14歳にきいた音楽の影響

そうか、確かに俺も14歳頃だったか、音楽を本格的に好きになったのは。大人になってからの音楽の好みが、14歳の時にきいた音楽で形成されているかどうか?うーんどうか?

俺の場合、15歳の夏に最前列で見たMoboⅢのライブで大革命が起こった。それまで売れ筋音楽、メジャーな音楽に影響される事が多くて、ギターが大好きになって行く中で、それどこじゃないやろ!と。自分の世界がいかに狭かったか思い知らされ、とりあえずいろいろきいてみた方がいい、それを最初に教えてくれたのは渡辺香津美だった。

14歳で思い出してこじつける?としたら、ビリー・ジョエルかも知れない。アルバム「イノセントマン」は大好きだったし、遡って彼のアルバムは全部きいたしどれも好きになった。今でも好きで、時々はきくものの、いろいろきく中で、そこまででもないかなと思う。

ただ、イノセントマンの中で特にグッと来たのが「夜空のモーメント」のハーモニカだった。もうそれだけでも巡り巡って大人になってからの音楽の好みに大きく関係している。今になってそれが面白いと思う。ハーモニカを吹いていたのはトゥーツ・シールマンス。何年も経って彼の輸入盤LPを手に入れて何度もきいた。彼は元々ギター弾きだと知った。そして福岡のブルーノートにやって来た。そんな日が来るなんて考えても無かった。LPを持って行くと喜んでサインをしてくれた。彼のハーモニカの音と同じように本当にこの上なく優しくイカした人だった。当時はまだ彼にまつわる話をほとんど知らなかったからその事はとても残念で仕方が無い。後になって知ったのは、彼はジャンゴ・ラインハルトが大好きだった事、エディット・ピアフのバックでギターを弾いていた事。彼はジャンゴにも会った事があるかもしれない。彼から直接何か話が聞きたかったなぁと思う。

トゥーツを知ってハーモニカがステキだと感じ、それからブルースはもちろん、チャーリー・マッコイやラリー・アドラーにも自然と辿り着く。今はアコーディオンが入った音楽も好きでよくきく。アコーディオンが好きになったのはもしかしたらトゥーツのおかげかもしれない。ピアフのそばでギターを弾いていた彼が、ハーモニカを吹くのにアコーディオンを意識しないはずはなかっただろう。フランスにはシャンソンがありミュゼットがあり、素晴らしいアコーディオン奏者もゴロゴロしていただろうから。アコーディオンをきいていて感じる懐かしさは夜空のモーメントのあのハーモニカに繋がっている、ような気がする。(録音ではなく、生のアコーディオンはこれまた迫力があって、懐かしいでは片づけられないものではありますが・・・)

ああそういえば、ハーモニカと言えばピアノマンか・・・。今でも時々行われるビリー・ジョエルのライブをきくと、ピアノマンは必ず大合唱だ。サビだけじゃなく最初っから大合唱だ。俺も一緒に合唱したいと思わずにはいられない。そんな奴がいるかどうか?やっていいいかどうか?分からないが、ついでにハーモニカ持参で一緒に吹いてみたい。うーんやはり14歳にきいたビリー・ジョエルの影響は、あるな。

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