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【日記】たまに地球にキスをする先輩が定年退職とのことで、ご挨拶してきました。

こんにちは。
自立に向けてとにかく手を動かしたいとっとです。

昼休みnoteです。


会社で大変お世話になった大先輩が、定年のため最後の出勤日だということを知り、どうしても直接ご挨拶したくて、家庭内調整をしてご挨拶にいってきました。


新人の頃からお世話になりました。

世の中にある電化製品は、だいたいの物がハードソフトで構成されています。

機械的な部分(筐体きょうたい部分)と電気的な部分(内部の配線や制御プログラムの部分)で構成されている、とも言えます。

人工衛星も同じです。

わたしは電気系に分類されるエンジニアですが、自慢じゃありませんが本業で制御プログラムをかいたことは一切ありません。(←余談)

その大先輩は、機械系のエンジニア出身でした。

わたしが新人の頃(今からおよそ15年前)、衛星内の配線設計案を機械系エンジニアたちに説明する打ち合わせで、コテンパンにやられたことを今でもおぼえています。


電気屋と機械屋が話すのはなんのためか?

業界あるあるかもしれませんが、各分担・担当のことを〇〇屋さんとよく言います。



衛星の中に配線を引き回したいなら、

・構造体のどこらへんにどのぐらいのサイズの穴が必要か
・配線のルーティングは機器のレイアウトに影響がないか

そういったことを機械屋に確認してもらうためでは?


あなたのは、自分が検討した結果を説明しているだけ。


当時は結構へこみました。なにより新人ですから、あなたなんてよそよそしく呼ばれたことが一番のショックでした。(そこ?)



最近は工程管理の立場からお世話になっていました。

大先輩はその後、工程管理部門に異動となりました。プロジェクト管理と似ていますが、現場寄りという点で少し異なります。

全体の開発工程を社内の作業計画としてまとめあげ、随時各部門の作業進捗を吸い上げ、必要に応じて計画をねり直していく、非常に煩雑で気をつかう仕事です。

工程管理部門は作業の進捗を管理するため、開発の最後まで、つまりロケットで打ち上げて見送るまで、社内の作業者全員の段取りを整理し続けます。


直近の2機分ほどは、工程管理という点でお世話になりっぱなしでした。

このころにはすごく仲よくしていただき、作業の段取りについて困ったことがあれば、わたしの方からなんでも相談していました。



そして、地球にキスをしていました。

プライベートなことなのであまり詳しくは書けませんが、おととしの打ち上げ作業で長期の出張に行っていたときのことです。

この大先輩も、工程管理の人員として途中から現場に来られていました。


この先輩、ひじょ~~にお酒が好きで、のむとわけがわからなくなります。


でも決してひとに迷惑のかかる酔っ払い方ではなく、

”こんなふうに酔っぱらえたら幸せだろうなぁ”

っておもう感じの酔っぱらい方なんです。


昨今のウィルス事情から、出張先での外食は極力自粛するようお達しがありましたが、その大先輩わたし直属の上司現場の作業責任者の4人は、しょっちゅう仕事終わりに(軽く)飲み歩いていたのでした。


ある日、作業が休みの日だったので、朝からいつもの4人で魚釣りにいったのですが、一匹もつれず昼にはもどってきた日がありました。


仕方ねぇ・・・ということで、近くのお好み焼き屋さんに再集合し、昼間っからのんでいました。

その大先輩、夕方には例によって足元がおぼつかなくなっていました。


でも歩けそうだったので、4人であるきながら帰路につくと、なんと歩いていた大先輩の足元が絡まってマジゴケし、歩道のアスファルトにおでこからいったのでした。


ゴツん


明らかににぶい感じの音がして、目撃していた残り3人は青ざめて心配するのですが、本人は平気そう(結構な麻酔入ってるので)で、わたしと上司が肩をかつぎ、これって労災になるのかな?などと考えながら歩き出します。

ホテルが近づくにつれ、声を静かにしなければならないのですが(本来自粛!)だんだん大先輩の奇声が大きくなります。


てれ~~! ふぉぉ~~っ


わたしの上司はすごく真面目な方ですので、本気で大先輩をたしなめるのですが、たしなめればたしなめるほど、


とぅるる~~ はぁ~~~っ きもちえぇ~~~~!


年でいうと群をぬいて一番上の大先輩が、いまどき大学生でもやらないようなノリで奇声を発しながら楽しんでおられる様子に、わたしもまだまだだなと、すこし感慨深くなりながら、なんとかホテルにたどり着き、解散したのでした。


翌日、おでこにあおたんができてる大先輩に、

大丈夫ですか?と聞いたところ、


カミさんに、

また地球とキスしてきたんでしょ、


って言われるよ・・

と少し凹んでおられる様子でした。



ご挨拶は意外と軽くおわりました。

そんな大先輩には、わたしが新人の頃からエンジニアのなんたるか、酔っぱらうとはどういうことか、を教えていただき、とても感謝しています。

ですので、社内の人ツテに最終日だと聞いたときは、どうしても直接お礼を言いたくて、出社してきたのでした。


朝、定時前に事務所に伺い、軽くですが直接お礼を伝えることができました。

次は〇〇の衛星やるんだって?


地球にキスをされたあの出張から、丸1年以上お会いしていないのに、わたしの近況も把握しておられました。。


最終日は挨拶対応でお忙しいとおもいますので、それほど深い話も、長い話もなく、手短にお礼だけつたえました。

非常に人望のある方なので、おそらく荷物になるだろう、とはおもいつつも、気持ちだけでもとおもい酒のつまみをお渡しし、その場を去りました。


まとめ

これまで14年ほど勤めてきたなかで、去られる方に対して初めて直接お礼を言いたい!という方に出会えたことが、すごく幸せなことだと、いまこうしてnoteに綴ることで気づくのでした。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




今の会社での思い出や思うところなどをまとめたマガジンです。お時間ありましたら、ぜひこちらも覗いてやってください!



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