水瀬 文祐

小説の創作をしています。 創作ジャンルは特に問わず。ただしエンタメ寄り。職人のように小…

水瀬 文祐

小説の創作をしています。 創作ジャンルは特に問わず。ただしエンタメ寄り。職人のように小説を書いていきたいと考えています。 好きな作家は恒川光太郎、連城三紀彦、ポール・オースター等。

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写真小説家~歌姫の断片~

■あらすじ写真を撮るように、目の前の景色や出来事を書き記す「写真小説家」。それを生業とする私は、依頼人から依頼を受けて、様々な出来事を書き記そうとする。不思議な魅力を兼ね備えた歌手のライブ。最後の舞台に挑もうとするヒーロー。そして、その写真小説家自身。 写真小説を通じて浮き彫りになってくる、「私」の抱えた問題。出会った人々に触れて、「私」の問題への意識は変わっていき、それと向き合おうと決心することになる。 ■本編 聴衆は各々座を占め、思い思いに談笑していた。  ホールは劇場

    • 乙女と間の抜けた男、それから石板(読書記録16)

      ■男は叡智の図書館に、私は病院に今回読書記録を残しますのは、多崎礼著:「叡智の図書館と十の謎」、です。 ちなみに本日5月12日より私は病院に入院することと相成りました。 旅人は叡智の図書館を目指して謎を解きますが、私は身体の中の謎を解くべく入院するわけです。 なので、パソコンが使えないため、数日間は更新は簡易なものになると思います。 小説なんかも書ければいいのですが、点滴が始まると腕をあまり動かしてると怒られそうです。 ■ファンタジーからSFまで「叡智の図書館と十の謎

      • イステリトアの空(第5話)

        ■これまでのお話はこちら 殺すのも、殺されるのも怖い。だが、と春洋は弟がかつてしていた話を思い出す。弟の秋継は不思議な夢ともつかない白昼夢のようなものを垣間見ることがあった。  それは、ここではない、どこか遠くの世界の話。  その世界の街では、西洋風の建築物と日本風の建築物が混在しており、中にはそのどちらにも属さないであろう奇抜な建物もあるという。街は発展する一方で街の周囲は広大な原野だったり森林だったり、山岳に囲まれていて、そうした未開発の地域には魔物と呼ばれる凶暴な動物が

        • 白露に映るものは

           顧問の黒田しづねが文芸部の部室を覗き込むと、鷺橋美織だけがいて、彼女は机や椅子を雑巾で拭いていた。 「なんだ、鷺橋さん、一人なの」  ああ、黒田先生。と美織は額の汗を腕で拭うと、「そうなんです。でも、部長もすぐ来ると思います」と笑いかけた。  黒田はこの高校の卒業生で、ベテランの多い教師陣の中では三十代前半と比較的若いことと、愛嬌のある顔立ちで、馴染みやすい気さくな性格から「しづちゃん」と呼ばれて生徒から愛されていた。来月結婚する予定とあって、名字が黒田から変わってしまうこ

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        記事

          イステリトアの空(第4話)

          ■これまでのお話はこちら■本編 その夜も犠牲者が出た。殺されたのは道場主で小学校の教師である山吹と、一緒に巡回していた二人の門下生だった。  山吹はさすが兵法家であったと見え、正面から斬り結んだ跡が見受けられた。門下生二人は背中をばっさりと斬られているところから、逃げようとして斬られたのだと窺える。  人気のない村外れだった。一本砂利道が東西に走っているだけで、周囲は雑草が繁茂している。少し道を外れれば広い雑木林が広がっていた。けして見通しが悪いわけではないが、夜の闇に紛れて

          イステリトアの空(第4話)

          四姉妹の話~赤(ルージュ)~

           その家を選んだのはほんの偶然だった。  私はけちな空き巣だ。かといって、元々盗みで生計をたてていたわけではない。以前は画家をしていて、描けばそれなりの額で絵が売れる、界隈では名の知れた画家だった。だが、あの戦争がすべてを打ち壊した。  絵筆に使われている金具さえ金属だと接収され、絵の具の価格は青天井に高騰し、一枚の絵を仕上げるのに屋敷が建つくらいの金額が必要になった。にも関わらず、戦争には不要なもの、として絵はまったく売れなくなった。私程度の画家では絵で生計を維持していくの

          四姉妹の話~赤(ルージュ)~

          イステリトアの空(第3話)

          ■これまでのお話はこちら■本編 春洋には三つ年の離れた弟がいた。にいちゃん、にいちゃんとにこにこしながら彼の後を常について歩くような愛嬌のある子だったが、どれだけ学んでも文字を読んだり書いたりすることができず、学校の勉強には落ちこぼれていたことから、級友には馬鹿にされ、上級生からはいじめられて悪事の片棒を担がされて、結局その罪を全部押し付けられて馬鹿を見る、というような弟だった。 「勉強はまったくできませんでしたが、馬鹿だとは小生には思えなかったのです。弟はどこか、我々が見て

          イステリトアの空(第3話)

          イステリトアの空(第2話)

