見出し画像

潜る、潜る、潜りたい。

本を読んでいると、時折「あ、潜っている」という感覚になるときがある。

文章を目で追っているうちに、頭の中にありありと映像が浮かび上がる。自分のイメージで創り上げられた登場人物たちがうろうろと歩き始める。周りの雑踏がずいぶん遠くで聞こえてくる。

浅瀬に足を入れて鼻歌を歌いながら歩いていたら、突然「どぼん」と落ちていくような感覚。けどそれは全然怖いことじゃない。ちょっとびっくりしちゃうけど、むしろ、熱くも寒くもない水に包まれて、気分が良い。

「どぼん」は、場所を選ばない。自分の部屋でも、リビングでも、電車の中でも、喫茶店のテーブル席に座っているときでも、起こりうる。「どぼん」はなかなか起こらない。どちらかと言えば、物語を読んでいるときに多い気がする。

久しぶりに、潜れる本に出会えた。電車の時間が差し迫る中、慌てて家を出る直前に、たまりにたまった積読の中からひったくるように手にした文庫本だった。立ち寄った喫茶店、壁に沿った位置にあるテーブル席で読んだ。気づくと壁に寄りかかって読んでいた。ハッとして注文したコーヒーを口につけると、ずいぶんと冷めている。その時になって自分が潜っていたことに気づいた。

こういうコンテンツを作ってみたいなあ、と思う。それって思わず飛び跳ねたくなるくらい、しあわせなことなんじゃないかな。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます! サポートしていただいたら、大好きな漫画やコーチング関連の書籍等に使わせていただき、noteや日々の活動に還元できたらと思います。