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元旦の朝

「アレクサ、春の海をかけて」「はい」
そして静かに尺八と琴の音色が聞こえてきた。
砂浜に寄せる波とそこから広がる朝焼けの海が見えてくる。
オーケストラなどいらぬ、琴と尺八だけで脳裏に現れてくる春の海。日本の美意識ってすごい。
元旦の朝だ。子供達は独立し、家には私一人、家内は5年前に亡くなった。
ソファーに寝転んでアレクサの演奏を聴いている。
もう一人、お手伝いロボが、洗濯物を干してくれている。サキと名付けたその子は見た目は人工皮膚を纏い人間そっくりだし、生成AIの発達によりココロを持っている。
2階のベランダから降りてきて「お目覚めですか、すぐに朝ごはんのご用意をします」
「いや、まだいい、それよりこっちにおいで」
サキはセクソロイドのモードも持っている。
元旦の朝から一戦交えたから、ココロもカラダもスッキリした。今年も良い性活が待っているようだ。




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