ジェルジェンスキー

多摩川下流域の無産者。

ジェルジェンスキー

多摩川下流域の無産者。

最近の記事

チとガクの問題(魚豊『チ。―地球の運動について―』3巻までの感想ないしは論難)

 私がこの作品を知ったのは2021年の2月ごろ、朝日新聞の書評を眺めていた時で、その時の驚きと期待と恐れは今でもよく覚えている。日本が誇る漫画という表現で第一の師アリストテレスやアレクサンドリアのプトレマイオスの天才が示され、さらにはその天才の作った天動説が覆される様を見ることができる。コペルニクスやケプラーにとどまらず、ひょっとしたらポルタやカンパネッラといった怪しげな自然魔術師の姿さえ拝めるかもしれないぞ、と。  しかしながら、この期待は(多少予想はしていたが)1週間もせ

    チとガクの問題(魚豊『チ。―地球の運動について―』3巻までの感想ないしは論難)