瞬間を捉えたくて、 厚いガラスの窓ごしに懸命にレンズを向けて。 そんな一枚から、この絵を描きました。 写真よりももっと、海の深さに緊張するように。 空と海との間に島の影が見える安堵の気持ちが、 ほんの少し滲んでくるような。 春の佐渡は、新

    • 水彩で綴る 「コラージュから水彩へ」

      「コラージュから水彩へ」 いつかは絵を描くと、なんとなく思っていましたが、 今になってみると何故か後回しにしていたような気がしています。 それまでは、雑誌や広告などを切り抜いてコラージュをしていました。 かなり作り溜めていましたが、テーマは主に「窓辺からの眺め」でした。 こんな高台の窓辺から眺めたら、海岸はこんな風だろう、とか。 かすかに海の香りがする風にカーテンが揺れて、 気付かぬうちに時間が過ぎている、といった風な。 もう一つのテーマは「夏の庭」。 強めの風が庭の草木を

      • 水彩で綴る 「音 満ちる」

        昨年、ずっと支えになっていた音楽を創っていた人がいなくなって、 不在の世界で暮らしていくことの悲しみが、ちくちくと皮膚を刺し、 胸の奥からきゅうっと押し潰される。 今の私にとっての「音の風景」を表したら、こんな風になりました。 ーーーーーーーーーーーーーー 「音 満ちる」 椅子に腰掛け、テーブルに肘をついて、一度ふうーっと息を吐き、 また立ち上がり、冷蔵庫からアイスコーヒーを出してグラスに注ぐ。 今朝は音が要る。 鳥や風の気配も無いし、灰色の雲と淡い陽の光にうってつけの音

        • 水彩で綴る 「 chosuichi 」 

          「 chosuichi 」 都会の中に、沼なんてないと思っていた。 散歩の途中に見る貯水池は、池というよりどこか沼の気配で 薄暗い木立の中にひっそりと在る。 淀んで深さもわからない。 薄曇りの平たい光を、金属のような鈍い色で受け止める。 或る晴れた朝、深い緑色の水面が蒼い空と木立の姿を映し出すのを見た。 頭上の空とは別のスクリーンが、哀し気なトーンで横たわる。 底へ底へと誘われるような濃い蒼色と 晴れた朝の光る水色が溶けて出来た色。 沼でなければ何と呼ぼう。 ーーーーー

        水彩で綴る 「船窓より」

          水彩で綴る

          はじめまして、a.s.k(あすく)です。 コロナ禍に始めたコラージュを続けていくうちに、絵の具を使ったら もっとのびのびと世界が広がるような気がしてきて。 家にある水彩絵の具を引っぱり出して、とりあえず気持ちのままに 描いてみました。 二枚三枚進めると、自然に自分のスタイルのようなものが立ち上がり、 水彩絵の具だけれど、油絵のような、時には墨絵のような、 アクリルのような、使い方次第で広がっていく風景に、心が躍りました。 サイズはA4か、八つ切のみ。 本の挿し絵のような気持ち

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