マガジンのカバー画像

愚読録~読書感想文~

18
私が読んだ本の感想をまとめたマガジンです。 読書ペースで更新頻度は変わります。月5本くらい更新できればとは思います。 本選びに迷っている方、本を読んでどう感じているのか知りたい、… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

あなたが思い出す言葉は、何に書かれていた?(読書記録17)

■はじめにサムネイル画像は「針がとぶ」でAI生成したものです。作品の内容とは関りありませ…

水瀬 文祐
8時間前
74

乙女と間の抜けた男、それから石板(読書記録16)

■男は叡智の図書館に、私は病院に今回読書記録を残しますのは、多崎礼著:「叡智の図書館と…

水瀬 文祐
11日前
132

青いリボンが結ぶ白昼夢(読書記録15)

■人形と私今回の読書記録は「人形たちの白昼夢」(著:千早茜)ということで、人形をテーマ…

水瀬 文祐
1か月前
117

小説家はアンドロイドの夢を見るか?(読書記録14)

■牧場で見て来た羊は電気羊じゃないか今回の読書記録は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか…

水瀬 文祐
1か月前
177

「飛ぶ男」がどこへ行くのか、誰も知らない。知ることができない(読書記録13)

■未完の絶筆初めに触れなければならないのは、見出しの通りだということです。 完結していな…

水瀬 文祐
2か月前
112

ケイデンス上げて行こうぜ!(読書記録12)

■前置き怒涛のように短編小説をアップしていたので、読書の時間があまりとれませんでした。 …

水瀬 文祐
2か月前
86

夫あるいは妻という異類(読書記録11)

■前置き配偶者というのは、一番身近なようでいて、一番遠くにいて、一番理解しているようで、一番理解していない。そんな存在ではないでしょうか。 そんなことない。私たちはお互いのことをこれ以上ないくらい理解をしているっ! というお二人は、どうぞそのまま、お健やかに。幸せなことです。 通常配偶者との間に壁などないのでしょうが、ふとした瞬間に、見えない壁が現れることがあるんじゃないかと思います。それは壁、というよりはフィルターのようなものかもしれません。向こう側に見える姿を歪ませ

私の思考が還る場所(読書記録10)

■はじめに今回は吉田篤弘著、「京都で考えた」の読書記録です。 こちらは小説ではなくてエッ…

水瀬 文祐
3か月前
93

推しが燃えた。私も燃えたい(読書記録9)

■前置きタイトルはけっしてネット上で炎上したいという意味ではなく。それくらいの影響力を…

水瀬 文祐
3か月前
100

勤労感謝の日に、大きなサンマが沖で待つ(読書記録8)

■タイトルは収録作の特徴を「沖で待つ」(著:絲山秋子)は短編集になっておりまして、「勤…

水瀬 文祐
3か月前
88

成瀬という衝撃(読書記録7)

■読むに至ったキッカケタイトルと表紙で、まず手を出さないな、という作品ですかね。タイト…

水瀬 文祐
3か月前
87

日本人にバベルの塔は築けるか(読書記録6)

■AIの文章の是非是非、と書きましたけれども、是非を論ずるつもりは私にはなく。 きっと偉い…

水瀬 文祐
3か月前
81

私は孤独だ。そう嘆くことができる人は、孤独なんかじゃない(読書記録5)

■沖縄には何があるのかそう言われても困ってしまいますよね。観光名所を挙げればきりがない…

水瀬 文祐
3か月前
17

ワレワレハ、ポハピピンポボピア星人デアル(読書記録4)

※印象に残った言葉の記載がもれておりましたので、1月19日に追記しました。 ■はじめに久しぶりに破壊力のある作品を読んだな、という感じです。 頭の中にある既成概念を思い切り振りかぶったハンマーで叩き壊すような小説でした。 けれど、こういう破壊力抜群な小説、嫌いじゃありません。 何かを壊そうというには、物凄いエネルギーを使います。壊すより長いものに巻かれる方が圧倒的に楽なわけですから。 ジェイムズ・ジョイスも強いられた言語である英語を破壊しようとして、ユリシーズやフィネ