【学生視点】北京大学、オンライン授業10週目に突入!どんな感じなの?

早稲田大学国際教養学部3年のジンと申します。現在、北京大学国際関係学院に(オンライン)留学をしております。

以下、ご参考になりましたら幸いです。

はじめに:基本情報

まず、こちらをぜひご一読を

1. 半期15回の授業日程(普段と変わらない。)

2. 授業時間は日本と違い、一時間半ではなく、約三時間(例:午前8時から午前11時まで)。

3. 筆者は今学期合計7科目を履修。(7 x 3 =合計、週21時間)

4. 授業は中国語。一緒にオンライン授業を受けてる学生は中国に住んでいる中国人がほとんど。(筆者は中華系シンガポール人だが、同じプログラムの早稲田生は日本人が多い)

今学期の授業:共通点について

1. 一時限目の授業時間(通常は午前8時~11時)が全部午前8時半~11時半になった。(ただの偶然?)

2. レポートの提出方法:先生にメール、もしくはTAにメールがほとんど。

LMSにアップロード+先生にメール 両方行うように、と指示されることも(LMSがダウンしても問題ない)

3. 主な連絡手段:WeChatグループ(中国版LINEと言われている)

これは新型コロナと関係なく、中国の大学では一般的。

学部のウェブサイトにて、各授業のグループQRコードを公表。同時に授業形式(リアルタイムの配信か、録画か、その他か)を公表。

WeChatグループには、教授とTA(少なくともどちらか)が入っていて、直接学生たちの質問に答えてる。

4. 先生が使うパワーポイントやその他の資料のデータは事前にLMSにアップロードされる。もしくはWeChatグループに送られる。(あるいは両方)

プリント・レジュメを配布する文化がない。プリンターがなくても問題ない。

5.教科書はほぼ使われてない(なくても問題ない)。使用される場合は、大学図書館が提供してる電子書籍のURLが送られる。

6. 出席はソフトウエアが自動的に取ってくれる。カメラで出席を確認する先生は7人中一人だけ。

今学期の授業:リアルタイム配信について

使われてるシステムは主に以下の二つ。どちらのシステムを使っても、授業はその科目を履修してる学生にしかアクセスできない(先生から特別に許可をもらった学生以外)。

1. 「ClassIn」

オフィシャルサイト

アップルストア

Google Play (英語の説明動画がある)

YouTubeチャンネル

ポイント:
・音声・映像にて参加できる(カメラ・マイクをオンにするかどうかは学生の自由。先生には、学生をミュートする機能がある)
・出席管理機能(自動)
・ファイル共有機能
・録画機能(追いかけ再生機能)
・チャットルーム機能
・ホワイトボード機能
・スクリーンシェア機能
・挙手機能
・タイマー機能
・投票機能
・ランダム指名機能など

[4/23 更新] ClassIn、日本語版新型コロナ期間中完全無料!


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動画

自宅から配信する先生がほとんどだが、研究室から配信する先生もいる。

2. 「北京大学 ライブ配信教室」

ネットで見つけた写真だが:

画像1

(大規模講義用)

技術員が教室にカメラなどを事前に設置し、先生が誰もいない教室でカメラに向かって喋る。トラブルが発生した場合、技術員が呼ばれる。

録画機能(追いかけ再生機能)あり。

(先生が寂しく感じると思う)

今学期の授業:各授業について詳しく書いてみた

①「軍備管理と軍縮」

授業形態:リアルタイム配信。ClassInを使用。

授業時間:午前8時半~午前11時半

受講人数:およそ80人

中間:レポート(約3千字)

期末:オープンブック試験(詳細不明)

その他:グループプレゼンテーションあり(詳細不明)

感想:非常に満足。対面授業とほぼ変わらないクオリティ。8時25分に起きても間に合う。チャットルームで先生の質問に答える学生が多い(対面の時より多い)。オンライングループプレゼンテーションは初めてなので少し不安があるが、なんとかなるだろう。

②「国際政治経済学」(必修科目)

授業形態:録音付きパワーポイント。毎週LMSにアップロードされる(WeChatグループにも送られる)。

授業時間:好きな時間に聞いていい。録音の長さは毎回異なる。1時間半、2時間半など(3時間を超えたことはないはず)

受講人数:およそ150人

中間:レポート(約4千字)

期末:レポート(詳細不明)

感想:一番大変。授業内容の難易度はちょうど良いが、先生の声が非常に小さい(イメージとしては独り言に近い)ため、音量マックスにしても聞き取りにくい。一時間半の録音なのに、ノートを取るのに8時間以上かかったことも。キーワードもパワーポイントに書かれてない。聞き取れないことについて先生にメールを送ったが、返信が来なかった。4週目から急に音質が改善された。しかしやはり喋り方が変わってないので聞いててストレスが溜まる。WeChatグループには先生が入ってないため、先生との交流が全くない。

この先生は、対面でも声が通らないらしいが、やはり録音だと挙手して「もう一度言ってくれませんか?」と言えないので余計辛い。

4/22更新:録音付きパワポに関するトラブル
「メディアを再生できません」というエラーがたまに発生する。TAさんは、そういった学生にパワポから音声ファイルを抽出することを推奨。筆者も実は毎回抽出して聞いてるが、パソコンが苦手な学生には難しいと思われる。
スマホの学生も困るかも。

