社内政治生存マニュアル 第6章 パージの実行部隊を作る
【前回までのあらすじ】
非情なる組織編制により、ずんずんさんの上司が「未経験」上司になった。
最初は懸命に未経験上司をサポートしていたずんずんさんであったが、口達者な未経験上司はどうも上にずんずんさんのことを悪く言っているようである。
それを知ったずんずんは激怒した…。
ーーーーーー
粛清(パージ)してやる…。
私は秘めた闘志を燃やした。
未経験上司はどうも、上に
「ずんずんはチームプレイヤーではなく、自分の仕事をサポートしない。その結果、チームとしての仕事が滞っている」
という旨を伝えているらしい。
これは、とんでもないでまかせである。
実際のところ、私は未経験上司を手厚くサポートしている。
しかしながら、未経験上司は全く仕事内容を理解せず、それによってチームとしての仕事が滞っているのが現状である。
未経験上司は、その現状についての責任を私に転嫁してきたわけである。
これはやばいぞ。
と私は感じた。
上の人間も幸いなことに馬鹿ではない。
私はこの数年「自己犠牲的なチームプレイヤー」というポジションにいたため、上の人間たちは、しばらくの間は未経験上司の言っていることは信じないであろう。
しかし、未経験上司が吹聴し続け、現状が改善しないとしたら、CFOなどの上の人間と直接接点のない私が窮地に追い込まれるのは火を見るより明らかである。
私は自分を守るためにも未経験上司を排斥しなければならない。
全国の未経験上司の皆さんには知っておいていただきたいのだが、自分より仕事のできる部下は生意気でもちやほやしておけばいいのだ…。
「君のおかげで仕事が回ってるよ。ありがとね」と言って高評価をつけて、給料をあげるよう交渉してあげれば、部下の自尊心は保たれ、牙をむくことはない…。
しかし、この未経験上司は保身のために私を売ったのである。
しかも、しょうもない嘘で私をはめようとしている。
未経験上司は、虚言癖があった。
「やっておくよ」と言ったのに、やっていなかったり、
「わかりました」と言ったのに、理解していなかったり、
「病気で休みます」と言ったのに、なぜか旅行してたり…(日に焼けて真っ黒になって帰ってきた)
なぜそんなバレるような嘘ばかりつくのだ…。
と私と同僚たちは常に思っていた。
この虚言癖を見るに、もしかしたら未経験上司は
サイコパスかもしれないな
と私は考えた。
未経験上司は、表面上口達者で、自分の保身のためだけに動き、非常に利己的である。
それと同時に自分のミスを全く認めず、平然と嘘をつく…。
未経験上司はサイコパスの特徴に何点か当てはまるところがあった。
未経験で口達者、CFOのお気に入りのサイコパスか~。
そう考えると私は頭を抱えた。
例えば、私が友人から
「なんかさ~。最近、上司が新しくなって、その上司、経理実務未経験で平気で嘘をつくサイコパスなんだよね~。しかもCFOのお気に入りで、どうも私のこと、悪く言ってるらしいんだ~🌟」
という話を聞いたら、
「それ、辞めた方が良くない?」
と答えただろう。
それくらい危機的な状況に私は居た。
私は「こんな会社はいつでも辞めてやる!」と常に考えていた。
それと同時に、このような状況にあっても「それは今ではない」とも思っていた。
私はまだ成果らしい成果を出していない。
出世…!!わしは出世したいんや…!!!
履歴書に箔をつけて日本に帰りたいんや…!!
そのためにはどうしたらいいか…。
未経験上司などに振り回されている場合ではないのだ。
しかしながら未経験上司は私がパージするには強大な敵過ぎた。
前回の中華さん(第一章参照)をスポイルしたのは、未経験上司に比べたら児戯のようなもの…。
と考えてたところ、私は、ちょっと前にオフィスを騒がした事件を思い出した。
隣のチームでCFOに対して
「直訴」
が起こったのだ。
英語で言えばエスカレーションである。
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