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女子御三家(桜蔭・雙葉・女子学院)に受かる子が持つ思考力を把握する

日々受験指導をしていると、「この子は合格するな」とか「この子は受験期に苦労するな」と思うようなことがあります。
それは勉強量ややる気、いわゆる地頭の良さとはまたちょっと違ったところで、物事に対する向き合い方というような部分です。
僕はこれを「解像度」と呼んでいるのですが、いわゆる最難関と呼ばれる学校に合格していく子たちは例外なく、これを身につけているように感じるのです。


そもそも御三家に受かる割合は?

そもそもトップクラスの難関校に受かるというのはどういうことかを考えます。
女子御三家と呼ばれる桜蔭中学校、雙葉中学校、女子学院中学校の倍率を見てみると2〜3倍となりますが、仮に難易度だけで学校を考えるとすると、令和四年でみてみると、募集定員がそれぞれ桜蔭235人、雙葉100人、女子学院240人で575人となります。(https://s.resemom.jp/article/2021/12/08/64754.html)
そしてこの年の女性の出世人数は520562人(https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411595)です。
もちろん、全国のすべての小6生の女の子がこれらの学校を目指すわけではありませんが、仮に受験資格を有する全ての者を含めて考えた場合、これらの学校に入る確率は0.1%となります。

正確な数字ではありませんが、プロ野球選手になれる割合が0.16%(その年のドラフト指名+育成指名/出生年度の野球部員の数らしいです)(https://www.gtasu.com/sp/special/centerline/019.html)で考えると、一流のプロに相当する難易度であるといえます。
つまり女子御三家に受かる子達は、一流で通用するような考え方や物の見方が必要なわけです。

プロの解像度を具体的に体感する

冒頭で僕は「解像度」という言葉を用いましたが、いわゆる一流の人たちは物の見方や物事への取り組み方がずば抜けているように感じます。
ここ数年、立場柄さまざまな塾のトップを張る講師の先生とお会いする事が多いのですが、彼らは例外なくそんなところまで?と思うレベルで物事を着眼し、そこまでやるの?と思うくらいに一つ一つを徹底させます。
授業をみなくても、その理論と仕組み作りでその先生の生徒が「伸びる理由」に納得いくという場合がほとんどです。
僕らごときでそのレベルな訳なので、それこそスポーツの第一線で活躍する人たちなど、その視点や取り組み方は比べ物にならないはずです。

そうした超一流の人たちの取り組み方、物事の見方を身につけかたは、身近にそういう人がいれび自然にそれが当たり前になるわけですが、逆にいえばそういう人がいない場合、そもそもの突き詰め方を知らないということになってしまいます。
最難関の中学校に合格する子としない子の違いは、一流に求められる物事への見方・取り組み方のレベルを知っているか否かにあるように思うのです。
これはこれまでの指導経験からも強く感じます。
たとえばピアノやサッカーでプロを目指すレベルの指導を受けてきたお子さんや、作家をしている保護者のお子さん、代々続く花道や呉服屋の家系の子たちは、やはりそういう物事への見方がかなり細かいように感じる事が多々あるのですが、これはおそらく身近な所で見る一つ一つの見方や考え方がかなり細かい水準であるからだと思います。
そして、結果的にそういう視点がある子たちが、受験勉強に真剣に打ち込んだ時、伸び率が大きいように思うのです。

一流の「解像度」を知るには○○が有効!?

断っておくと、僕は家柄や収入でこうした物事の見方考え方が身につくとは毛頭思っておりません。
上ではわかりやすくそうした特異な例をあげましたが、こうした視点を持つ子はどこにでも存在します。
ただしその物事への見方・取り組み方は、幼い頃の興味と取り組み方の蓄積か、周囲の人たちの物事への見方・取り組み方から影響を受けている場合が殆ど。
僕は受験勉強以前の段階で、こうした「解像度」を身につけさせてあげることが大事であると考えています。

天然で身につけるには幼少期から興味を持ったことに徹底的に打ち込ませることが大切です。
例えば昆虫採集に興味を持ったのなら寝食を忘れて打ち込む姿を絶対に止めない、そしてその成果を全力の興味で尋ねてあげるとか。
周囲の環境からそれを学ばせたいのであれば、お子さんの周囲にいる人の中でそういう視点を持つ大人に関わらせることが有効です。
何十年と家を作り続けてきた大工の棟梁とか、音大で結果を残している大学生の家庭教師とか、そういった人が幼い頃から身近にいて、その人との会話を通すことでこういった「解像度」は身につくことでしょう。

ただ、いずれの場合もその子を育てる側の僕たちは、一流と呼ばれる人たちは具体的にどのレベルの解像度で物事を見ているかを知っておく必要があります。
それを知るには今の時代は非常に適しているのが今の時代です。
今は最前線で活躍した人たちがYouTubeでチャンネルを持つような時代。
彼らが語る物事への打ち込み方や分析の視点は非常に勉強になるように思います。
今回はその参考になりそうな動画を最後に何本か紹介して終わりたいと思います。

一流の解像度が知れるYouTube動画5選

ひとつ目は元プロ野球選手で日本代表を優勝に導いた捕手でもある里崎智也さんのキャッチャー時代のノートを持ち出して当時考えていた事を解説するこの動画です。

この動画で自分が当時考えていた思考を話しているのですが、それが本当に細かいので、そのレベルで物事を見るんだという参考になるはずです。

2本目は元お笑い芸人の島田紳助さんが吉本のNSCで講師をした時の動画です。
もともとは「神竜の研究」というDVDに入っていた動画なのですが、YouTubeで広がっています(笑)

具体的にどこまで物事を分析しているのか、どうやって成功まで導いたかを全て語っていて、習得さえすれば誰でも一定の結果が出るレベルです。

3本目は銀座の料理店山本征治さんのラジオ番組です。
山本さんはプロフェッショナル仕事の流儀で知ったのですが、このラジオでは神経のしめ方の開発方法の意図、ハモの骨の切り方の意図など、調理法を編み出した意図を存分に語っています。

4本目は葉加瀬太郎さんが自身のバイオリンの曲の演奏を語る動画です。
釣りよかでしょうというYouTube番組で説明をした物なのですが、同じド#でも、次の音との兼ね合いで微分音にするというようなこだわりを言語化してくれています。

最後はスタジオジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんと、漫画家の尾田栄一郎さんが作品について語る番組です。
こちらでは作品を作る人がどれだけのインプットをしていて、作品をどこまで細かく見ているかが会話の中で伝わります。

これらはほんの一部ですが、YouTubeにはこういう一流の人たちのコンテンツが転がっています。この水準の観点を自然と身につけさせてあげるというのが最難関の学校に受かる子たちの持つべき視点だと思うのです。
よかったら参考にして下さい。

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