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シーズンを通して

6月2日(日)午前7時。
目が覚めてすぐに
「今シーズンが終わったんだな」と、
一気に押し寄せる波のように、
寂しさが胸いっぱいに広がった。

昨年の4月からBリーグを見るようになって、
バスケの面白さを知り、
「川崎ブレイブサンダース」を好きになった。
あれから1年が過ぎ、
もっと川崎ブレイブサンダースが好きになって、
今は自分の人生の中心と言っても
過言ではないくらいに、
毎日バスケのことを何かしら考えている。
昨年はまだ好きになったばかりで、
バスケのあれやこれを何も知らなかったから、
まずは「知る」ことが忙しくて、
正直シーズンが終わること、
選手の移籍で悲しむことは、
今思えばほとんどなかったかもしれない。
もちろん、それだって、
たった数回の試合だけでも、
魅力的なチームで、
魅力溢れる選手がたくさんいたから
「移籍」があることで
寂しく思う選手はいた。
知らなかったスポーツの世界。
「そんな残酷なことがあるのか...」と
驚きもした。

「このメンバーで戦うのは最後。」

だったら、

「シーズンを通してちゃんと応援をしたい。」

今までスポーツに全く興味がなかった私は、
それこそ
一からバスケについて勉強をした。
Bリーグについて、天皇杯、地区優勝、CS、
川崎ブレイブサンダースの今まで、
選手一人ひとりの今まで、スタッフの役割、
バスケのルール(審判ライセンスも取得)、
自分に出来ることを、
思いつく限り調べて理解できるようにした。

それがとても楽しくて仕方なかった。
こんな世界があるんだ、とわくわくした。

それでも自分で調べられる限界はあったから、
SNSを始めて、
繋がったみなさんから
色んな情報を教えてもらった。

繋がることで、
単純に知らなかったことを
知れるだけではなくて、
シーズンが始まって、
「川崎ファミリー」と言われる
川崎ブレイブサンダースのブースターの
みなさんに支えられた。
試合に負けて落ち込んだ日も、
勝って嬉しくてたまらない日も、
みんなで感情を共有することで、
「1人じゃない」ことを実感した。
心強かった。
1人で応援に行く日も、
ホームでも、アウェーでも、
「ファミリーがみんないる」安心感があった。
何も怖くなかった。

このチーム、
今シーズンこのメンバー、
このファミリーみんなで優勝するぞ!と
意気込んだシーズン。

結果は、「優勝」には届かなかった。

辛く苦しい日々を、
チームも、選手も、スタッフも、
私たちブースターも送った。

でも、それが「スポーツ」なんだと思った。
現実はとても残酷であることも改めて感じた。
努力をしたから、
奇跡が必ず起こるわけではない。
良い人が得をするばかりでもない。
重要なシーズンだから、と
おまけしてもらえるわけでもない。
これが「現実」なんだなと。

漫画でも、ドラマでも、小説でもなく、
「現実」なんだと、
今更ながら身をもって感じた。
だから、
あんなにも、
昨シーズン地区優勝をとったとき、
CSの準々決勝で負けたとき、
ファミリーのみんなが心から喜び、
心の底から悲しみ、
悔しんでいたのか、と。
みんなで一緒に戦ってきたから。
私たちは声援や思いで
みんなの背中を押してきたから。
やっと、「理解」した瞬間だった。

いつもよりも早くきたオフシーズン。
残念なことに、
多くの選手、スタッフ陣の退団が発表された。
この時期がくることは分かっていたけれども、
毎日が不安との戦いだった。
働いていれば、転職だって当たり前な現在。
選手のことを考えれば、
単純に「契約」出来ることでもないこと、
自分の人生がかかっていること、
選手寿命はそこまで長くないことも、
分かっている。
理解もしている。
だけれど、願ってやまない。
川崎でどうかもう一度戦ってほしいと。
願ってやまないのです。

そんなことを考えながら、
私は明日からどうしていこうかな、と
ぼんやりと、
なんだかポッカリと空いた心を持て余しつつ、
まだある不安とも戦い、
「覚悟」をしながら過ごすのだろうと。

去っていく選手やスタッフもいれば、
新しくやってくる選手やスタッフもいて、
今シーズンも振り返れば、
みんな素敵な人たちだった。

そして、気づけば心底好きになっていた。

寂しさや悲しみは時間と共に薄れるのではなく、
受け止めて共存することが出来るようになる。
だからこそ、
色んな感情に蓋をするのではなくて、
そんな自分も、そんな時もあるよね、と
受け入れていけたらいいなと思う。
悲しくても、辛くても、怒りでも、
俗に言う「よくない感情」も。
そこまで感情が揺さぶられるほどに、
真剣で、
自分のことのように、
一生懸命になったからだと。

来シーズンも、
きっと、楽しい時も、嬉しい時も、
苦しい時も、悔しい時もあるでしょう。

新しい1ページを見届けるために、
私もまたしっかりと
「戦闘モード」へ切り替えて、
応援していきたい。

来シーズンこそ、「優勝」を。
新しいメンバーと共に見届けたい。
BE BRAVE!!

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