          ■これまでの話はこちらのマガジンから■本編 儂らの任務、それは胸糞悪い任務だった。進軍路の途上にある村を襲い、老人から女子供に至るまで、すべての住人を皆殺しにする、それが任務だった。胸糞悪いが、情けをかければこちらの命が危なかった。住人の中には武装したゲリラのような集団が紛れていることもあってな。情けをかけた途端ズドンと頭を撃ち抜かれることもある。見た目には区別がつかんからな。殲滅するしかなかった。精鋭で名高かった小隊の隊長が、一人の少年に情けをかけたために撃ち殺された話は仲

          イステリトアの空(第2話)

          体調が回復してきましたので、明日より更新を再開したいと思います。 コメントでたくさんの方からお気遣いいただきまして、ありがとうございました。個別にお礼申し上げたいところですが、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。 明日は長編の2話目を更新します。

          体調が回復してきましたので、明日より更新を再開したいと思います。 コメントでたくさんの方からお気遣いいただきまして、ありがとうございました。個別にお礼申し上げたいところですが、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。 明日は長編の2話目を更新します。

          今日は体調不良のため、更新はお休みします。みなさんの記事も体調が回復し次第拝見しに回ります。申し訳ありません。

          今日は体調不良のため、更新はお休みします。みなさんの記事も体調が回復し次第拝見しに回ります。申し訳ありません。

          イステリトアの空(第1話)

          ■まえがきこちらは長編小説の連載になります。 短編が書けなかったときなど、折を見て投稿していきたいと思いますので、よろしければお付き合いください。原稿用紙で400枚の分量です。 一応創作大賞に出そうかと思っているので、それまでには完結する予定です。 それでは、お楽しみください。 ■本編第一章:目狩りと少年  見晴るかす。僕の好きな言葉だ。響きが柔らかいのに、どこか芯は固く通っているような気がする。  名前は嫌いだ。冬悟。トーゴ。反対から読んでゴート。ゴートゴト。ゴトゴト。

          イステリトアの空(第1話)

          カメリア~紅蓮~

          ■前回までのお話はこちら■本編「椿、着替え終わったか」  ノックもせずに扉が開けられ、その向こうには着物姿で腕組みをした父が立っていた。椿はその無作法を咎め立てする元気もなく、ベッドに腰かけたまま、「まだだけど」と仏頂面で答えた。ベッドの上には過剰なまでにフリルのついたどぎついピンクのドレスワンピースが広げられていた。  父はため息を吐くと、「先方がお待ちだ。急ぎなさい」と言ってドアを閉めようとした。 「今のお父さんを見たら、お母さんは何て言うかな」  矢島家から贈って寄越し

          カメリア~紅蓮~

          うつつゆめの書庫~4月の記録~

          ■4月の月間ダッシュボード 4月は公式マガジンへの登録が1本と振るわなかったため、数字が伸び悩みました。公式マガジン登録による増分を除けば20000弱と、地力の底上げ自体はされているようです。 ■4月の各種数字についてフォロワー数 680名→1007名(327名増) 公式マガジン登録数 1本(カメリア~蒼穹~) その他マガジン登録数 7本 短編小説執筆数 20本 ■4月のコングラボード 4月はちょっと少なめでした。小説ばかりだとボードも限られるようです。3月はお題に

          うつつゆめの書庫~4月の記録~

          写真小説家~小説家の追憶~

          ■前回までのお話はこちら■本編 そのホールは古びていた。あちこちの壁に雨だれが見られたし、床のカーペットはすり減って薄くなっていた。扉の金具には錆が目立ったし、照明もどことなく薄暗い。だが、そんな雰囲気を含めて、私はそこに懐かしさを感じずにはいられなかった。  私が子どもの頃過ごした街にも、こんなホールがあって、そこでは旬の過ぎた映画を流したり、幼稚園児の頃にはそこで歌の発表会なども行った。ある年齢までは生活の隣に携わっていたようなホールだったが、中学生くらいになると、映画を

          写真小説家~小説家の追憶~

          写真小説家~英雄の肖像~

          ■前回のお話はこちら■本編 牧場の中は寂れていた。日曜日の、しかもこんなにも天気のいい昼間だというのに、家族連れの客がちらほら見えるだけで、閑散としていた。  遊園地のような乗り物やバッティングセンター、乗馬体験など、かつての賑わいの残影を想起させるものが、そこかしこに残ってはいた。色あせた看板、閉店して物置になっているレストラン、打ち捨てられたゴーカート。  私は売店で牧場のウリのソフトクリームを買うと、ベンチに腰掛けてまばらな人並を眺めながらそれを舐めた。濃厚でありながら

          写真小説家~英雄の肖像~

          聖者の揺り籠(後編)

          ■前編はこちらから■後編 母が死んだとき、世界はまだ混沌に包まれてはいなかった。  葬儀は大人が取り仕切っていたから、グレンはほとんど覚えていない。覚えているのは、ただ泣きじゃくって母の棺にとりついていたことと、もしかしたら父が来てくれるかもしれないという期待だけだった。  グレンが物心ついたとき、既に父は家にいなかった。母からは父は偉い身分なので忙しいのだとずっと聞かされていた。でも、どれだけ忙しかろうとも、母の葬儀に顔を出さないはずはない、とグレンは信じていて、それを周り

          聖者の揺り籠(後編)