窓から入る陽の光の色が変わる 夕刻を迎えているのだろう 今日1日何をしたか あまり覚えていない 白い煙が部屋に充満している 灰皿に積み重ねられた吸い殻はいつもより多かった 何も知らせない近代において欠かせないツールは今日も鳴る事はない また夢の中へ戻る事にする 目が覚めない日まで
夕刻。仕事を終え、営業車を転がせて、帰社する途中、小さな公園を見つけた。児童公園と言ったところだ。夕焼け空が初秋を彩る。散歩途中のワン公が、木立の根本めがけて片足をあげた。その木の枝先に、一輪の花が満開だ。目をこすり何度見直しても、桜なのだ。秋を越え冬を飛び越し、偽春を見つけた。