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新卒で正社員として就職するのは辞めた、わたしの選択

市原で自分のやりたいことを追求する“カッコいい大人”たちのはたらきかたと生き様を赤裸々に語ってもらうキャリアインタビュー第二弾。

前編では、Co-Satenスタッフの小沼ゆいちゃん(こぬま・ゆい、以下、ゆいちゃん)が、嫌だった自分を変えるために奮闘したことや、スーツを着て就活をすることがどうしてもできなかくてモヤモヤしていたなか、どうやって道を切り拓いてきたのかなどを聞いていきました。

今回はそんなゆいちゃんが、なぜ正社員として就職するのを辞めるという決断に至ったのか。また、そうやって自分の悩みや考えに寄り添ってきたからこそ始まったゆいちゃんの挑戦についての話をお届けします。

Co-Satenと出会って、
熱い想いをもった大人が市原にいることを知った


ー小川さんと出会ったのは、まちづくりのイベントだと聞きました。

そうです、そうです。

インターンで関わった「なら国際映画祭」は、まちの人が地元を盛り上げようと活動していた一環として、開催されていたんです。そのときに、自分のまちのこととか考えたことないし、そういうのすごくいいなと初めて思って。

だから、インターンを終えて千葉に戻ってきたタイミングで、facebookで市原を検索してみたんです。そこに、まちづくり説明会を姉崎でやるお知らせが出ていたので、参加しました。

こみーさん(元Co-Satenスタッフ)と小川さんと出会ったのは、そのまちづくり説明会がきっかけです。 今思うと、小川さんが話してきてって言ったんだろうなと思いますが、その説明会でこみーさんが話しかけてきてくれたんです(笑)

ー言ってました。こんな場に一人で来ているのは絶対面白い子だから、これは声をかけないとって思って、こみーさんをけしかけたって(笑)
ははは(笑)

その説明会がきっかけで、Co-Satenの1周年記念イベントに参加させてもらって、初めて市原で活動してる人たちに会ったんです。そのとき、わたしは22歳くらいだったんですけど、若い人たちがこんなに市原にいたんだと驚きました。Co-Satenも、「市原にこんなおしゃれなところあったんだ」って思ったし(笑)

Co-Satenができた頃の写真

熱い想いをもった大人がいっぱいいて、市役所の人はめっちゃいい人しかいないし、市原に勝手に希望を感じて、初めて市原に住んでると実感しました。

そのとき、小川さんが仕事をつくるから一緒にやらないかと言ってくれたので、東京で就職するのはやめようと決めました。 そこから1年半くらい、ずっと一緒に働かせてもらってます。

ーなるほど〜!ちなみに、今のゆいちゃんの収入的には、Co-Satenと、あと他にいくつかあるんですか?
去年くらいから、たまにデザインの仕事をしています。元々インターンをしてた会社の人たちが新しく始めた事業のお手伝いを少しさせてもらっていて。

だから去年は、自分でお金を生み出す経験を積めたと思います。工期やクオリティを相談しながら見積もりを出したり、そういうのを全部自分で考えてやるのは大きな学びでした。

なので、自分が今つくっている女の子の居場所づくりの活動に、その経験を生かしていけたらいいなと思ってます。まだそこはお金を生み出せてないので、全然未熟ですけど。

居場所を見失った女の子たちが、
道を拓く術をみつけられる仕組みをつくりたい

ーそうそう、ゆいちゃんの居場所づくりの活動のことも聞きたかったです!
都賀で、女の子の居場所「PEARCH HOUSE」の立ち上げに取り組んでいます。私のように、家族のことで悩んだりして、居場所がないと感じる女の子たちが、安心して居られて、見失った自分の価値や生きることの楽しさをゆっくりと見つけることができるきっかけをつくれればいいなと思って。

拠点の内装も、自分たちでDIYしながらつくっています。

居場所をつくることで、悩んでいる女の子たちを守りたいというわけじゃないんです。周りが守ったところで、結局本人が変わらなかったら全然意味がない。根本的に、その子自身に自分で変わってほしいという想いがあります。

ただ、自分を変えるのも大変なのに、周りが他人にできることって限られるじゃないですか。そんな中で、なるべく効果的な働きかけってなんだろうと考えたときに、自分が家族のことでしんどかったとき、学生団体の活動に熱中していたことを思い出したんです。

FUMIDASUというカンボジアで運動会を開催する学生団体の活動に、
一番力を入れていたんだそう。

だから、私にとっての学生団体のような居場所と、熱中できることと、仲間に出会える環境をそろえれば、悩んでいる女の子たちが、自分で道を拓いていくきっかけをつくれるんじゃないかと思ったんです。

今はまだ平屋を改装中の段階なので、全部ボランティアというか、自分の貯金を切り崩して活動しています。だから、クラウドファンディングで資金を集めながら活動をかたちにしつつ、女の子たちがお金を生み出せるような仕組みをつくりたいと思ってます。

地道な声掛けや丁寧なリターンの設計を行い、クラウドファンディングの目標金額を無事達成!

ーそもそもそういう活動をしてる団体があるんですか?
やっぱり居場所となると、福祉や社会的に“支援してあげる”場所になっちゃうんです。

「集まって何しててもいいよ」という場所はあるんですが、ただそういうところは、親の虐待や離婚で疲れてる子どもたちの“安心できる場所”なんです。

わたしは、安心できるのも大事だけど、居場所に来た子たちを一時的に守りたいわけじゃない。その先「自分たちで生きていけるための力」を見つけられる場所をつくらないと意味がないと思ってる。本人が変わらないと意味がないと考えているので、わたしがつくりたい居場所は、今いろんなところにある居場所とはちょっと違うんです。

ーじゃあ、今つくってる居場所は、ゆいちゃんがゼロからつくってるんですか?
そうですね。だから真似できるものがない。今のところは、完全に自分の考えでやってます。

私の貯金以外は資金もないので、クラファンで資金を集めながら、自分たちでお金を生み出すポイントをいろいろな人に相談させてもらって、事業の仕組みをこれから考えていきたいと思っています。

文・写真: Mizuno Atsumi

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