【企業分析】リブワーク
●概要
Lib Workは日本で初めて、ネットで家を売り出した会社です。
WEBマーケティングをコアとして、住宅テック事業を行っています。
Libは「暮らし」、Workはネットワークの「ワーク」を意味し、Lib Workは「暮らしのネットワークを目指す」という意味でつけられた社名です。
革新的な思考と行動ができる瀬口力氏が社長で、スザンヌとのコラボや、ロボットが案内する無人のモデルハウス、VR住宅見学、Youtubeチャンネル開設など、インパクトのある施策を打ち出しています。
社員の5割程度が20代、4割が30代~40代と非常に若い社員が多い会社で、今後の時代に柔軟に適応できる人材が集まっていると言えるのかもしれません。
社長は、「100年企業を目指す」と話しており、ビジョンとして「100人の社長を育てたい」とおっしゃっています。
非常に大きなスケールのお話ですが、このようなビジョンを示すのが、社長の仕事ではないかと思います。スケールの大きさが、社長の器の大きさと言えるのかもしれません。
設立は1997年8月で、2019年7月に東証マザーズに上場されました。上場からまだ1年ほどで、時価総額は現在242億円。
平成17年の売り上げは10億円だったのに対し、15年後の令和2年には60億円になっており、高成長している企業です。
現在のリブワークの事業内容は、戸建て住宅事業の単一セグメントで、事業ブランドは以下の4つに分けられます。
①Lib Work事業
②sketch事業
③アイフォート事業
④無印良品の家
一つずつ解説していきます。
●事業内容
①Lib Work事業
WEBポータルサイトから集客することで集客単価を抑え、低価格で高付加価値の家を提供しています。
コンセプト別の企画・開発を行っており、同じ間取り・外観であれば、どの商品を選んでも同じ価格で購入できる「ワンプライス」での提供を行っています。
BLANCO、ZEN、GLASSA、PALETTE、COQUETTE、SUMICAなどの商品ブランドがあります。
②sketch事業
sketchは、ショッピングモール向けの事業ブランドです。
インショップ型という、ショッピングモールの中に、モデルハウスを用意することで、服を選ぶように家を選べます。
メインターゲットを女性に定め、トレンドを意識したデザイン性の高い住宅を、低価格(約1000~1500万円)で提供しています。
③iFort事業
「マンションのような一戸建て」を販売する事業ブランドです。
現代的で洗練されており、見ただけで住みたくなるようなデザインですね。
④無印良品の家
無印良品の家は、木、窓、縦、陽の4つのコンセプトがあります。
出典:無印良品
リブワークは、㈱MUJIHOUSEと契約し、熊本県における
「無印良品の家」の独占営業権を取得しています。
●業績推移
出典:株探
今期は、コロナの影響で、売上はマイナスでしたが、来期連結決算の売上高の予想は、57%増となっています。
2016年に売上がマイナスになっているのは、熊本地震の影響です。
●中期経営計画
Lib Workは、NEXT STAGE 2023という中期経営計画を発表しています。
①戸建て事業へ集中し、戸建てプラットフォーマ―を目指す
②全国展開を加速させ、売上2.5倍、営利8倍を目指す
③住宅版SPAという、住宅を自社で製造して、自社で販売する事業モデルにより、戸建ての粗利率を35%にする計画
④全国の工務店を支援するサービスを提供する、サブスクリプション型の新規事業を行う
以上4つの要素のどれをとっても、非常に力強い計画といえます。
①戸建てプラットフォーマ―
戸建て関連のWEBサイトを拡充させることにより、全国展開を行うとのこと。
土地探しサイト、デザインサイト、平屋サイト、施工事例サイト、建築家マッチングサイトなどのWEBサイトから集客し、年率50%集客数を増加させるとの見通し。
また、2020年1月頃からYoutubeチャンネルも解説されており、チャンネル登録者数目標を10万人としているようです。
②全国展開
店舗数を12店舗から25店舗の2倍以上にし、Sketchというショッピングモールの中で展示住宅を見ることができるブランド事業の店舗数を3から5店舗に増やしていく計画です。
③住宅版SPA(住宅の自社製造・自社販売)
自社の独自工法で製造し、自社で販売することで、粗利率を7%引き上げて35%を目指すとのこと。
④サブスクリプション事業
AIを活用し、全国の工務店を支援する継続課金型の事業を創設する予定です。
●リブワークのビジョン・ミッション
「インターネットで住宅販売を変える」
これがリブワークのビジョンです。
また、
「世界の人々、一人一人に価値ある暮らしを提供する」
というのがミッションです。
そして、これからは、単なる家を売る会社ではなく、「生活創造企業」を目指していくようです。
●強み、弱み(個人的見解)
リブワークの強みとして私が感じるのは、社長が革新的なビジョン・商品・施策を打ち出す能力を持っており、若い人材が集まっているため、これからのAI時代に柔軟に適応し、売り上げを伸ばし続けられるように思える点です。
弱みとしては、コロナウイルスや地震などの外部の出来事によって、営業活動が制限され、減収になるリスクがある点だと考えています。
実際、2016年の熊本地震の年や、今年のコロナ不安では減収しています。
しかし、熊本地震の翌年には売上は回復していますし、今回のコロナ禍でも、来期は増収予想となっています。
また、VRやロボットを用いた住宅展示会などの最先端の技術を用いた施策によって、コロナ禍での営業も効果的に行えるかもしれません。
●その他:優待
初期のころからの株主を優遇する優待が用意されています。長期的に株主でいたいと思わせてくれるようなすばらしい優待制度だと思いました。
●その他:需給と株価
月足
週足
出典:株探
株価は高値圏にあるように見え、上ひげが目立つ状況です。
2020年11月21日現在、信用倍率は2472倍です。
買い残が売り残を圧倒的に上回っているので、返済売りが出やすい状況にあり、上値は重くなりそうに見えます。
しかし、買い残を発行済み株式総数で割ると、約2%程度。10%未満なので、こちらの数値を見たところ、そこまで大きく影響しない可能性も考えられます。
また、市場がマザーズなので、ジャスダックよりも振れ幅は大きくなりがちです。マザーズ市場には、マザーズ先物があるため、上下に激しく振れやすい可能性があります。
●まとめ
Lib Workは現在、WEB集客を用いて家を売っている会社です。
今後は、戸建てプラットフォーマ―として全国展開を加速させ、
「生活創造企業」へと進化していこうとしています。
コロナウイルスの影響で売上が前年比マイナスとなっていますが、
今後3年間の見通しは非常に強い見通しのようです。
社長が革新的なビジョンやサービスを創造しているので、
今後も期待が持てそうな成長企業という印象です。
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著者:キーウィ(個人投資家、投資ライター)
株式投資に情熱があります。
みなさんから、
「役に立ったよ、ありがとう」
と、言ってもらえる記事を書きたいです。
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※個人的な分析記事ですので、投資は自己責任でお願いします。また、間違いがありましたらすいません。記事は随時、修正・改善・推敲致します。企業情報の画像は、掲載企業のホームページや資料から引用させていただいております。その他、出典名が必要な場合は、画像の下に記載します。
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