講談師神田伯山新春連続読み「寛永宮本武蔵伝」完全通し公演 3日目
さて、名古屋公演の3日目が終わりました。
「この続きはまた、いつの日か」という話の締め方がなく続きを聴けるこの時間。順番に聴くことで前後の話のつながりを感じていけるこの時間。なかなかに幸せです。
これだけしっかり聴き入れば、日本史に疎い自分でも宮本武蔵の半生はばっちり知識の肥やしにできる!
……などと一瞬は考えましたが、そういえばこれ、フィクションだらけの話でしたね(笑)
五話 竹之内加賀之介
旅籠にいる武蔵が揉み療治を頼んだ男は喧嘩を吹っかけるのが大好きで、武蔵に喧嘩を吹っ掛けまくり、武蔵も受けてしまう話。
どちらが強いかを柔術で決めようという流れになるので武蔵が二刀流どころか剣も出さず、2人でコミカルな動きをしている描写がひたすらに滑稽な話という印象でした。
六話 山本源藤次
名古屋で名古屋の話が聞けました!
冒頭で武蔵が山本源藤次を尋ねる時、門前払いされないように咄嗟に源藤次と義兄弟であると嘘を言ってしまいます。このくだりは、今までの話で聡明な印象がついていた武蔵が、案外おっちょこちょいな言動をするのねという気がしました。
しかし、深い仔細があるのだろうと嘘に乗っかり義兄弟ということで通してしまう源藤次は凄い。
マクラで伯山先生が「昔は名古屋城の金鯱には本物の金が使われていたそうですね」と仰っていましたが、今でも本物の18金ですよ!88kg分だったかな? というツッコミだけはさせていただきたくm(_ _)m
七話 柳生十兵衛
現代で話すにはコンプライアンス的に良くない内容、と語られ始めたこの話。
精神を病んだ柳生十兵衛と武蔵とが手合わせをする話でした。
コンプライアンス的に良くないということは普段は聴けない話。真剣の二刀流vs丸腰の戦いってめちゃくちゃそうだけど、盛り上がる戦いの描写が成立してしまうのが密かな驚きでした。
八話 吉岡治太夫
どこかで聴いたことがあるはずなのにどこで聴いたのかを調べても皆目わからない……。
武蔵がまるで出てこない話だけど、なんだかこの話はすごく好きです。最後にスカッとした気持ちになれるからでしょうか。
後に武蔵と関わることになる吉岡又三郎の父が、吉岡治太夫。
治太夫が開いた道場に唯一入門してきた筋の良い弟子、搗米屋。近所のよく栄えた道場で、師匠に止められていた他流試合をさせられました。その時にルール違反をされ大怪我をした搗米屋。治太夫は敵討ちのため相手の道場に赴きます。
相手の道場主がいかにも悪い試合を搗米屋に吹っかけていて性格も悪いときたところ、治太夫が弟子を思ってコテンパンにやっつける描写。カタルシスを得られるような気持ちよさを感じました。
ところで、毎日書いているこのnote記事は『神田松之丞 講談入門』(2018年) を参考に書いています。講談を耳で聞いているだけでは初めて知る人物名などの漢字は基本分かりませんからね。
で、この本の持ちネタ紹介で一番最初に出てくるのが「寛永宮本武蔵伝」なのですよ。
そんな話を連続読みで聴けているのは贅沢なことなのだろうと感じます。
4日目の話もとても楽しみです。
現状、自分の生き様や思考を晒しているだけなので全記事無料です。生き様や思考に自ら価値はつけないという意志の表れ。 でも、もし記事に価値を感じていただけたなら、スキかサポートをいただけるとモチベーションがめちゃくちゃアップします。体か心か頭の栄養にしますヾ(*´∀`*)ノ