数え歌

「丑三つ時」って、漢字で書いたら怖いな。
おどろおどろしい。
何か起こりそう。
平仮名で書いてみよう。
うしみつどき。
なんか可愛いな。笑
なんなら「平仮名」も漢字で書いたら怖いな。
滅ぼされた平家感。
平安時代の女性達の地位争い。
平仮名で書こう。
ひらがな。
可愛い。
おかあさんといっしょで習いそうなひらがな。


ひとつ 一夜の恋なれば
ふたつ 二人で地獄へと
みっつ 皆(みな)を殺しても
よっつ 黄泉への道標しるべ


唐突ですが、昔、こんな歌がありました。

調べてみたら、楠桂の漫画「妖魔」に出てくる歌とのこと。
ちなみに楠桂は「鬼切丸」「八神くんの家庭の事情」なんかの作者です。


でも、私は妖魔を見たことも読んだこともありません。


じゃあ、なぜこの歌を知ってるかというと、高橋留美子の「人魚の森」で知りました。
人魚の森は、人魚の肉を食べると不老不死を手に入れられるが、それは奇跡みたいなもので、大抵の人間は「なりそこない」という化け物になってしまう…というようなお話。


約30年前、この人魚の森がラジオドラマ化されました。
その放送をカセットテープに録音して、この歌が歌われた場面ばかり何度も聴いて覚えたのです。


高橋留美子作品といえば「ポップでキャッチーなラブコメ要素のある楽しい漫画」というイメージだったのを、この人魚の森は大きく裏切ってくれました。
私的に高橋留美子作品の中で、一番インパクトがあった作品。
怖かった。


そして、そんな作品には、上記の数え歌はぴったりでした。






お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、今回は途中からほとんど敬語で書いてます。
その方が怖さを演出できるかと思って…




…そんなことないか。笑




しかし、こういう話なら、とめどなく書けるな。




47年も生きてるとネタは尽きない。

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