③ 「民族国家概論」

授業形態:動画。毎週LMSにアップロードにされる

画像3

授業時間:対面授業だったら午前8時開始だが、動画なので好きな時間に観ていい。動画の長さは毎回異なるが、平均1時間。

受講人数:およそ120人

中間:レポート(約1000字)x3

期末:オープンブック試験(詳細不明)

感想:非常に満足。音質がいい。ゆっくり喋ってくれるところもいい。WeChatグループには先生とTAが入っていて、質問にはすぐに答えてくれる。対面授業とほぼ変わらないクオリティ。

④「国際組織と国際法」

授業形態:リアルタイム配信。「北京大学 ライブ配信教室」を使用。

授業時間:午後3時10分~午後6時。録画が残るので見逃しても大丈夫だが、ライブ配信ではなく録画を観る場合は、WeChatでTAに言う必要がある(おそらく出席と関係ある)。

受講人数:およそ230人

中間:レポート(約4千字)

期末:オンライン試験(詳細不明)

感想:非常に満足。しかし、スムーズに観られない学生もいるようで、その学生たちのために、毎回授業の内容を文字に書き起こしてくれる心優しい学生たちがいる(自主的に、授業中WeChatグループに送ってくれる)。筆者もたまにスムーズに観られないので、本当にありがたい。(大学のVPNに繋がった状態での受講をおすすめする。)

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ある日のトラブル:途中から音が消えたが、先生はそれに気づかず、しばらく喋り続ける。TAや他の学生が学校に電話をかけ、解決。

「アメリカと東アジアの関係」

授業形態:リアルタイム配信。ClassInを使用。

授業時間:午後3時10分~午後6時のはずだが、午後5時頃に終わることが多い。

受講人数:およそ50人

中間:レポート(約3千字)

期末:オープンブック試験(詳細不明)

感想:非常に満足。パワポ通りに話してくれる。終わる前に質疑応答タイムがある。チャットで参加できるので質問がしやすい。

「アフリカ概論」

授業形態:リアルタイム配信。ClassInを使用。

授業時間:午後6時40分~午後9時半(授業⑤の40分後に開始)

受講人数:およそ45人

中間:レポート(約3千字)

期末:小論文(5千字~7千字)

感想:非常に満足。授業⑤の40分後に開始されるので、オンライン授業の場合、教室まで移動する時間を省くことができ、夕食をゆっくり食べられる。(対面授業だったら相当急がないといけない。また、夜10時以降に寮につくことになる。)

「世界宗教と国際社会」(必修科目)

授業形態:リアルタイム配信。ClassInを使用。

授業時間:午前8時半~午前11時半(授業⑤の40分後に開始)

受講人数:およそ200人

中間:レポート(約3千字)

期末:小論文(6千字以上)

その他:カメラで出席確認。

感想:やや大変。先生、喋るのが速すぎる。幸い、録画が残るので、何度でも見返すことができるという点に関しては、対面よりオンラインのほうがいいかも。カメラONに慣れていないため、毎回緊張する。

最後に:感じたこと

1. 助け合いの精神について

筆者はパソコンが得意なので、特には問題はなかったが、パソコンが不得意な早稲田生もいそうなため、分かりやすいマニュアルを作って送ってみた。

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授業④のWeChatグループも良い例。やはり助け合いは大事だと思う。

2. 学生のモチベーション・参加度について

ライブ配信の場合は必ず出席するが、動画・録音の場合は後回しにしがち。特にレポートなどで忙しい時期。

目が疲れるので、授業に集中できなくなる日もある。

多くの学生が図書館に行けない今、先生方が配慮してくれて、レポートのテーマをかなり自由に設定。しかし、レポートのテーマが自由すぎると、普段の頑張りが先生に伝わらない気がする。授業のノートを取るモチベーションも下がる。

留学生(主に日本人学生、韓国人学生)のチャットによる授業への参加度が明らかに上がった。

考えられる理由は:1. 発音気にしなくていいから 2. 他の学生もチャット(文字)で参加しているから、どんなディスカッションが行われてるか分かりやすい。対面授業の場合、多くの留学生は、そもそもどんなディスカッションが行われてるか理解できてないから参加できないのが現状。

3. 課題・成績評価について

筆記試験の場合、普段から頑張ってたら、テスト勉強は前日だけでもOKな科目がある。しかし、レポート作成はかなり時間がかかる。

中間レポートに加え、期末テストもほとんどレポートになったため、レポートの量が膨大。

中間・期末レポート以外の課題はあまりない(対面授業と変わらない)。

4. 受講環境について

パソコン:自分のパソコンはまだ北京大学の寮にあるので、親戚のパソコンを借りている。

インターネット:たまに切れるが、おおむね良好。切れた時間を記録し、録画を観れば問題ない。

周りの音:こういう日もあるので、ミュートする自由・録画があるのは助かる。

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以上、ご高覧ありがとうございました。

お役に立てれば幸いです。

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私にできることがあれば、連絡ください。

ツイッター:zy_cheong



















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