音感トレーニング実践講座|メロディ編⓪ ~音感を身につけた後の世界~

ずっしーの音感トレーニング実践講座へようこそ。

ここまでたどり着いてくれた方はきっと僕のウェブサイトの解説記事も読んでくれている方だと思います。ありがとうございます。

読んでくださった方ならもうわかっているとは思いますが「音感をつけるとどのようにいいことがあるのか」を今一度反芻してみましょう。最終目標を意識することはモチベーションのためにもとても良いです。

音感を身に付けた後に見える世界

音感を身に着けることの重要さはサイトの方でもさんざん書いてきましたが、一旦まとめて頭を整理してみましょう。

・音感がないとメロディやコード進行を音のイメージで覚えられない

・音感があればそういったものを覚えることができパターンを蓄積できるようになる

・音感の習得とともに耳コピやアレンジ、即興演奏のスキルが自然と身につき始める

・音感はこれらの自由に音楽を操るスキルのために必要な基礎能力

サイトで解説したのはざっくりまとめるとこのような話です。

ここではさらに音感を習得できた後に見える具体的な音楽の感じ方についてお話しておきましょう。

曲を覚えることが簡単になる

曲のレパートリーがめちゃくちゃ多い人ってたまにいますよね?どんなリクエストでもすぐに応えられてしまうような人。

こういう人を見たとき、何も知らない人からすると「なんでこんなことができるんだ!記憶力が異常に高いのか!?」と思ってしまうのですが、実はそうではないのです

なぜそんなことができるのか。その答えは「頭の中で鳴っている曲を鍵盤上で再現するスキル」があるからなのです。決して鍵盤の絵づらや指の動き、コードの順番などを丸暗記しているわけではありません。

レパートリーの多い人

この頭の中で鳴っている音楽を楽器上で再現するスキル「だけ」があれば膨大な曲数を丸暗記しなくても大量のレパートリーを持つことが可能です。頭の中で知っている曲を鳴らすことは誰にでも簡単にできるからです。

私たち人間は皆もともと音楽を記憶する能力は高いのです。何度か聞いたことがある曲ならその曲のメロディを鼻歌で歌って見せることは簡単でしょう。

メロディは特別頑張って覚えようとしなくたって記憶できるし、長い間覚えていることだってできる。10年以上前に聴いていた曲だって余裕で鼻歌で歌えちゃいますよね?

これが音楽以外のものならーー例えば何かのパスワードや番号みたいなものならーー頑張って覚えようとしないと記憶に定着しないし、覚えてもしばらくしたらもう忘れている・・・そんなことが起きます。

こう考えると人間の音楽に対する記憶力は非常に優秀です。この誰にでも備わっている能力を上手く使えば、上で言ったような膨大なレパートリーを持つことが可能なのです。

「頭の中で鳴ったメロディを楽器上で弾ける」

「頭の中で鳴ったコードが何のコードかわかる」

「それらを適切な奏法を使って表現する」

音感に基づいたこれらの能力を鍛えれば鼻歌を歌うのと同じように思い浮かべた曲を楽器で再現できるようになります。

鼻歌と楽器

先ほど言ったよくないやり方ーーずっしーも最初の頃やっていたことですがーー指の動きや鍵盤の位置を丸暗記して曲を覚える方法では結局すぐに忘れて弾けなくなってしまいます。その「指の動き&鍵盤の位置の記憶」は耳で聴いている音楽と関連付けられていないからです。

人間の脳は意味のあるつながりや関連性のある物事は自然に簡単に覚えられるようにできています。逆に意味や関連性の薄いもの、数字の羅列のようなものはすぐに忘れてしまうようになっているのです。

人間の脳が自然にできることに反したやり方では無駄な努力になってしまうことが多いでしょう。何かが「上手くいかない、前に進めない」と感じたときはその方法が間違っている可能性があると思いましょう。

音楽においては、まず音感のスキルを中心に据えてその周りにさまざまな音楽理論やアレンジの知識、演奏テクニック、楽譜を読むスキルなどを身に着けていくというのが自然なやり方なのです。

音感が中心

この方法で進めていけば、音感を土台にして「音楽理論を音のイメージとともに理解できる」「弾いた曲の数だけコードやアレンジのパターンが習得できる」「楽譜を見たら音楽の流れや構造がわかる、頭に思い浮かべられる」といった音楽のスキルがトータルで自然に身についていくでしょう。

逆にこの順番を間違えると、「音楽理論の言ってることの意味が分からない」「たくさんの曲を弾いてきたけど未だにコードがわからない」「楽譜は読めるが楽譜なしでは何も弾けなくなる」といったように全てがバラバラに感じられ音楽の能力がアンバランスになってしまうのです。

ずっしーの本当の願い

ずっしーの解説サイトも含め、ここまで音感の必要性やメリットをさまざまな角度からお話ししました。だんだんと音楽をやる上で音感があるほうが自然で合理的だという感覚になってきたのではないでしょうか。

なぜずっしーがこんなことを何度もしつこく言うのか、それには理由があります。

ずっしーが皆さんに教えたいこと、動画やウェブサイトで伝えたいことはなにも「音楽の特殊なスキルを身に着けようぜ!」ということではないのです。

より自然な音楽の学び方、より自由な音楽の楽しみ方が「当たり前に」そこにあるべきだという考えなのです。つまり現状の音楽の教育環境、楽器をとりまく指導方法は非常に偏ってしまっているのではないかという問題提起なのです。

例えるなら「何年やっても簡単な会話もできないままになってしまう受験のためだけの英語教育」のような教育システムの問題・いびつさを音楽の世界にも感じているということです。

10年ほど前ずっしーが自ら違和感を感じ、実際に自分で音感を身に着け、その後の世界の見え方が変わったという体験を通して確信しました。これはきっとまだみんなが気づいていないだけで音楽の学習において最も自然な方法なのだと。

「今の音楽教育を取り巻く状況をどうにか変えたい」というのがずっしーの本当の願いなのです。

どうかみなさん、ずっしーと一緒に音楽の世界を変える手伝いをしてくれませんか。ずっしーが教える方法で自由な音楽スタイルを身に着けて、その素晴らしさを体現する一人になってくれませんか。

めげずについてきてくだされば必ずやずっしーと同じ自由な音楽の世界を見ていただけるようになるとお約束します。

この「音感トレーニング実践講座」は0から学んだずっしー自身の経験をもとに、最も効果的なトレーニング方法や考え方、学ぶ順序、さらにはモチベーション維持まで配慮した作りを心がけています。こだわりぬいた「徹底的なわかりやすさ」を是非受け取ってください。

一緒に楽しみながら、音楽を学んでいきましょう!

重要なポイントの確認

具体的なトレーニングに入るにあたってこれまでの重要なポイントをざっくり見渡しましょう。「あれ?これなんだっけ?」と思う項があったらずっしーのサイトの耳コピアレンジ習得法で内容を確認し直しましょう。

・調を基準に音をとらえる「調性音感」を鍛える

・移動ド唱法で調の音階の音を「ドレミファソラシ」で結びつける

・調と主音ドを特定する− 頭の中の調を意識する

・トランスポーズ機能の活用

・トレーニングは「インプット」と「二方向のアウトプット」を意識する

・メロディの音感は「単音」「2音」「3音以上」で大きく分けて考える

以上の点を見て「ばっちり理解してるぜ!」となった方は準備万端です!さっそく実践講座を始めていきましょう!

音感トレーニング実践講座|メロディ編①へ

ここから先は

0字

音感トレーニング実践講座メロディ編をまとめてお得に購入できます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?