すっごい黄色いコート

去年の冬、すっごい黄色いコートを買った。
辛子色とか山吹色とかじやない。
黄色！！！！！！って感じのすっごい黄色いピーコートだ。ボタンは黒でコントラストが強い。

友人が、ダウンが好きすぎてコートがほぼダウン。一着もいわゆるオーソドックスなウールのコートを持っていない。いい大人なのでグレーや黒のフォーマルにも使えるコートが欲しい。というので一緒に駅ビルや衣料品店を巡った。

結果、2人共すっごい黄色いコートを買った。

店頭に並ぶそれを冗談で友人にコレにしなよ。と話していたら品の良い黒縁眼鏡の店員に、羽織るだけでも…案外馴染みますよ。と声をかけられ２人共試着した。そしてまんまと２人とも気に入ってしまった。

こんなすっごい黄色が案外似合うんだ？？！という驚きで嬉しくなりもう欲しくなっていた。
私はコートを買う気すらなかったのに…

一度帰宅して、2人であのコートを買うか否か話し合った結果、最終的には既に購入した前提で話していた。気持ちは既に買っていた。
翌日、気持ちと事実の整合性を取るために購入した。つまり、恐ろしいことに衝動買いではない。冷静に検討してすっごい黄色いコートを買ったのだ。

肌寒くなってきて、すっごい黄色いコートを着られる季節が近づいてきた。
いまからもう、すっごい黄色いですね、とコートにコメントをされる心構えはできている。
そうなんです、すっごい黄色いんですよ。と返答する。言い逃れようのないすっごい黄色いコートなのだ。