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【オフィスのコミュニケーション改善術】第1話 伝播する悪意

🌟前回までのあらすじ🌟
お局様にボコられているずんずんは「自分のコミュニケーション能力に難あり」と気が付き、改善しようと決意したのだった…。

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私は自分のコミュニケーション能力について振り返ってみた。
私は学生の時ピザの注文もろくにできず、兄に代わりに注文してもらっていた。

なぜ注文できないかというと、

怖いのだ…。

人間と話すのが…。

私は学生時代いじめられっ子であったため、人間不信の塊であった。
それがインターネットと出会い、人と触れ合うようになって、人語を話せるようになったのだ。

ありがとう!( ;∀;)インターネットを開発した人!

つまり今の私は出荷されたばかりのAIのようなもの…。
ただ言葉を打ち返しているだけであって、コミュニケーション、つまり双方向の意思疎通をしていなかったのだ。

言いたいことを言って、会話はそこで終わっていたのだ。

相手がどう感じるか、どう反応するかを全く考えていなかった。

そのため、私は知らない間に相手の地雷を踏みまくっているようであった。

そりゃあ、お局様がボコボコにしてくるよね…。

相手がどう反応するか…つまりは、相手が何故そのように反応してくるかをまず私は考えなければいけなかった。

「相手が何故そのように反応してくるか」

を考えるためには、「相手について」よく考えなければいけなかった。

しかし正直なところ、私はプライベートでもお局様たちのことなんて考えたくなかった。毎日毎日、家に帰ってくると頭の中はお局様たちに受けた暴言でいっぱいなのである。カワイソス…( ;∀;)

だが、この状況を何とかするためには、私は彼女たちについて考えなければいけない…。

私にはお局様が二人いた。
ここでは「局A」と「局B」としよう。

特に「局A」は激ヤバ人材であった。

局Aのヤバさを長々と書いてしまうと、私の怨念記事になってしまうのでここではやめておこう。

とにかく、私はこの局Aから、キングジムアタック(※キングジムの分厚いファイルをぶつけられる)や、毎朝30分立ち説教をくらっていた。

え…この部分だけ書いても、この人大丈夫かな…。

とにかく彼女は朝から30分も人を叱ることができる、素晴らしいバイタリティの持ち主であった。

他の部署のマネージャーからも

「あいつは人としておかしい」

と言われる激ヤバ人材である。

人生で「人としておかしい」なんて陰口を言われることは中々ない…。

私も局Aは

「人としておかしい」

と考えていた。

仕事でなかったら絶対関わりたくないタイプの女性である。

局Aは中学受験の子供がいるらしいが、

絶対受験失敗してほしいやん?

と思うぐらいには、私は彼女に対して憎しみを覚えていた。

ここまで考えて、私はハッと気が付いた。

常に常に私はお局に悪意的に扱われている。

しかし、それと同時に

私の彼女たちに対する憎しみ、つまり、

私の悪意がお局様たちに伝わっているとしたら…?

例えば、私に後輩がいて、その後輩はヘラヘラしてるけど実は心の中で

『ずんずんは人としておかしいわ…ありえん…』

と思っているとしたら…?

どんなに上手に隠しているとしても、絶対そんな気持ちは態度に現れる。
そんな後輩…ブチのめしちゃうよね…。

ましてや、相手は海千山千のババアたちである。

私の中の悪意や隠している侮蔑感など、とっくに見抜かれているかもしれない…。

長年発酵してきたババアの悪意に、私の悪意など勝てるわけもない。

私はなぜか、自分がお局たちと「悪意で勝負」しているかのように感じた。

そしてそれに気づいた時、すぐに

「あんなに性格悪くないからお局には【性格悪い勝負】では勝てない…」

と思うに至った。

秒で降参したのである。

それと同時に私の中で

「局Aがあのような悪意的な人間になってしまったのか?」

という疑問が思い浮かんだ。

私は、前述の他部署のマネージャーの事を思い出した。
このマネージャーと局Aは新卒からずっとこの会社にいる。
転職を繰り返す人が多い外資系では珍しいタイプだった。

そして、この他部署のマネージャーは新卒の頃、局Aの後輩だったらしい。

局Aは「私が全部あいつを躾けてやったのよ」などとよく言っていたのを覚えている。

躾けるって…。
言葉選びからお局の人間性が滲みだしている。

しかし、ここで考えてみると彼女が教えた後輩の方が出世している。

どうして局Aは出世していないのか?

もしかして…

と私は一つの結論に至った。

お局は性格が悪すぎて出世できなかったのか…?

そう思うと私は、あれだけ憎んでいたお局様が可哀そうに思えてきた。

お局様は頑張ってきたのに、評価されていない。
そのゆがみが彼女を今のような人間にしてしまったのだ。

思えば、人は満ち足りていたら、自分より若く弱い人間を無意味に虐げたりしない。

仕事だけではなく、プライベートも何か問題があるのかもしれない。

さらに、私は彼女が話していた日々の話の内容から、彼女の状況について分析をしてみることにした。

ざっと書き出してみると、こんな感じだ。

・20年ほど同じ部署にいる
・今の上司は自分より10歳ほど年下の女性
・後輩の方が出世している
・英語は出来るがそんなには上手くはない
・子供が中学受験、めちゃくちゃ子供に怒鳴って電話をしている(辛い)
・夫は家事育児もせず、週末は家でゴロゴロずっと寝ている
・マンションは都内一等地にある

う…う~む…。

書き出せば書き出すほど、何だか苦しくなる思いだった。

お局様の人生に、何だか救いがないのだ。

こんなお局様に何故私は嫌われているのだろうか?

私は、今度は自分についても書き出してみた。

・ぴちぴち20代
・お局様の仕事の一部を引き継いでいる
・英語は出来ない
・お気楽な独身

う…う~む!?

なんだ私…

可能性しかないんじゃなーい!?°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

私はなぜか若い頃から、実力もないのに謎に自分の可能性だけを信じているタイプであった。

そして、お局様と私の状況を書き並べてみて、分かったことがある。

お局様から見ると私は「自分の仕事を奪ってくる若いクソ女」にしか見えない。

そして、局Aとマネージャーの関係も良好とは言えない。
局Aはマネージャーのこともボロクソに言っている。マネージャーも局Aのことは好きではないだろう。

そして、局Aは局Bとも敵対関係にある。

家庭では、夫は家事育児に参加せず、中学受験の子供の勉強も見なければいけない…。

こう考えると、局Aは仕事でもプライベートでも完全に孤立しているのである。

お局…。

大変だな…。

私はずっとお局を敵視していたが、お局もお局で大変なのだ…。

かといって、彼女の暴言を許せるわけではないが…。

ここで私は「私のしたいことは何だろう?」と自分の目的を思い返してみた。

前職は1年で辞めてしまった。
いくらこの環境が酷くても、前の環境よりはマシである。

ここでキャリアを積んで、より良いところに転職して給料を上げる…!

これが私の目的だった。

仕事を覚えるために、お局に仕事を教えてもらわなければいけない。

私は考えた。

私は局Aから見れば「仕事を奪ってくる若いクソ女」である。

ここを改善しなければ、私はずっとお局から無意味に虐げられるだけなのだ。

「仕事を奪ってくる若いクソ女」ではなく
「可哀そうなアタクシのことを分かってくれる理解者」にならなければいけないのでは…?

と私は考え始めた。

しかし…。

あのクソ女に…?

そう考えると私は心が驚くほど重くなった。

ずんずんさんは心の葛藤に勝つことができるのか…。

次回につづく!

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