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得意なもの探し

自分では得意という感情はなかった。何だったら苦手という分野…けれど他の人から見てみれば「プロ級じゃね?」と思わせる行為というのは確実に存在する。

僕の心の中には大きな劣等感の塊が存在する。それで人の秀でている部分に過剰反応を示してしまうのだ。大抵の人は「そんな部分を褒めてくれるなんて凄いよ」って、お言葉を貰うけれども実際のところで嫉妬心が反応して見えてしまうだけであり、僕としては全然ポジティブな意味合いとして考えていない。

自分と相手の差を比べ自然と優劣をつけてしまう性格。大人になってからはちょっと消えるようになっていったのは、自分が確実にこの分野では勝てないという諦めの精神が身についてきたからだ。

学生の頃はきっと「俺にも努力次第で何とかなる」とか「まだ、若いしきっと可能性はあるはずなんだ」と強く思っていたのだけれど、大人になって、その過程の下積みがどれほど厚いのか…それを知った時、僕は諦めの感情を抱くようになった。

だからこそ嫉妬心を抱くケースは少なくなったと思う。でも、以前として感じる部分は多く残るし、落ち込むことだってある。まぁ、誰しもがそういった感情を抱かなくなるというのは不可能に近いと思っているし、特にまだ世間的に若いといえる年齢であれば仕方ないことだろう。

ちょっと話が変わってしまったが自分が得意というか人並み以上と思える部分は他者目線の視点で発見されるんだと僕はこの前、正社員として応募した会社の職場体験にいった時に感じ取った

『あの、他にこういった仕事をされてました?』

いわゆる裏ジャケの文章を書く簡単な仕事…僕は書いてと言われて渡された資料を見て30分程度で書いてOKをもらった。

『いえ、介護の仕事をしていただけですよ。こういうのは趣味で書いている創作活動が…』

『なるほどね〜コキ太郎くん(あえて偽名)、これ結構な強みだよ』

その場の一番偉い人がつぶやいた一言。

『強み』……

初めましての関係性なのに、その仕事をしているものからしてみれば強みと言えるものだと感じ取ってくれたのだろう。

趣味から知ることのできた強み…僕自身、得意という感情は一切なく、とりあえず書けるという意識でしかなかったのだが、意外にもそれは武器となっていたようだった

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