わらわの宮廷料理
私の妻は前世ではやんごとなき姫君だったらしく、時折前世の記憶がよみがえる。そんな時は一人称が「わらわ」になっているのですぐに分かる。そんなわらわのちょっとしたお話。
「わらわは久々に宮廷料理が食べたい(^^)」
そういうわけでやってきたのは、平城京の西の端、宝来と呼ばれる場所。現在ここに建つのは奈良パークホテル。昭和の旅館といった風情のホテルだが、ここでわらわが前世で食べていたであろう料理に近しいものが食べられるのだ。
「そういえばこんな感じだった」
こういう書き方をすると失礼かも知れないが、思いのほかおいしかった。醤(ひしお)というのは当時の味噌のようなものらしいが、これが万能調味料で、これだけでにごり酒何杯でもいけそうである。
当時の装束のようなものを着て食べる宮廷料理。それなりの料金はするが、一度は食べてみる価値があると思う。
「わらわは満足じゃ(^^)」
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