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"WABI-SABI RIDER RETURNS" ニッポンの単車乗りとして

今はまだ無風なこの国で
皆、近づく嵐に気づかず生かされている

永遠の安寧など無いだろう

路上では、人知れず感謝を忘れない、
少なくとも単車どころじゃなくなる日まで

あいにく単車乗りほど
平穏にはほど遠い、喧騒で危険な身分はない
ライダーズハイなど存在しない
無心や陶酔は制御不能を意味する

単車に乗る行為は、孤独な闘争だ
熱意と若さという盾を失えば、
途端に皆、うつむいて去っていく

徒党も虚勢も、路上では何の役にも立たない
所詮、コーナーへ突っ込むときは独りだろう

何のために走り続けるのか、、、

結局、無難なこの国で
轟音と逆風とリスクと、“世間の風当たり”の中を
それでも孤高に、そして果敢に走り続ける

分かっているはずだ、目指す先など無い

ニッポンの単車乗りとして、
”侘びと寂び” の心を胸に秘め

人の世の儚さ無常さと、孤独の中に
心の充足を見出し、

決して当たり前ではない、命の尊さを噛み締める

それこそまさに、
単車乗りの本望じゃないか


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