夢子さんのこと
わたしの職場に、育児休業者の代替として派遣社員が配属された。
三十代くらいの大柄の女性で、夢子さんといった。仕事のやり方を説明したりしているうちに、わたしたちは徐々に打ち解け、社員食堂で昼食を一緒に食べるようになった。
ある日、一緒に昼食を食べながら、わたしはつきあっている人がいることを話した。
「夢子さんは、家族とかどういうふうなんですか」とわたしは聞いた。
「うふふ。実は幼稚園の子どもが一人いるよ。もう離婚したからいわゆる母子家庭だよ」
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