薄暗い下町のゲームセンターで、小学生が2万円を使い果たした話④
ばーばの家に行くたびに、渡される小遣いが増えていった。大人になってからもよく小遣いをもらっていたが、病気が分かってからのばーばがくれる額は、右肩上がりだった。彼女は、自分があとどれくらい生きるかを悟っていた。自分が蓄えた金を、孫に沢山渡しておこうと思ったのだろう。「取っておいてもしょうがないからね。なんかに使いなさい。」といつも言っていた。
ある日、団地に行ったら、顔を見るなり、はいこれ、と3万円を私に手渡した。この間2万もらったばかりだったが、ありがとう、と素直に受け取っ